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薬剤性肺障害

執筆者:

Joyce Lee

, MD, MAS, University of Colorado Denver

最終査読/改訂年月 2016年 4月
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薬剤性肺障害は,単一の疾患というよりもむしろ臨床全般に及ぶ問題であり,肺疾患の既往がない患者が薬物療法に関連して,呼吸器症状,胸部X線の変化,肺機能の悪化,組織学的変化,またはこれらのうち複数の組み合わせを発現する病態である。150を超える薬物または薬物の種類が肺疾患を引き起こすことが報告されている;その機序はあまり分かっていないが,多くの薬物が過敏反応を引き起こすと考えられている。薬剤の中には,患者によって異なる傷害パターンを引き起こすものもある(例,ニトロフラントイン)。

薬物によって異なるが,薬剤性の症候群は,間質の線維化,器質化肺炎,喘息,非心原性肺水腫,胸水,肺好酸球増多症,肺出血,または肺静脈閉塞症を引き起こしうる( 肺毒性をもつ物質)。

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肺毒性をもつ物質

病態

薬物または物質

喘息

アスピリン,β遮断薬(例,チモロール),コカイン,ジピリダモール,ヒドロコルチゾンの静注(アスピリン感受性喘息患者でまれにみられる),IL-2,メチルフェニデート,ニトロフラントイン,プロタミン,サラゾスルファピリジン,ビンカアルカロイド系薬物(マイトマイシンC併用で)

器質化肺炎

アミオダロン,ブレオマイシン,コカイン,シクロホスファミド,メトトレキサート,ミノサイクリン,マイトマイシンC,ペニシラミン,サラゾスルファピリジン,テトラサイクリン

過敏性肺炎

アザチオプリンと6-メルカプトプリンの併用,ブスルファン,フルオキセチン,放射線

間質性肺炎または線維化

アムホテリシンB,ブレオマイシン,ブスルファン,カルバマゼピン,クロラムブシル,コカイン,シクロホスファミド,フェニトイン,フレカイニド,ヘロイン,メルファラン,メサドン,メトトレキサート,メチルフェニデート,メチセルジド,鉱物油(慢性微小吸引による),ニトロフラントイン,ニトロソウレア系薬物,プロカルバジン,シリコン(皮下注射),トカイニド,ビンカアルカロイド系薬物(マイトマイシンC併用で)

非心原性肺水腫

β作動薬(例,リトドリン,テルブタリン),クロルジアゼポキシド,コカイン,シタラビン,ヨード化ケシ油エチルエステル(静注および慢性微小吸引による),ゲムシタビン,ヘロイン,ヒドロクロロチアジド,メサドン,マイトマイシンC,フェノチアジン系薬剤,プロタミン,サラゾスルファピリジン,子宮収縮抑制薬,三環系抗うつ薬,腫瘍壊死因子,ビンカアルカロイド系薬物(マイトマイシンC併用)

肺実質出血

抗凝固薬,アザチオプリンと6-メルカプトプリンの併用,コカイン,鉱物油(慢性微小吸引による),ニトロフラントイン,放射線

胸水

アミオダロン,抗凝固薬,ブレオマイシン,ブロモクリプチン,ブスルファン,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子,IL-2,メトトレキサート,メチセルジド,マイトマイシンC,ニトロフラントイン,パラ-アミノサリチル酸,プロカルバジン,放射線,子宮収縮抑制薬

好酸球増多を伴う肺浸潤

アミオダロン,アムホテリシンB,ブレオマイシン,カルバマゼピン,フェニトイン,エタンブトール,エトポシド,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子,イソニアジド,メトトレキサート,ミノサイクリン,マイトマイシンC,ニトロフラントイン,パラ-アミノサリチル酸,プロカルバジン,放射線,サラゾスルファピリジン,スルホンアミド系薬物,テトラサイクリン,トラゾドン

肺血管疾患

食欲抑制薬(例,dexfenfluramine,fenfluramine,phentermine),ブスルファン,コカイン,ヘロイン,メサドン,メチルフェニデート,ニトロソウレア系薬物,放射線

被疑薬の中止に対する反応,および可能であれば投与再開に対する反応を観察し,それに基づいて診断する。

治療

  • 薬剤の投与中止

治療は肺疾患を引き起こしている薬剤の投与中止である。

予防

肺機能検査によるスクリーニングは,肺毒性のある薬物の投与を開始する患者またはすでに投与を受けている患者で一般的に行われるが,毒性の予測または早期検出に対するスクリーニングの有益性は証明されていない。

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