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13トリソミー

(パトウ症候群;Dトリソミー)

執筆者:

Nina N. Powell-Hamilton

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

医学的にレビューされた 2018年 10月
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13トリソミーは,過剰な13番染色体によって引き起こされる病態で,前脳,中顔面,および眼の発育異常,重度の知的障害,心臓の異常,ならびに出生時低身長で構成される。

13トリソミーは出生約10,000人当たり1例の頻度で発生し,約80%が完全な13トリソミーである。母体年齢が高くなるにつれてリスクも増大し,過剰染色体は通常母親由来である。

在胎期間に対して体格が小さい傾向がある。正中部の異常がよくみられ, 全前脳胞症 全前脳胞症 大脳半球は増大,縮小,非対称などの形態をとることがあり,脳回は欠損,増大,多小脳回などの場合がある。 肉眼的に確認できる奇形だけでなく,外観は正常な脳でも顕微鏡切片を見ると,ニューロンの正常な層構造が崩壊している場合がある。正常では白質で占められている領域に,灰白質の限局性沈着がみられることがある(異所性灰白質)。 大脳半球の奇形の原因には遺伝性のものと後天性のものがある。後天性の原因としては,感染症(例,サイトメガロウイルス)や,発達... さらに読む 全前脳胞症 (前脳が適切に分割されないことで生じる), 口唇裂や口蓋裂 口唇裂および口蓋裂 口唇裂,口唇口蓋裂,および単独の口蓋裂を総称して,口腔裂と呼ぶ。口腔裂は最も頻度の高い頭頸部先天奇形であり,全体での有病率は出生1000人当たり2.1例である。環境因子と遺伝因子の両方が原因として推定されている。出生前の母親による喫煙および飲酒によってリスクが増大する。罹患児が1人いると,2人目の罹患リスクが高くなる。このリスクは,受胎前から第1トリメスターにかけて葉酸を摂取することで低減できる。... さらに読む 口唇裂および口蓋裂 などの顔面奇形, 小眼球症 小眼球症 出生時から眼の欠損,変形,または不完全な発育がみられることがある。 ( 頭蓋顔面部および筋骨格系の先天異常に関する序論ならびに 先天性頭蓋顔面異常の概要も参照のこと。) この患者には眼間開離(左右の眼の間隔が広い)と上顎低形成(上顎が小さい)がみられる。さらに平坦な鼻梁,眼瞼裂斜上,内眼角贅皮,耳介低位,下顎後退症など,他の顔面変形もみられる。 眼間開離は,両眼の間隔が広い状態であり,瞳孔間距離の延長によって定義され,前頭鼻異形成(正中... さらに読む 小眼球症 ,虹彩 コロボーマ コロボーマ 出生時から眼の欠損,変形,または不完全な発育がみられることがある。 ( 頭蓋顔面部および筋骨格系の先天異常に関する序論ならびに 先天性頭蓋顔面異常の概要も参照のこと。) この患者には眼間開離(左右の眼の間隔が広い)と上顎低形成(上顎が小さい)がみられる。さらに平坦な鼻梁,眼瞼裂斜上,内眼角贅皮,耳介低位,下顎後退症など,他の顔面変形もみられる。 眼間開離は,両眼の間隔が広い状態であり,瞳孔間距離の延長によって定義され,前頭鼻異形成(正中... さらに読む コロボーマ (欠裂),網膜異形成などがみられる。眼窩上隆起が浅く,眼瞼裂は通常傾斜している。耳介は変形し,通常低位付着となる。難聴も多い。頭皮欠損および皮膚洞もよくみられる。しばしば頸部背面上に弛緩した皮膚の襞がみられる。

