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外傷性鼓膜穿孔

執筆者:

Richard T. Miyamoto

, MD, MS,

  • Arilla Spence DeVault Professor Emeritus and Past-Chairman, Department of Otolarynology - Head and Neck Surgery
  • Indiana University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2015年 12月
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外傷性鼓膜穿孔は,疼痛,出血,難聴,耳鳴,および回転性めまいを引き起こす可能性がある。診断は耳鏡検査に基づく。治療はしばしば不要である。感染に対して抗菌薬が必要になる場合がある。2カ月を超えて続く穿孔,耳小骨連鎖の離断,または内耳を侵襲する損傷に対しては,手術が必要な場合もある。

鼓膜穿孔の外傷性の原因としては以下のものがある:

  • 意図的な(例,綿棒)または偶然による外耳道への物の挿入

  • 爆発または耳への平手打ちにより引き起こされる振盪

  • 頭部外傷(頭蓋底骨折の有無によらず)

  • 突発的な陰圧(例,外耳道の強い吸引)

  • 気圧外傷(例,飛行機旅行中またはスキューバダイビング中)

  • 洗浄または異物除去中の医原性の穿孔

鼓膜の穿通性損傷は,耳小骨連鎖の脱臼,アブミ骨底の骨折,耳小骨の骨片転位,出血,卵円窓もしくは正円窓からの外リンパ瘻による中耳腔への外リンパの漏出,または顔面神経損傷を引き起こすことがある。

症状と徴候

外傷性鼓膜穿孔は,突然で重度の疼痛を引き起こし,ときに耳からの出血,難聴,耳鳴が続発する。耳小骨連鎖の離断または内耳の損傷があれば,難聴がより高度となる。回転性めまいは内耳の損傷を示唆する。特に中耳に水が浸入した場合,膿性の耳漏が24~48時間以内に始まることがある。

診断

  • 耳鏡検査

  • 聴力検査

一般的に,穿孔は耳鏡検査で明らかである。外耳道を塞ぐ血液は慎重に吸引する。洗浄および気密耳鏡検査(pneumatic otoscopy)は避ける。極めて小さい穿孔では,確定診断のために,耳の顕微鏡検査または中耳のインピーダンス検査が必要なことがある。外傷に起因する難聴と治療に起因する難聴との混同を避けるため,可能であれば,治療の前後に聴力検査を行う。

著明な難聴または重度の回転性めまいがある患者は,できるだけ早く耳鼻咽喉科医の評価を受ける。損傷の評価と修復のために,試験的鼓室開放術が必要な場合がある。大きな鼓膜欠損のある患者も,位置のずれた鼓膜片を元の位置に戻す必要がある場合があるため,評価すべきである。

治療

  • 耳の乾燥を保つ

  • 傷が汚れている場合,抗菌薬の経口投与または外用

しばしば特異的治療は必要ない。耳を乾燥した状態に保つべきである;ルーチンの抗菌薬点耳薬は不要である。しかしながら,外傷が汚れており汚染菌が穿孔を通して入り込んでいる可能性がある場合には,経口の広域抗菌薬または抗菌薬の点耳薬による予防が必要である。

耳が感染した場合,アモキシシリン500mg,経口にて8時間毎の投与を7日間行う。

ほとんどの穿孔は自然に閉じるが,穿孔が2カ月を超えて続く場合は,手術が適応となる。持続性の伝音難聴は耳小骨連鎖の離断を示唆し,外科的な手術による修復が必要になる。

要点

  • 穿孔の多くは小さく,自然に治癒する。

  • 治癒中の耳は乾燥を保つべきである;重大な汚染があるか感染が起こっていない限り,抗菌薬の外用または全身投与は不要である。

  • 耳小骨への損傷を修復するには手術を行い,2カ月を超えて持続する穿孔にも手術を行う。

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