小児期の予防接種スケジュール

執筆者:Michael J. Smith, MD, MSCE, Duke University School of Medicine
レビュー/改訂 2021年 11月 | 修正済み 2022年 2月
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予防接種は,米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC),米国小児科学会(American Academy of Pediatrics),American Academy of Family Physicians,およびAmerican College of Obstetricians and Gynecologistsが推奨するスケジュールに従う。0~6歳を対象とする推奨予防接種スケジュール7~18歳を対象とする推奨予防接種スケジュール,および生後4カ月~18歳を対象とするキャッチアップスケジュールの表を参照のこと。

医療従事者はCDCの最新の推奨も確認すべきであり(無料モバイルアプリとしても利用可能),CDCの小児期から青年期の予防接種スケジュール およびキャッチアップスケジュール,ならびに詳細な推奨および更新について,Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)の関連する声明を参照すべきである。接種状況は受診のたびに再評価するべきである。

個々のワクチンの有害作用と接種方法の詳細については,予防接種の概要を参照のこと。

表&コラム
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小児におけるCOVID-19に対するワクチン接種

予防接種スケジュールに記載されているワクチン接種に加えて,米国では現在,特定の年齢層の小児がCOVID-19ワクチンの接種対象となっている。Pfizer社とBioNTech社が製造するCOVID-19ワクチンBNT162b2(mRNA)(製品名コミナティ)は,5~15歳の小児を対象とする緊急使用許可(EUA)を取得しており,また,16歳以上の人々での使用が承認されている。12歳以上に対する用量は0.3mL(30μg)の筋肉内接種であり,3週間の間隔を空けた2回の注射で初回接種を行う。5~11歳に対する用量は0.2mL(10μg)の筋肉内接種であり,同様に,3週間の間隔を空けた2回の注射で初回接種を行う。また,免疫系に中等度から重度の障害がある5歳以上の個人に対し,2回目の接種後28日以上が経過してから追加の初回接種を行う場合にも,EUAが適用される。12歳以上の易感染者には,3カ月以上後に追加接種も行うべきである。(Guidance for COVID-19 vaccination for people who are moderately or severely immunocompromisedも参照のこと。)

最初の2回の接種を5カ月以上前にBNT162b2で完了した12歳以上の全ての接種者には,追加接種が推奨される。18歳以上の人々は追加接種で複数のCOVID-19ワクチンからいずれかを選択できるのとは異なり,12~17歳の青年に対しては,現時点でBNT162b2のみが承認されてる。

COVID-19ワクチンは,定期予防接種と同時に接種することができる。

COVID-19ワクチンの禁忌は以下の通りである(1):

  • 過去の接種後に重度のアレルギー反応を起こしたことがある

  • ワクチンの成分に対して重度のアレルギー反応を起こしたことがある

  • 以前の接種後に即時型アレルギー反応(重症度は問わない)を起こしたことがある,またはワクチンの成分に対して既知のアレルギー(診断がついている)がある

mRNAワクチンに使用されているポリエチレングリコール(PEG)は,アレルゲンとしての関与が最もよく示唆される成分である。

Moderna製のCOVID-19ワクチンmRNA-1273(mRNA)も18歳未満の小児を対象として研究が進められているが,現時点で承認もEUAも受けていない。

小児におけるCOVID-19に対するワクチン接種に関する参考文献

  1. 1.Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Interim clinical considerations for use of COVID-19 vaccines currently approved or authorized in the United States: Contraindications and precautions.Accessed 02/10/2022.

小児におけるマラリアの予防接種

2021年10月6日,世界保健機関(World Health Organization:WHO)は,サハラ以南アフリカをはじめとする,熱帯熱マラリア原虫 (Plasmodium falciparum)によるマラリアの感染率が中程度から高い水準にある地域の小児に対して,マラリアワクチンRTS,S/AS01(RTS,S)の広範な使用を推奨した。(WHO recommends groundbreaking malaria vaccine for children at riskを参照のこと。)

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