単一手掌屈曲線, 多指症 多指症 先天性四肢障害(congenital limb defect)とは,四肢の欠損,不完全な発達,過剰,または異常な発達が出生時に認められる状態である。 ( 頭蓋顔面部および筋骨格系の先天異常に関する序論も参照のこと。) 先天性四肢切断および先天性四肢欠損症は,出生時に四肢が欠如しているか,不完全なものである。全体での有病率は出生10,000人当たり7.9例である。ほとんどは,原発性の子宮内発育制限,または正常胚組織の子宮内破壊に続発する破... さらに読む 多指症 ,凸状に隆起した狭い爪もよくみられる。約80%の症例で重度の 先天性心血管異常 心血管系の先天異常の概要 先天性心疾患は,最も頻度の高い先天奇形であり,出生児の1%近くに発生する( 1)。先天異常のうち,先天性心疾患は乳児期死亡の主要な原因である。 乳児期に診断される最も頻度の高い先天性心疾患は,筋性部および膜性部 心室中隔欠損症であり,それに二次孔型 心房中隔欠損症が続き,これらを合わせた有病率は出生10... さらに読む 心血管系の先天異常の概要 を合併し,右胸心がよくみられる。生殖器は男女とも異常の頻度が高く,男児では 停留精巣 停留精巣 停留精巣とは,一側または両側の精巣が陰嚢まで下降していない状態であり,典型的には 鼠径ヘルニアを合併する。診断は診察によるが,ときに続いて腹腔鏡検査を行う。治療法は外科的な精巣固定術である。 停留精巣は,正期産児では約3%,早期産児では最大30%に発生し,停留した精巣の3分の2は生後4カ月以内に自然下降する。よって,男児の約0.8%のみが治療を必要とする。 停留精巣の80%は出生時に診断される。残りは小児期または青年期早期に診断され,通... さらに読む 停留精巣 と陰嚢異常が,女児では双角子宮が生じる。

診断

  • 核型分析,蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH),および/または染色体マイクロアレイ解析による細胞遺伝学的検査

出生後は外観から, 出生前は超音波検査の異常所見 出生前超音波検査 遺伝学的評価はルーチンの出生前ケアの一環であり,理想的には受胎前に行う。女性がどの程度までの遺伝学的評価を選択するかは以下の要因をどの程度重視するかに関係する: 危険因子および以前の検査結果に基づく胎児異常の可能性 侵襲的な胎児検査による合併症の可能性 結果を知ることの重要性(例,異常が診断された場合妊娠中絶するのか,結果を知らないことで不安になるか) これらの理由から,決定は個人的なものであり,たとえ同様のリスクがある場合であっても,... さらに読む 出生前超音波検査 (例,子宮内胎児発育不全),または母体血液検体による複数のマーカースクリーニングもしくは細胞フリー胎児DNA配列による非侵襲的出生前 スクリーニング スクリーニング 染色体異常は様々な疾患の原因となる。性染色体(XおよびY染色体)の異常よりも常染色体(男女とも22対ある相同な染色体)の異常の方が多くみられる。 染色体異常はいくつかのカテゴリーに分けられるが,大きく数的異常と構造異常に分けて考えることができる。 数的異常としては以下のものがある:... さらに読む (NIPS)から診断として13トリソミーが疑われることがある。

疑いのある全症例には, 羊水穿刺 羊水穿刺 遺伝学的評価はルーチンの出生前ケアの一環であり,理想的には受胎前に行う。女性がどの程度までの遺伝学的評価を選択するかは以下の要因をどの程度重視するかに関係する: 危険因子および以前の検査結果に基づく胎児異常の可能性 侵襲的な胎児検査による合併症の可能性 結果を知ることの重要性(例,異常が診断された場合妊娠中絶するのか,結果を知らないことで不安になるか) これらの理由から,決定は個人的なものであり,たとえ同様のリスクがある場合であっても,... さらに読む  羊水穿刺 または 絨毛採取 絨毛採取 遺伝学的評価はルーチンの出生前ケアの一環であり,理想的には受胎前に行う。女性がどの程度までの遺伝学的評価を選択するかは以下の要因をどの程度重視するかに関係する: 危険因子および以前の検査結果に基づく胎児異常の可能性 侵襲的な胎児検査による合併症の可能性 結果を知ることの重要性(例,異常が診断された場合妊娠中絶するのか,結果を知らないことで不安になるか) これらの理由から,決定は個人的なものであり,たとえ同様のリスクがある場合であっても,... さらに読む 絨毛採取 による検体の細胞遺伝学的検査(核型分析,蛍光in situハイブリダイゼーション[FISH],および/または染色体マイクロアレイ解析[CMA])によって診断を確定する。出生後は,通常は血液検体を用いる細胞遺伝学的検査で確定する。

非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)に基づく疑い例,特にその結果が不確定ないし不明瞭な症例,非侵襲的出生前スクリーニングの陽性適中率が低い若年女性には確定診断検査を行い,また他の胎児染色体異常を診断することを目的として確定診断検査を行う。妊娠中絶などの管理に関する決定は,非侵襲的出生前スクリーニングの結果のみに基づいて行うべきではない。細胞フリー胎児DNA検査に関しては,American College of Obstetricians and Gynecologists Committee on Genetics and the Society for Maternal–Fetal Medicine practice bulletinも参照のこと。

治療

  • 支持療法

患児の大半(80%)は病状が重いために生後1カ月を前に死亡し,1年以上生存できる割合は10%未満である。家族に対する支援が極めて重要である。

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