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十二指腸閉塞

執筆者:

William J. Cochran

, MD, Geisinger Clinic

最終査読/改訂年月 2016年 10月
本ページのリソース

消化器系の先天異常の概要も参照のこと。)

十二指腸は閉鎖,狭窄,または腫瘤からの外的圧力によって閉塞する可能性がある。

十二指腸閉鎖

この奇形は消化管閉鎖で3番目に頻度が高い。推定発生率は出生5000~10000人当たり1例である。十二指腸閉鎖の原因は,胎児十二指腸における疎通の異常である。この異常には,虚血または遺伝因子が関連している可能性がある。

十二指腸閉鎖は他の腸閉鎖と異なり,ダウン症候群などの他の先天異常を合併するのが一般的であり,ダウン症候群は25~40%の症例でみられる。その他の合併奇形としては,VACTERL連合(vertebral anomalies[脊椎奇形],anal atresia[鎖肛],cardiac malformations[心奇形],tracheoesophageal fistula[気管食道瘻],esophageal atresia[食道閉鎖],renal anomalies[腎奇形],radial aplasia[橈骨無形成],limb anomalies[四肢奇形]),回転異常輪状膵,胆道異常,下顎顔面奇形などがある。

十二指腸閉鎖の診断としては,羊水過多,腸管拡張,腹水,またはこれらの組合せがみられれば,出生前から疑うことができる。

出生後では,十二指腸閉鎖の乳児は羊水過多,哺乳困難,および嘔吐(胆汁性のことがある)で発症する。本症の診断は,症状と古典的なX線所見であるdouble-bubble sign(一方のバブルは胃にあり,もう一方は近位十二指腸にみられるが,肛門側食道腸管にはガスはほとんどまたは全くみられない)から示唆される。上部消化管造影で確定診断が得られるが,誤嚥を避けるため,この処置の経験が豊富な放射線科医が慎重に行うべきであり,外科手術を直ちに行う予定がある場合は典型的には不要である。手術を遅らせる予定の場合(例,呼吸窮迫症候群など他の内科的問題を安定化させる必要があるため)は,double-bubble signが回転異常に起因するものではないことを確認するため,下部消化管造影を施行すべきである。本症が疑われた場合には,何も経口摂取させてはならず,経鼻胃管を挿入して胃の減圧を図らなければならない。

手術が根治的治療である。

十二指腸狭窄

この異常は,頻度こそ十二指腸閉鎖より低いものの,類似した臨床像を呈し,手術が必要である。これもまた,高頻度でダウン症候群を合併する。

総胆管嚢腫

総胆管嚢腫は,外的圧力によって十二指腸を閉塞することがある。総胆管嚢腫の発生率が上昇していることを示唆したエビデンスもある。

総胆管嚢腫の患児は,古典的には腹痛(新生児で推察するのは非常に困難),右上腹部腫瘤,黄疸の3徴候を呈する。嚢腫が大きくなると,様々な程度の十二指腸閉塞を併発するようになる。新生児は胆汁うっ滞で発症することがある。そのような症例は比較的まれであるが,アジア人の新生児で最も多くみられる。

総胆管嚢腫は大抵の場合,超音波検査で診断される。この種の嚢腫は,磁気共鳴胆道膵管造影,ERCP,または超音波内視鏡検査でより詳細に確認することができる。

総胆管嚢腫の治療は手術によるが,残存嚢腫内では癌の発生リスクが高い(20~30%)ことから,嚢腫の完全切除が必要になる。最も頻用される術式は,Roux-en-Y肝管空腸吻合である。

輪状膵

輪状膵は,膵組織が十二指腸第2部を輪状に取り巻くことで十二指腸閉塞を来すまれな(出生100,000人当たり5~15例)先天異常であり,ダウン症候群に合併することが多い。

約3分の2の患者は無症状のまま経過する。新生児期に発症する患者が大半であるが,成人期まで発症が遅れることもある。新生児は羊水過多,哺乳困難,および嘔吐(胆汁性のことがある)で発症する。

輪状膵の診断は,十二指腸閉鎖でみられるものと同じdouble-bubble signを示した腹部X線写真から示唆される。上部消化管造影で診断できるが,CTまたは磁気共鳴胆道膵管造影を用いた方がより確定的な診断が可能になる。より年長の小児ではERCPを施行できる。

輪状膵の治療法は,十二指腸十二指腸吻合,十二指腸空腸吻合,または胃空腸吻合による輪状膵の外科的バイパス術である。合併症として膵炎および膵瘻が発生する可能性があるため,膵切除は避けるべきである。

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