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C型肝炎(慢性)

執筆者:

Anna E. Rutherford

, MD, MPH, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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C型慢性肝炎は、C型肝炎ウイルスを原因とし、6カ月以上持続している肝臓の炎症です。

  • C型肝炎は、肝臓にひどい損傷を与えるまでは症状を引き起こさないことがよくあります。

  • C型慢性肝炎の診断は、血液検査の結果に基づいて下されます。

  • C型慢性肝炎によって肝硬変が生じた場合、6カ月毎に肝臓がんのスクリーニングを行います。

  • C型慢性肝炎の治療は抗ウイルス薬によって行います。

C型急性肝炎の約75%は慢性化します。

米国のC型慢性肝炎の患者数は、約270万~390万人と推定されています。世界中では、7100万人がC型慢性肝炎にかかっていると推定されています。

C型慢性肝炎は、治療しないでいると、約20~30%の患者で肝硬変を引き起こします。しかし、肝硬変の発生までには何十年もかかることがあります。肝臓がんのリスクは、通常は肝硬変がある場合にのみ増加します。

C型肝炎ウイルスには様々なタイプ(遺伝子型1~6)があり、異なる薬で治療が行われることがあります。

症状

C型慢性肝炎患者の多くでは症状がみられません。全身のだるさ(けん怠感)、食欲不振、疲労、腹部の漠然とした不快感を覚える人もいます。

多くの場合、最初の具体的な症状は慢性肝疾患や肝硬変によるものです。その場合、以下のような症状がみられます。

  • 脾臓の腫大

  • 皮膚にみられる、小さなくものような形の血管(くも状血管腫)

  • 手のひらの発赤

  • 腹部への体液の貯留(腹水

  • 腸から肝臓に向かう静脈の血圧が異常に高くなる(門脈圧亢進症

  • 肝臓の機能不全に起因する脳の機能の低下(肝性脳症

  • 黄疸(皮膚と白眼が黄色に変色すること)

門脈圧亢進症は、肝臓の大量の瘢痕組織が肝臓を通る血流を妨げることによって生じます。その結果、肝臓に血液を運ぶ静脈(門脈)を血液が逆流し、これらの静脈内の圧力が高まります。

脳の機能が低下する理由は、ひどい損傷を受けた肝臓が血液から有害物質を正常に除去できないためです。そうした物質が、その後血液中に蓄積し脳に到達します。肝臓は正常な状態では、血液中から有害物質を取り除いて分解し、無害な副産物として胆汁(消化を助ける緑がかった黄色の液)中や血液中に排泄しています( 肝臓の機能)。肝性脳症の治療によって、脳の機能の低下が永続的なものになるのを予防できます。

スクリーニング

一部の人は、肝炎を疑わせる症状の有無にかかわらず、C型肝炎の検査について主治医に相談する必要があります。

以下の特徴がある人は、C型肝炎のスクリーニングを受ける必要があります。

  • 生まれた国にかかわらず、1945~1965年に生まれた

  • 違法薬物を現在使用しているか過去に注射したことがある(1回だけの場合や遠い過去の場合も)

