三叉神経痛は主に成人,特に高齢者に発生する。
病因
症状と徴候
診断
治療
長期的には,カルバマゼピン200mg,経口,1日3回または1日4回の投与が通常は効果的である;100mg,経口,1日2回から開始し,疼痛がコントロールされるまで1日100~200mgずつ増量する(1日最大用量1200mg)。カルバマゼピンが無効または有害作用がある場合は,以下のうちいずれかが試されることもある:
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オクスカルバゼピン150~300mg,経口,1日2回
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ガバペンチン300~600mg,経口,1日3回(1日目は300mg,経口,1回,2日目は300mg,経口,2回,3日目は300mg,経口,3回とし,その後は必要に応じて1200mg,経口,1日3回まで増量する)
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フェニトイン100~200mg,経口,1日2回(100mg,経口,1日2回から開始して,必要に応じて増量する)
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バクロフェン10~30mg,経口,1日3回(5~10mg,経口,1日3回から開始して,必要に応じて1日約5mgずつ増量する)
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アミトリプチリン25~150mg,経口,就寝時(25mgから開始して,必要に応じて毎週25mgずつ増量する)
末梢神経ブロックは一時的に疼痛を軽減する。
このような対策を行っても疼痛が重度である場合は,神経切除による治療を考慮する;ただし,その効果は一時的で,改善がみられても,その後以前の発作より重度の疼痛が再発することがある。後頭蓋窩開頭術では,圧迫している拍動性の血管ループを三叉神経根から分離するために,小さなパッドを挿入することがある(微小血管減圧術またはJannetta手術と呼ばれる)。放射線外科では,ガンマナイフを用いて三叉神経近位部の切離を行う。経皮的に定位した針を介して,三叉(ガッセル)神経節の電気的損傷または化学損傷,あるいはバルーン圧迫を行うことがある。ときに,ガッセル神経節と脳幹の間の三叉神経線維を切断することがある。ときに難治性の疼痛に対する最終手段として,三叉神経を破壊する。