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クロストリジウム感染症の概要

執筆者:

Joseph R. Lentino

, MD, PhD, Loyola University Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 1月
本ページのリソース

Clostridium属細菌は,グラム陽性芽胞形成桿菌であり,塵埃,土壌,植物や常在菌叢として哺乳類の消化管内など,自然界に広く分布している。

Clostridium属全体で100種近くの菌種が同定されているが,ヒトまたは動物に一般的に疾患を引き起こすものは,そのうち25~30種のみである。

病態生理

病原性菌種は,疾患発生の原因となる組織破壊性および神経性の外毒素を産生する。Clostridium属細菌は,組織内の酸素分圧とpHが低下した際に病原性を発揮する。そのような嫌気的環境は,原発性の動脈不全が発生した際や,重度の穿通または挫滅損傷の発生後に生じる虚血または壊死組織において成立する。創傷が深く重度であればあるほど,クロストリジウム感染症は発生しやすくなり,異物による汚染(ごく軽微なものでも)がある場合は特にその可能性が高くなる。

クロストリジウム感染症は違法薬物の注射後にも起こりうる。

また,内部においてClostridium属細菌が毒素を産生した自家製の缶詰/瓶詰食品を摂取した場合にも,非感染性の重篤な疾患が発生することがある。

Clostridium属細菌による疾患

Clostridium属細菌による疾患( クロストリジウム感染症に関連した主な病態)としては以下のものがある:

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クロストリジウム感染症に関連した主な病態

病態

病原体

毒素

軟部組織感染症

捻髪音を認める蜂窩織炎,筋炎,クロストリジウム筋壊死(clostridial myonecrosis),溶血

ウェルシュ菌(C. perfringens

α毒素(ホスホリパーゼC),θ毒素,その他

ガス壊疽,組織壊死,溶血

C. septicum

α毒素,β毒素,ヒアルロニダーゼγ毒素,セプチコリシンδ毒素

腸疾患

食中毒

ウェルシュ菌(C. perfringens)A型

エンテロトキシン

壊疽性腸炎

ウェルシュ菌(C. perfringens)C型

β毒素

抗菌薬関連大腸炎

C. difficile

A毒素もしくはB毒素またはC. difficile binary toxin(CDT;C.difficile二成分毒素)

好中球減少性腸炎

C. septicum,その他

不明,β毒素の可能性あり

大腸癌

C. septicum

腹腔内感染症:胆嚢炎,腹膜炎,虫垂破裂,腸穿孔

ウェルシュ菌(C. perfringens), C. ramosum,他多数

β毒素*

神経症候群

破傷風

破傷風菌(C. tetani

テタノスパスミン

ボツリヌス症

ボツリヌス菌(C. botulinum

ボツリヌス毒素A~H

*β毒素はウェルシュ菌(C. perfringens)C型によって産生されるが,これらの感染症の大部分はβ毒素を産生しないウェルシュ菌(C. perfringens)A型によって引き起こされる。

最も頻度の高いクロストリジウム感染症は,軽微で自然に軽快する胃腸炎であり,典型的にはウェルシュ菌(C. perfringens)A型に起因する。重篤なクロストリジウム感染症は比較的まれであるが,致死的となりうる。

胆嚢炎,腹膜炎,虫垂破裂,腸穿孔などの腹腔内疾患には,ウェルシュ菌,C. ramosum,その他の多くの菌種が関与している可能性がある。

ウェルシュ菌(C. perfringens)は,捻髪音を認める蜂窩織炎,筋炎,およびクロストリジウム筋壊死を特徴とする軟部組織感染症を引き起こす。

C. septicumが大腸から血流に乗って運ばれると,皮膚および組織の壊死を引き起こすことがある。

Clostridium属細菌は,一般的な軽度の創傷感染症における混合細菌叢の一要素と考えられるが,そのような感染における各菌の役割は不明である。

Clostridium属細菌による院内感染が増加しており,特に術後患者と易感染性患者で顕著である。腸穿孔や腸閉塞に合併してClostridium属細菌による重症敗血症が発生することもある。

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