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脊椎圧迫骨折

執筆者:

Danielle Campagne

, MD, University of San Francisco - Fresno

最終査読/改訂年月 2014年 12月
本ページのリソース

ほとんどの脊椎圧迫骨折は骨粗鬆症によるものであり,症状はないかごくわずかで,外傷なしに,またはごくわずかな外傷により生じる。

椎骨の骨粗鬆症性圧迫骨折( 骨粗鬆症)は,胸椎(通常T6より下)および腰椎でよくみられ,特にT12-L1の移行部の近くで多い。先行する外傷はないか,またはごくわずかなものである(例,軽い転倒,突然腰を曲げる,物を持ち上げる,咳嗽)。骨粗鬆症性脊椎骨折の既往がある患者は他の脊椎の骨折および脊椎以外の骨折のリスクが高い。

ときに,強い力によって圧迫骨折または他の脊椎骨折が起こる(例,自動車衝突事故,高所からの転落,銃創)。このような場合,脊髄も損傷していることが多く( 脊椎・脊髄外傷),脊椎が複数箇所で骨折している可能性がある。原因が高所からの転落または飛び降りである場合,片方または両方の踵も骨折することがある( 踵骨骨折);踵骨骨折の全患者の10%には胸腰椎骨折もみられる(踵から着地した際の骨格への軸方向の荷重による)。

症状と徴候

骨粗鬆症性脊椎骨折は,約3分の2の患者で無症状であるか,または身長の低下もしくは脊柱後弯のみを引き起こす。他の患者では,疼痛が即時にまたは遅れて発生することがある。疼痛は腹部に放散する場合がある。根性痛,筋力低下,および反射異常または括約筋異常はまれである。典型的には疼痛は約4週間後に減弱し,約12週間後に消失する。

骨粗鬆症性でない脊椎圧迫骨折は,急性疼痛,骨折部位の骨の圧痛,および通常は筋攣縮を引き起こす。

診断

  • X線

骨粗鬆症性骨折は通常,X線により診断する。通常の所見は以下の通りである:

  • 脊椎の高さの減少(特に6cm超)

  • 放射線透過性の亢進

  • 骨梁構造の消失

  • 前方の楔状化

骨粗鬆症性脊椎骨折は偶発所見として診断されることが多い。患者に骨粗鬆症の危険因子(例,高齢)がない場合,この骨折は可能性が低い。

T4より上の孤立性の骨折は,骨粗鬆症よりむしろ癌を示唆する。患者に骨粗鬆症があることが明らかでない場合,二重エネルギーX線吸収法(DXA)を行うべきである。新たに骨粗鬆症と診断された場合は,続発性骨粗鬆症の原因について評価すべきである( 骨粗鬆症 : その他の検査)。

重大な外傷が発生した場合,CTを施行して脊柱全体を評価し,神経脱落症状または神経症状が認められれば,脊髄の適切な部位のMRIを施行する( 脊椎・脊髄外傷 : 診断)。

原因が高所からの転落または飛び降りの場合,踵骨骨折およびさらなる脊椎骨折がないか確認すべきである。

治療

  • 鎮痛薬

  • 早期運動および理学療法

治療は疼痛緩和および早期運動療法に焦点を置く。鎮痛薬を投与する。正常な活動の早期再開がさらなる骨量減少および障害の制限に役立つ。

理学療法士は,正しい物の持ち上げ方を教え,傍脊柱筋を強化する訓練を処方することにより援助できるが,疼痛が管理されるまで治療を延期する必要がある場合がある。

骨粗鬆症があれば,治療する(例,ビスホスホネート系薬剤による— 骨粗鬆症 : 治療)。カルシトニンも使用されることがあり,疼痛の緩和および骨密度増加に役立つことがある。

装具が処方されることが多いが,その効果は明らかではない。

症例によっては,椎体形成術(vertebroplasty)(ときにバルーン椎体形成術[kyphoplasty]に続く)により重度の疼痛を緩和できる。椎体形成術(vertebroplasty)では,メチルメタクリレートを椎体に注入する。バルーン椎体形成術(kyphoplasty)では,バルーンで椎体を拡張する。

これらの手技により,注入を行った脊椎の変形が軽減する可能性があるが,隣接する脊椎の骨折リスクは減少せず,増大することさえある。他のリスクとしては,肋骨骨折,セメントの漏出,および肺水腫または心筋梗塞などが挙げられる。

骨折が重大な外傷によって生じた場合,直ちに脊椎を固定して,CTまたはMRIを行い骨折の安定性を評価する。脊髄損傷があれば直ちに治療し( 脊椎・脊髄外傷 : 治療),支持療法(例,鎮痛薬,早期運動)を行う。

要点

  • ほとんどの脊椎骨折は骨粗鬆症の結果生じる。

  • 骨粗鬆症性脊椎骨折の約3分の2は無症状であるか,または身長の低下もしくは脊柱後弯のみを引き起こす。

  • T4より上に孤立性の骨折が認められる場合,癌を疑う。

  • 患者に骨粗鬆症があることが明らかでない場合,二重エネルギーX線吸収法を予定する。

  • 早期運動を推奨する。

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