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リハビリテーションの概要

執筆者:

Alex Moroz

, MD, New York University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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本ページのリソース

慢性的な閉塞性の肺疾患 慢性閉塞性肺疾患(COPD) 慢性閉塞性肺疾患は、気道が狭くなる状態(閉塞)が持続する病気で、肺気腫や慢性閉塞性気管支炎、またはその両方に伴って発生します。 この病気の原因として最も重要なのは、紙巻きタバコの喫煙です。 この病気になると、せきが出て、やがて息切れが現れます。 診断は、胸部X線検査と肺機能検査によって下されます。... さらに読む 慢性閉塞性肺疾患(COPD) にかかっている人には、多くの場合、呼吸リハビリテーション 呼吸リハビリテーションでは、慢性肺疾患がある人において、日常生活能力を向上させ、生活の質を高めることを目的として、運動、教育、行動への介入を行います。 呼吸リハビリテーションは、慢性的な肺疾患の患者を対象にしたプログラムです。その第一の目標は、自立性と身体機能を最大限に高め、それを維持することです。ほとんどの呼吸リハビリテーションプログラ... さらに読む プログラム が適しています。重症の外傷や手術後などの理由で寝たきりの生活が長く続き、体力が落ちている人にもリハビリテーションが必要です。理学療法 理学療法 (PT) 理学療法は、リハビリテーションの中心となるもので、運動療法と整体を行います。関節や筋肉の機能を改善し、患者がより容易に立ち、バランスをとり、歩き、階段を昇れるようにします。理学療法では以下のような訓練が行われます。 関節可動域訓練 筋肉強化運動 協調・バランス運動訓練 歩行訓練 さらに読む 作業療法 作業療法 (OT) 作業療法は、リハビリテーションの中心となるもので、基本的なセルフケア活動、有用な動作や作業、余暇活動を行う能力を高めることを目標としています。こうした活動には、基本的な日常活動(食べる、服を着る、入浴する、身だしなみを整える、トイレに行く、移乗する[いすからトイレやベッドに移る]など)や、より複雑な日常活動(食事の準備をする、電話やコンピ... さらに読む 痛みや炎症の治療 痛みと炎症の治療 リハビリテーション専門の療法士は、痛みと炎症を治療します。このような治療によって患者は体を動かしやすくなり、全面的にリハビリテーションに取り組めるようになります。実際には以下のような技法が用いられます。 温熱療法 寒冷療法 電気刺激 牽引 さらに読む 、失われた機能を補うための再訓練がリハビリテーションの中心となります。治療は通常、マンツーマンのトレーニングを何週間も継続して行います。

リハビリテーションが必要な人はどの年代にもいますが、リハビリテーションの種類、レベル、目標は年代によって様々です。高齢者に起こりがちな慢性的な機能障害のリハビリテーションは、期間は長いものの強度は要求されず、若い人の骨折や熱傷による一時的な機能障害に対するものとは、目標も内容も異なります。例えば、過去に脳卒中を起こしたことがあり、重度の心不全がある高齢者にとっては、食事、着衣、入浴、ベッドといすの間の移動、トイレの使用、排尿と排便のコントロールなどを可能な限り自力で行う能力の回復が目標となります。骨折した若い人であれば、できるだけ早く機能を回復させることが目標になるでしょう。しかしながら、リハビリテーションの目標や強度を決定する要因は年齢だけでなく、他の病気の存在や制限事項も影響します。

知っていますか?

  • 重い病気やけが、外科手術の後に、完全回復を目指すのであれば、推奨されるリハビリテーションプログラムを行う必要があります。

  • リハビリテーションは病院や自宅、リハビリテーションセンターなどで行うことができます。

正式にリハビリテーションプログラムを始めるとき、医師はリハビリテーション医(リハビリテーション医学を専門とする医師)、作業療法士、理学療法士、リハビリテーションセンターなどに、紹介状(処方せんに似ている)を書きます。紹介状には、治療目標、病気やけがの種類と発生時期が明確に記されます。また、歩行訓練(歩行の介助)や日常生活動作の訓練など、必要な治療の種類も紹介状に明記されます。

設定

リハビリテーションを行う場所は、患者のニーズで決まります。けがから回復中の人の多くは、療法士のもとで外来患者として治療を受けることができます。重度の障害をもつ人は、病院や入院型リハビリテーションセンターでのケアが必要になる場合があります。このような施設では、リハビリテーションチームが治療を行います。医師や療法士のほかに、看護師、心理士、ソーシャルワーカー、言語聴覚士(発語、言語能力、発声を評価)、聴覚の専門家(聴覚を評価)、その他の医療従事者、患者の家族が一緒になってチームを作ります。機能の大きな喪失は、例えば以下のような問題につながることがあるため、チームによるアプローチが最善です。

