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妊娠中の尿路感染症

執筆者:

Lara A. Friel

, MD, PhD, University of Texas Health Medical School at Houston, McGovern Medical School

最終査読/改訂年月 2020年 4月

尿路感染症(UTI)は妊娠中には多いが,これは明らかに尿の停滞によるもので,ホルモンによる尿管拡張,ホルモンによる尿管蠕動の低下,および増大した子宮による尿管圧迫が要因である。無症候性細菌尿は妊娠の約15%に起こり,ときとして症状を伴う膀胱炎腎盂腎炎に進行する。UTIが明らかとなる前に,必ずしも無症候性細菌尿が先行するとは限らない。

無症候性細菌尿,UTI,および腎盂腎炎は以下のリスクを上昇させる:

診断

  • 尿検査および培養

尿検査および尿培養は無症候性細菌尿を調べる初期評価でルーチンに行われる。症状のあるUTIの診断は妊娠によって変わることはない。

治療

  • セファレキシン,ニトロフラントイン,またはトリメトプリム/スルファメトキサゾールなどの抗菌薬

  • 治癒確認のための培養およびときに抑制療法

胎児に害を及ぼしうる薬物を避けることを除き,症状のあるUTIの治療が妊娠によって変わることはない(妊娠中に有害作用を示す主な薬物の表を参照)。無症候性細菌尿が腎盂腎炎につながることがあるため,急性UTIと同様の抗菌薬で治療を行うべきである。

抗菌薬の選択は個人および地域の感受性と耐性パターンに基づくが,最初の経験的治療として優れた選択肢としては以下のものがある:

  • セファレキシン

  • ニトロフラントイン

  • トリメトプリム/スルファメトキサゾール

ニトロフラントインは,妊娠満期,陣痛・分娩中,または分娩が切迫している妊婦では,新生児に溶血性貧血が起きる可能性があるため禁忌である。G6PD(グルコース-6-リン酸脱水素酵素)欠損症の妊婦はニトロフラントインを服用すべきではない。妊娠期間の最後の30日間に妊婦がニトロフラントインを服用すると,新生児黄疸の発生率が上昇する。第1トリメスターにニトロフラントインを使用するのは,他の代替薬が利用できない場合のみに限定すべきである。

トリメトプリム/スルファメトキサゾール(TMP/SMX)は,新生児に先天奇形(例,神経管閉鎖不全)および核黄疸を引き起こす可能性がある。葉酸補充により,一部の先天奇形のリスクが低下する可能性がある。第1トリメスターにTMP/SMXを使用するのは,他の代替薬が利用できない場合のみに限定すべきである。

治療後は,治癒確認のための培養が必要である。

腎盂腎炎の妊婦,または2回以上UTIを起こしたことのある妊婦では,残る妊娠期間中の再発抑制療法を必要とすることがあり,通常トリメトプリム/スルファメトキサゾール(34週前)またはニトロフラントインを用いる。

細菌尿症(UTIや腎盂腎炎の有無にかかわらず)のある妊婦では,尿を毎月培養する。

要点

  • 無症候性細菌尿,UTI,および腎盂腎炎は,切迫早産ならびに前期破水のリスクを上昇させる。

  • 始めにセファレキシン,ニトロフラントイン,またはトリメトプリム/スルファメトキサゾールを用いて治療する。

  • 治療後の治癒確認のための培養を行う。

  • 腎盂腎炎の妊婦,または2回以上UTIを起こしたことのある妊婦では再発抑制療法を考慮し,通常トリメトプリム/スルファメトキサゾール(34週前)またはニトロフラントインを用いる。

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