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物質・医薬品誘発性精神病性障害

執筆者:

Carol Tamminga

, MD, UT Southwestern Medical Dallas

最終査読/改訂年月 2018年 10月
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物質誘発性精神病のエピソードは,救急部門および電話緊急相談センターでよくみられる。多数の誘発物質(アルコール アルコール中毒および離脱 アルコール(エタノール)は中枢抑制薬である。短時間で大量に飲酒すると,呼吸抑制と昏睡を来たし,死に至ることがある。長期にわたる大量の飲酒は,肝臓や他の多くの臓器を損傷する。アルコール離脱症状は振戦から,重度の離脱(振戦せん妄)でみられる痙攣発作,幻覚,および生命を脅かす自律神経不安定状態に至るまで,連続的な病態として現れる。診断は臨床的に行う。 (アルコール使用障害とリハビリテーションも参照のこと。)... さらに読む アンフェタミン類 アンフェタミン アンフェタミンは中枢刺激作用と多幸作用がある交感神経刺激薬であり,その中毒性有害作用には,せん妄,高血圧,痙攣発作,および高体温がある(これらは横紋筋融解症や腎不全を引き起こすことがある)。中毒の管理は,静注ベンゾジアゼピン系薬剤(激越,高血圧,および痙攣発作)や冷却法(高体温)などの支持療法により行う。典型的な離脱症候群は存在しない。 このクラスの元となった薬物であるアンフェタミンは,そのフェニル環上の様々な置換によって修飾された結果... さらに読む 大麻 マリファナ(大麻) マリファナは多幸感をもたらすが,一部の使用者では鎮静や不快気分を引き起こすことがある。長期使用により精神依存が生じうるが,身体依存はほとんどないことが臨床的に明らかである。離脱症状は不快であるが,必要なのは支持療法だけである。 (合成カンナビノイドも参照のこと。) マリファナは最も多く使用される違法薬物であり,一時的に用いられることが多いが,社会的または精神的な機能不全を示すというエビデンスはない。... さらに読む コカイン コカイン コカインは,中枢刺激作用と多幸作用がある交感神経刺激薬である。高用量の使用は,パニック,統合失調症様症状,痙攣発作,高体温,高血圧,不整脈,脳卒中,大動脈解離,腸管虚血,および心筋梗塞を引き起こすことがある。中毒の管理は,(激越,高血圧,および痙攣発作に対する)静注ベンゾジアゼピン系薬剤や(高体温に対する)冷却法などの支持療法により行う。離脱症状は,主に抑うつ,集中困難,および傾眠(コカインウォッシュアウト症候群)として現れる。... さらに読む 幻覚剤 幻覚剤 幻覚剤とは,非常に予測困難な特異体質性の反応を引き起こしうる多様な薬剤群である。中毒は一般に幻覚を引き起こし,知覚変容,判断力低下,関係念慮,および離人感を伴う。典型的な離脱症候群は存在しない。診断は臨床的に行う。支持療法により治療する。 従来からの幻覚剤には,リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD),シロシビン,メスカリンなどがある。いずれも以下の通り天然物由来である: LSDは小麦粉やライ麦粉をしばしば汚染する真菌に由来する... さらに読む オピオイド オピオイド中毒および離脱 多幸作用を有するオピオイドは,高用量では鎮静および呼吸抑制を引き起こす。呼吸抑制は,特異的な解毒剤(例,ナロキソン)または気管挿管と機械的人工換気により管理可能である。離脱症状は,初期には不安および薬物渇望として現れ,その後に呼吸数増加,発汗,あくび,流涙,鼻漏,散瞳,および胃痙攣として現れ,後期には立毛,振戦,筋攣縮,頻脈,高血圧,発熱,悪寒,食欲不振,悪心,嘔吐,および下痢として現れる。診断は臨床的診察に加え,尿検査により行う。離脱... さらに読む フェンシクリジン ケタミンおよびフェンシクリジン(PCP) ケタミンとフェンシクリジンは解離性麻酔薬であり,中毒をもたらし,ときに錯乱または緊張病状態を伴う。過剰摂取は昏睡を引き起こし,まれに死亡することがある。 ケタミンとフェンシクリジン(PCP)は化学的に関連した麻酔薬である。これらの薬剤は,LSDなどの他の幻覚剤の混ぜ物または偽物として用いられることがしばしばある。 ケタミンは液体または粉末の剤形で入手可能である。違法使用される場合,粉末剤は一般に鼻から吸引されるが,経口摂取されることもあ... さらに読む [PCP],催眠鎮静薬 抗不安薬と鎮静薬 抗不安薬と鎮静薬には,ベンゾジアゼピン系,バルビツール酸系,およびこれらに関連する薬剤がある。高用量の薬剤は昏迷や呼吸抑制を引き起こすことがあり,その場合は気管挿管と機械的人工換気により管理する。長期薬剤使用者は激越と痙攣発作の離脱症候群を呈する場合があるため,代替薬(ペントバルビタールまたはフェノバルビタール)を併用下または非併用下でゆっくりと減薬することによって依存を管理する。... さらに読む など)がある。物質誘発性精神病とみなすには,幻覚および妄想が単純な物質中毒または離脱で典型的にみられるものより過剰である必要があるが,同時に中毒または離脱症状がみられていてもよい。

症状の持続は短時間のことが多く,原因薬物が排泄されれば間もなく消失するが,アンフェタミン類,コカイン,またはPCPにより誘発された精神病は何週間も持続することがある。前駆期または早期の統合失調症の若年患者の一部は,精神病を誘発しうる物質を使用していることから,急性の精神病が物質使用によるものであると結論する前に,徹底的な病歴聴取,特に過去の精神症状の証拠を探索することが重要である。

治療

  • 落ち着いた環境

  • しばしばベンゾジアゼピン系薬剤または抗精神病薬

アンフェタミンなどのドパミン刺激薬による精神病では,抗精神病薬が最も効果的である。

LSDなどの薬物による精神病では,静かな観察のみでこと足りる場合がある。

作用にドパミンが関与しない物質では,観察のみで足りることもあるが,抗不安薬が有用となることもある。

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