家庭でのケアは、出かけるのは困難でも、ベッドからいす、あるいはいすからトイレに行き来ができるなど、介助が少なくて済む人に適しています。しかしこのような場合、家族や友人にリハビリテーションを手助けしてもらわなければなりません。家族の助けを借りて家庭でリハビリテーションを行うのが最も望ましいのですが、家族には肉体的にも精神的にも負担がかかります。訪問リハビリを頼める場合は、理学療法士や作業療法士が在宅ケアを手助けしてくれます。

多くの介護施設は、リハビリテーションセンターよりも低強度のリハビリテーションプログラムを実施しています。こうしたプログラムは、フレイル(加齢に伴い筋力や心身の活力が低下した状態のこと)な人や高齢者など、激しいリハビリにあまり耐えられない人に適しています。

目標

リハビリテーションチームや療法士は、各問題について短期的目標と長期的目標の両方を設定します。例えば手にけがをして筋力が低下し可動域が限られている人の場合、短期的な目標として、一定の範囲で可動域を増やすことや、数キログラムの物を持てるほどに握力を高めることを設定します。長期的な目標として、例えば再びピアノを弾けるようになることなどを設定します。短期的な目標があると、短い間に達成する内容が明確になります。長期的な目標があると、リハビリテーションで数カ月後に何がどこまで得られるのかを把握しやすくなります。チームはこの短期目標を達成するよう患者を励まし、経過を注意深くモニタリングします。患者の気が進まなくなったり経済的な理由などで続けられなくなったとき、あるいは進行が予想より遅かったり早かった場合には、目標が変更されることもあります。

多くの状況では、目標を設定することで、患者が再び歩けるようになり、日常に欠かせない活動(服を着る、髪を整える、入浴する、自分で食事する、料理する、買い物するなど)を行えるようになる一助とします。

機能障害の程度やリハビリテーションチームの技術にかかわらず、リハビリテーションで得られる最終的な成果は、患者のやる気に左右されます。家族や友人の注意をひきたいために回復を遅らせる患者もいます。

加齢に関連する注意点

高齢者では、リハビリテーションが必要な病気(脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む 心臓発作 冠動脈疾患(CAD)の概要 冠動脈疾患とは、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が部分的または完全に遮断されることで起きる病気です。 心筋は酸素を豊富に含んだ血液を絶えず必要とします。その血液を心臓に送る血管は、大動脈が心臓から出たところで枝分かれする冠動脈です。この血管が狭くなる冠動脈疾患では、血流が遮断されて、胸痛(狭心症)や心臓発作(心筋梗塞とも呼ばれる)が発生しま... さらに読む 冠動脈疾患(CAD)の概要 股関節骨折 股関節の骨折 股関節骨折は、太ももの骨(大腿骨)の丸い上端部(骨頭)、大腿骨頭のすぐ下の狭くなった部分(頸部)、または頸部のすぐ下の広くなっている部分の隆起で起こることがあります。 股関節骨折は、通常は高齢者(特に骨粗しょう症患者)に発生し、しばしば軽い転倒で起こります。 通常、患部側の脚を動かしたり、立ったり、歩いたりするとかなりの痛みが生じます。... さらに読む 腕や脚の切断 腕や脚の切断後のリハビリテーション 手術前に、外科医、義肢装具士、理学療法士は切断が必要な患者のリハビリテーションの計画と目標を話し合います。義肢装具士は、義手や義足の取り付けや組み立て、調整を行い、使い方の説明なども行います。リハビリテーションで行われる訓練は、切断前に開始する場合もあります。(リハビリテーションの概要および義肢の概要も参照のこと。)... さらに読む など)がよくみられます。しかし高齢者の特徴には、次のようにリハビリテーションを困難にするものがあります。

とはいうものの、年齢だけではリハビリテーションを延期または拒否する理由になりません。

高齢者は回復も緩やかです。それゆえ、高齢者向けのプログラムを利用するとよいでしょう。高齢者は若い人とは目標が異なり、低強度のリハビリテーションと別種のケアが必要です。高齢者向けのプログラムに取り組んでいれば、若い人と進捗を比較して、やる気を失うことも少なくなります。

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