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カポジ肉腫

(カポジ肉腫;多発性特発性出血性肉腫)

執筆者:

Gregory L. Wells

, MD, Ada West Dermatology, St. Luke’s Boise Medical Center, and St. Alphonsus Regional Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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カポジ肉腫(KS)は,ヘルペスウイルス8型によって引き起こされる多中心性の血管腫瘍である。病型として古典的カポジ肉腫,AIDS関連カポジ肉腫,風土病型(アフリカ型)カポジ肉腫,および医原性カポジ肉腫(例,臓器移植後)がある。診断は生検による。進行の緩徐な表在性病変に対する治療としては,凍結療法,電気凝固術,切除,または電子線照射療法が施行される。比較的広範な病変には放射線療法を用いる。AIDS関連では,抗レトロウイルス薬で最も大きな改善が得られる。

皮膚癌の概要も参照のこと。)

KSは,ヒトヘルペスウイルス8型 (HHV-8)の感染に対する反応として内皮細胞から発生する。免疫抑制(特にAIDSおよび臓器移植レシピエントに使用される薬剤によるもの)があると,HHV-8感染患者でKSが発生する可能性が著明に増大する。腫瘍細胞は紡錘形で,平滑筋細胞,線維芽細胞,および筋線維芽細胞に類似する。

分類

古典的KS

この病型は,イタリア系,ユダヤ系,および東欧系の高齢男性(60歳以上)に好発する。経過は緩徐で,下肢の皮膚に生じる少数の病変に限局するのが通常であり,内臓病変が生じる割合は10%未満である。通常,この病型で死亡することはない。

AIDS関連(流行型)KS

この病型は最も頻度の高いAIDS関連悪性腫瘍であり,古典的KSより進行が速い。典型的には複数の皮膚病変がみられ,顔面および体幹に生じることが多い。粘膜,リンパ節,および消化管病変もよくみられる。ときにKSがAIDSの初発症状となることがある。

風土病型KS

この病型はアフリカでみられ,HIV感染とは無関係に生じる。主要な病型が2つ存在する:

  • 思春期前に生じるリンパ節腫脹型:大半が小児に発生する;原発腫瘍はリンパ節に生じ,皮膚病変はある場合とない場合もある。通常は劇症性の経過をとって死に至る。

  • 成人型:この病型は古典的KSと類似する。

医原性(免疫抑制型)KS

この病型は典型的には臓器移植の数年後に発症する。免疫抑制の程度に応じて,多少とも劇症性の経過をとる。

症状と徴候

皮膚病変は症状を伴わない紫色,ピンク色,または紅色の斑で,融合して青紫色から黒色の局面および結節を形成することがある。いくらかの浮腫を伴うこともある。ときに,結節が菌状に発育したり,軟部組織を通過して骨に浸潤することがある。粘膜病変は青色調から紫色調の斑,局面,または腫瘤として出現する。消化管病変は出血を来すことがあり,ときに広範にわたるが,通常は無症状である。

診断

  • 生検

カポジ肉腫の診断はパンチ生検により確定される。

AIDSまたは免疫抑制状態の患者では,胸部および腹部CTで内臓病変の評価を行う必要がある。CTが陰性であるが,肺または消化管症状が認められる場合は,気管支鏡または消化管内視鏡検査を考慮すべきである。

治療

  • 外科的切除,凍結療法,または電気凝固術のほか,表在性病変にはときにイミキモド

  • 多発性病変またはリンパ節病変には局所放射線療法

  • AIDS関連KSには抗レトロウイルス療法またはときにインターフェロンαの静注

  • 医原性KSには免疫抑制薬の減量

進行の緩徐な病変は治療を必要としない場合が多い。1個または数個の表在性病変は,切除,凍結療法,または電気凝固術で除去することができる。イミキモドも効果的と報告されている。ビンブラスチンまたはインターフェロンαの病変内注射も有用である。多発性の病変とリンパ節病変は,局所に10~20Gyを照射する放射線療法で治療する。

AIDS関連KSは,highly active antiretroviral therapy(HAART)に著明に反応するが,これはおそらくCD4陽性細胞数が改善してHIVのウイルス量が減少することによるものと考えられるが,一方で,このレジメンに含まれるプロテアーゼ阻害薬が血管新生を阻害する可能性を示唆したエビデンスもある。腫瘍の進行が緩徐で,CD4陽性細胞数が150/μLを超え,かつHIV RNAが500コピー/mL未満のAIDS患者は,インターフェロンαの静注で治療できる。比較的広範な病変または内臓病変がある患者では,リポソーム化ドキソルビシン20mg/m2の静注を2~3週毎に行ってもよい。このレジメンが不成功に終わった場合は,パクリタキセルを投与してもよい。この他に研究段階にある補助的薬剤として,IL-12,デフェロキサミン,および経口レチノイドがある。大半のAIDS患者ではKSを治療しても生存期間の延長にはつながらないが,これは臨床経過が感染症に左右されているためである。

医原性KSは免疫抑制薬の中止に最もよく反応する。臓器移植患者では,免疫抑制薬を減量することが,しばしばKS病変の縮小につながる。免疫抑制薬の減量が可能でない場合は,他の病型のKSに用いられる従来の局所および全身療法を開始すべきである。シロリムスも医原性KSを改善する可能性がある。

風土病型KSの治療は困難であり,典型的には緩和的な治療となる。

要点

  • 高齢男性,アフリカ人,臓器移植患者,およびAIDS患者ではKSを考慮する。

  • 免疫抑制患者(AIDSを含む)には転移を検索するための検査を行う。

  • 表在性病変は破壊的方法による局所療法で治療する。

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