  • 違法薬物を吸引したことがある

  • 1987年より前に血液凝固の問題のために注射(静脈内投与または筋肉内注射)による治療を受けた

  • 1992年7月より前に輸血か臓器移植を受けた

  • 長期にわたる血液透析による治療を、現在受けているか過去に受けたことがある

  • 肝臓の検査結果に異常があるか、慢性肝疾患がある

  • 医療か公衆安全関連の従事者で、注射針や鋭いものによる他のけがを介して血液に触れたことがある

  • HIV感染症を患っている

  • 刑務所に入れられたことがある

  • C型肝炎の女性から生まれた小児

このような検査が重要である理由は、最初に感染してから何年も経過し、感染によって肝臓に広範囲の損傷が生じるまで、症状が現れないことがあるためです。

診断

  • 血液検査

以下の場合にC型慢性肝炎が疑われることがあります。

  • 典型的な症状がみられる場合。

  • 血液検査(他の理由で行ったもの)で異常に高い肝酵素値が検出される場合。

  • 過去にC型急性肝炎の診断を受けたことがある場合。

C型慢性肝炎の検査は、通常、肝臓がどの程度機能しているかと肝傷害の有無を評価する血液検査(肝機能検査)により開始します。肝機能検査では、肝酵素や肝臓で作られるその他の物質の濃度を測定します。この検査は、肝炎の診断の確定や除外、原因の特定、肝傷害の重症度の判定に役立ちます。

また、感染症を引き起こしている肝炎ウイルスの種類を特定するための参考にする目的でも、血液検査を行います。

血液検査を行い、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを判定します。血液検査で以下の項目を測定します。

  • C型肝炎ウイルスに反応して患者の免疫系によって作られた抗体

  • C型肝炎ウイルスの遺伝物質(C型肝炎ウイルスRNA)

C型慢性肝炎が確定した場合、HIVとB型肝炎ウイルスも同じ経路(血液や精液などの体液との接触)で感染することが多いため、医師はこれらの感染の有無も調べます。

C型肝炎の診断が下された後、肝傷害の程度を判定し、肝疾患の他の原因がないか調べるための検査が行われることがあります。検査には以下のものがあります。

  • 特殊な画像検査、例えば超音波エラストグラフィーや磁気共鳴エラストグラフィーなど

  • 線維化の有無や程度を示す物質(マーカー)を測定する血液検査

肝臓がんのスクリーニング

C型慢性肝炎の患者では、肝臓がんのスクリーニングを6カ月毎に行います。以下の検査が行われることがあります。

  • 超音波検査

  • ときにアルファ-フェトプロテインの濃度の測定

肝臓がんがあると、アルファ-フェトプロテイン(胎児の未熟な肝細胞が正常時から作るタンパク)の測定値が高くなります。

治療

  • 抗ウイルス薬

C型慢性肝炎の治療は、直接作用型抗ウイルス薬という抗ウイルス薬で行われます。通常は、いくつかの薬を同時に使用します。

C型慢性肝炎では、以下の両方が認められる場合に治療が適応となります。

  • 肝酵素値が上昇している。

  • 生検で炎症が進行していることと瘢痕組織の形成が続いていることが示される。

治療法は、感染の原因となったC型肝炎ウイルスのタイプによって異なります。C型肝炎の治療用として新しい抗ウイルス薬が開発されているため、推奨される治療法は急速に変化しています。

C型肝炎の治療には多くの抗ウイルス薬が使用できます。具体的には、ソホスブビル、ダクラタスビル、パリタプレビル、リトナビル、オムビタスビル、ダサブビル(dasabuvir)、テラプレビル、ボセプレビル(boceprevir)、シメプレビル、エルバスビル、グラゾプレビル、ベルパタスビル、グレカプレビル、ピブレンタスビル、リバビリン(すべて経口投与)などがあります。

治療は8~24週間続けます。C型肝炎の治療により、体内からウイルスを排除し、炎症を食い止め、肝硬変に至る瘢痕化を予防することができます。

リバビリン、テラプレビル、ボセプレビル(boceprevir)、シメプレビルは、先天異常を引き起こす可能性があります。そのため、これらの薬を服用しなければならない患者は、性別にかかわらず、治療中および治療終了後6カ月間にわたって避妊を行う必要があります。

C型慢性肝炎によって肝臓に重度の損傷が起きている場合は、肝移植を行うことがあります。肝移植を受けたC型肝炎の人には、治癒の可能性を高めるため、しばしば抗ウイルス薬による治療が行われます。

治療が完了したら、ウイルスの遺伝物質の量を測定するために血液検査を行います。選択された投薬計画によっては、治療完了後12週時点と24週時点で何も検出されない場合、おそらく治癒が得られたと判断されます。

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