(間質性肺疾患の概要も参照のこと。)
PLCHは,CD1a陽性の単クローン性ランゲルハンス細胞(組織球の一種)が,リンパ球,形質細胞,好中球,および好酸球を伴って細気管支および肺胞間質に浸潤する疾患である。PLCHはランゲルハンス細胞組織球症の1つの発現形態であり,これは臓器を単独に(最も顕著なのは肺,皮膚,骨,下垂体,およびリンパ節)または同時に侵しうる疾患である。PLCHは ≥ 85%で単独に起こる。
PLCHの病因は不明であるが,喫煙する20~40歳の白人に専ら発生する。発生率は男性と女性で同じである。女性では発症がより遅いが,性別による発症年齢の違いは喫煙行動の違いを反映している可能性がある。病態生理学的には,タバコの煙に反応して肺胞マクロファージからサイトカインおよび増殖因子が分泌され,それに反応してランゲルハンス細胞の動員および増殖が起こっている可能性がある。
症状と徴候
診断
PLCGは,病歴および胸部X線に基づいて疑われ,HRCTならびに気管支鏡検査と合わせて実施する生検および気管支肺胞洗浄によって確定される。
胸部X線上では,古典的には中肺野および上肺野に左右対称性の結節陰影がみられ,嚢胞性変化を伴い,肺容量は正常または増加している。肺底部はしばしばスペアされる。見かけ上は慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはリンパ脈管筋腫症に類似することがある。
中葉および上葉における嚢胞(しばしば奇妙な形)および/または間質の肥厚を伴う結節のHRCT上での確認が,PLCHの診断に有用であると考えられている。
肺機能検査所見は,正常,拘束性,閉塞性,または混合性であり,疾患経過中のどの時点で検査を行うかによって異なる。最も一般的には,DLcoが減少し,また運動能力が低下する。
画像検査および肺機能検査で診断がつかない場合,気管支鏡検査および生検が適応となる。気管支肺胞洗浄液中のCD1a細胞が > 5%であれば,この疾患が強く示唆される。生検では,ランゲルハンス細胞の増殖がみられ,ときに細胞性および線維性結節の中心に好酸球の集積を伴い(好酸球性肉芽腫という古い用語の起源),これが星状構造を示すことがある。免疫組織化学染色では,CD1a,S-100タンパクおよびHLA-DR抗原に対して陽性である。