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羊水過多

執筆者:

Antonette T. Dulay

, MD, Main Line Health System

最終査読/改訂年月 2014年 1月

羊水過多とは過剰な羊水のことである;母体および胎児の合併症と関連がある。診断は超音波検査による羊水量の計測による。羊水過多に寄与している母体疾患を治療する。症状が重度であったり痛みを伴う早期子宮収縮を認める場合は,治療として羊水量の用手的な減量を行うことがある

羊水量を安全に直接測定することは,おそらく帝王切開中を除いて不可能である。したがって,羊水の過剰は超音波基準,典型的にはamniotic fluid index(AFI)を用いて間接的な方法で判定される。AFIは子宮の各4分の1について羊水深度を垂直に計測したものの合計である。正常なAFIは5~25cmである;25cmを超える値は羊水過多を示す。

羊水過多の原因としては以下のものがある:

  • 胎児奇形(例,消化管または尿路閉塞,脳および脊髄の異常)

  • 多胎妊娠

  • 母体糖尿病

  • 胎児貧血,Rh不適合による溶血性貧血を含む

  • 他の胎児疾患(例,感染)または遺伝子異常

  • 特発性

合併症

羊水過多に伴い,以下の合併症のリスクが上昇する:

  • 早期子宮収縮およびおそらく切迫早産

  • 前期破水

  • 胎位異常

  • 母体の呼吸障害

  • 臍帯脱出

  • 子宮弛緩症

  • 常位胎盤早期剥離

  • 胎児死亡(羊水過多が特発性である場合でもリスクは上昇する)

リスクは液体貯留の程度に比例する傾向にあり,原因により異なる。他の問題(例,アプガースコア低値,胎児ジストレス,臍帯巻絡,帝王切開の必要性)が生じることがある。羊水過多では妊娠高血圧を伴うことがある。

症状と徴候

羊水過多はしばしば無症状である。しかしながら,特に重度の羊水過多の一部の女性では,呼吸困難,および/または痛みを伴う早期子宮収縮を認める。ときに子宮は妊娠週数に比して大きい。

診断

  • AFIの超音波検査による計測

  • 胎児奇形についての評価を含む包括的な超音波検査

  • 病歴に基づいて疑われる原因に対する母体の検査

羊水過多は超音波検査所見または妊娠週数に比して大きい子宮のサイズに基づき,通常疑われる。しかしながら,羊水量の定性的評価は主観的になりやすい。そのため羊水過多が疑われる場合は,AFIを用いて羊水量を定量的に評価すべきである。

原因の同定

羊水過多が存在する場合,原因を同定するためにさらなる検査が推奨される。行う検査は臨床的に疑われる原因(通常病歴に基づく)により異なることがある。検査には以下が含まれることがある:

  • 胎児奇形についての包括的な超音波検査(常に推奨される)

  • 母体ブドウ糖負荷試験

  • Kleihauer-Betke試験(胎児母体出血のため)

  • 母体の血清学的検査(例,梅毒,パルボウイルス,サイトメガロウイルス,トキソプラズマ症,および風疹)

  • 羊水穿刺および胎児核型分析

  • 臨床的に疑われる遺伝的疾患(貧血など)に関する検査

治療

  • 場合により用手的な羊水除去(羊水減量)

羊水過多は胎児死亡のリスクを上昇させるため,出生前モニタリングを32週から始めるべきで,少なくとも週に1回のノンストレステストを含めるべきである。しかしながら,このようなモニタリングが胎児死亡率を低下させることは証明されていない。39週頃での分娩を計画すべきである。分娩の様式は通常の産科的適応(例,先進部位)に基づくべきである。

羊水を減量する(例,羊水除去による),または産生を低下させることは,切迫早産徴候が起こった場合や羊水過多が重度の症状を引き起こしている場合にのみ考慮すべきである;しかしながらこのアプローチで転帰が改善するというエビデンスはない。また,除去すべき羊水の量や除去の速度についてのコンセンサスはないが,約1Lを20分かけて除去することが勧められている。

羊水過多に寄与している可能性のある疾患(例,母体糖尿病)をコントロールすべきである。

要点

  • 羊水過多は胎児奇形,多胎妊娠,母体糖尿病,および様々な胎児疾患により起こりうる。

  • 羊水過多は早期子宮収縮,前期破水,母体の呼吸障害,胎位異常または胎児死亡,ならびに陣痛および分娩時の様々な問題のリスクの上昇と関連する。

  • 羊水過多が疑われる場合,amniotic fluid indexを測定し,可能性のある原因について検査を行う(包括的な超音波検査による評価を含む)。

  • 切迫早産の徴候がみられる場合と羊水過多により重度の症状が生じている場合に限り,羊水の減量を考慮する。

  • 出生前モニタリングを週毎のノンストレステストと併せて32週から始める。

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