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中耳炎(滲出性)

(漿液性中耳炎)

執筆者:

Richard T. Miyamoto

, MD, MS, Indiana University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2015年 12月
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滲出性中耳炎は中耳内の滲出液であり,急性中耳炎の不完全な治癒または感染を伴わない耳管閉塞に起因する。症状としては,難聴,耳閉感,耳の圧迫感などがある。診断は,鼓膜の外観,およびときにティンパノメトリーに基づく。大半の症例は2~3週間で回復する。1~3カ月経っても改善がみられなければ,何らかの形の鼓膜切開術が適応となり,通常は鼓膜チューブの挿入を併用する。抗菌薬および鼻閉改善薬は無効である。

正常では,嚥下時に耳管が開くので,中耳は1分間に3~4回換気され,酸素が中耳粘膜血管内の血液に吸収される。耳管の開通性が損なわれると,中耳内に相対的な陰圧が生じ,液貯留につながる可能性がある。この液が難聴を引き起こすことがある。

滲出性中耳炎は,小児における急性中耳炎の一般的な続発症であり(しばしばルーチンの耳の再検査で確認される),数週間から数カ月続くことがある。その他に,上咽頭の炎症過程,アレルギー,アデノイド肥大もしくは耳管隆起やローゼンミューラー窩のリンパ組織によるその他の閉塞,または良性もしくは悪性の腫瘍に続いて二次的に耳管閉塞が生じる場合もある。滲出液は無菌のこともあれば,ときにバイオフィルムとして病原性細菌を含むこともあるが(より一般的),炎症は認められない。

症状と徴候

患者からは症状の報告がない場合もあるが,難聴を訴える患者(またはその家族)もいる。患者は,耳閉感,耳の圧迫感,または嚥下時にポンという音を経験する場合がある。耳痛はまれである。

鼓膜にみられる可能性のある様々な変化には,琥珀色または灰色,光錐の変位,軽度から重度の陥凹,およびツチ骨柄などの目印の明瞭化などがある。送気による検査において,鼓膜は不動である場合がある。貯留液の線あるいは気泡が鼓膜を通して見えることがある。

診断

  • ティンパノメトリー

  • 上咽頭の診察

滲出性中耳炎の診断は臨床的に行う。中耳の滲出液を確認するために,ティンパノメトリーを実施することがある(すなわち,鼓膜の可動性欠如を示すことによる)。成人および青年では,悪性腫瘍または良性腫瘍を除外するために,上咽頭の診察を行わなければならない。

治療

  • 経過観察

  • 回復しない場合,鼓膜切開術および鼓膜チューブの挿入

  • 小児期に再発する場合,ときにアデノイド切除術

ほとんどの患者では,注意深い経過観察以外に必要な治療はない。抗菌薬および鼻閉改善薬は有用ではない。アレルギーの関与が明白な患者に対しては,抗ヒスタミン薬および外用コルチコステロイドが有用な場合がある。

1~3カ月で改善がみられない場合,原因にかかわらず,滲出液の吸引および鼓膜チューブの挿入のために鼓膜切開術を実施することがあるが,これにより中耳を換気でき,耳管閉塞が一時的に改善する。持続性の伝音難聴または急性中耳炎の再発予防のために,鼓膜チューブを挿入することもある。

ときにバルサルバ法またはポリッツェル法で一時的に中耳を換気する。バルサルバ法を行うには,患者は口を閉じて,つまんだ鼻孔から強制呼気努力をする(すなわち,耳抜き)。ポリッツェル法を行うには,患者が嚥下するときに,医師が患者の一方の鼻孔を塞ぎながら特殊なシリンジ(中耳への空気注入器)で他方の鼻孔に空気を送り込む。これにより,耳管と中耳に強制的に空気を送り込む。どちらの手技も,患者が感冒および鼻漏を有する場合は実施すべきでない。

持続性で再発する滲出性中耳炎では,上咽頭の基礎疾患を是正しなければならない場合がある。小児,特に青年期の男児では,上咽頭血管線維腫を除外すべきであり,成人では,上咽頭癌を除外する必要がある。小児ではアデノイド切除術が有益なことがあり,中心のアデノイドだけでなく,耳管隆起およびローゼンミューラー窩のリンパ組織ごと除去する場合もある。細菌性の鼻炎,副鼻腔炎,および上咽頭炎には,抗菌薬を投与すべきである。証明されたアレルゲンは患者の周囲から除去し,免疫療法を考慮すべきである。

要点

  • 滲出性中耳炎は非炎症性の中耳の滲出液であり,通常は急性中耳炎に続いて生じる。

  • 診断は臨床的に行う;成人および青年では,悪性腫瘍または良性腫瘍を除外するため,上咽頭の診察を行わなければならない。

  • 抗菌薬および鼻閉改善薬は有用ではない。

  • 1~3カ月経っても回復しない場合は,鼓膜切開術および鼓膜チューブの挿入が必要になる場合がある。

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