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縦隔腫瘤

執筆者:

Richard W. Light

, MD, Vanderbilt University Medical Center

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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縦隔腫瘤は様々な嚢胞および腫瘍に起因する;可能性が高い原因は,患者の年齢,および腫瘤の位置(前縦隔,中縦隔,または後縦隔)によって異なる。縦隔腫瘤は無症状のこともあれば(成人では一般的),閉塞性の呼吸器症状を引き起こすこともある(小児により多い)。検査にはCTおよび生検ならびに必要に応じた補助検査がある。治療は原因によって異なる。

縦隔腫瘤は,腫瘤が前縦隔に発生するもの,中縦隔に発生するもの,および後縦隔に発生するものに分類される。前縦隔は,下は胸骨から心膜へ,上は胸骨から腕頭動静脈に及ぶ領域である。中縦隔は前縦隔と後縦隔の間にある。後縦隔は,前方は心膜と気管に,後方は脊柱によって区切られる。

病因

成人

小児

小児では,最も頻度の高い縦隔腫瘤は神経原性腫瘍および嚢胞である。その他の原因については, 小児における縦隔腫瘤の主な原因 小児における縦隔腫瘤の主な原因 小児における縦隔腫瘤の主な原因 の図を参照のこと。

症状と徴候

症状および徴候も部位によって異なる。大きな前縦隔腫瘤は,患者が仰臥位の際に呼吸困難を引き起こすことがある。中縦隔の病変は血管または気道を圧迫し, 上大静脈症候群 局所浸潤 局所浸潤 または気道閉塞を引き起こすことがある。後縦隔の病変は食道を浸食し,嚥下困難あるいは嚥下痛を引き起こすことがある。

診断

  • 胸部X線

  • CTおよび,ときにMRI

  • ときに組織検査

縦隔腫瘤は,胸部症状の検査中に,胸部X線などの画像検査で偶然発見されることが最も多い。病因を確定するため,通常は画像検査および生検などの追加の診断検査が適応となる。

静注造影剤を用いた造影CTが最も有用な画像検査法である。胸部CTにより,正常変異,ならびに脂肪および液体で満たされた嚢胞などの良性腫瘍を他の病変と鑑別できる。構造が嚢胞性であればMRIを行う。MRIは,腫瘤が隣接する構造物を圧迫または構造物に浸潤してしているかどうかを判断する上で有用なことがある。

穿刺吸引または 針生検 経胸壁針生検 胸部または縦隔の構造物に対する経胸壁針生検では,組織学的な分析を行うため,カッティングニードルを用いて円筒形の組織検体を吸引する。 経胸壁針生検は,以下の評価のために行われる: 末梢の肺結節または肺腫瘤 肺門,縦隔,および胸膜の異常 未診断の浸潤影または肺炎の症例で,気管支鏡が禁忌または気管支鏡で診断がつかない場合 さらに読む を用いて,多くの縦隔腫瘤の確定診断が得られる。通常,悪性病変には穿刺吸引法で十分であるが,リンパ腫,胸腺腫,または神経腫瘤が疑われるときには常にcutting-needleを用いた生検を行うべきである。異所性甲状腺組織が考えられる場合,甲状腺刺激ホルモンを測定する。

治療

  • 原因によって異なる

治療は病因により異なる。心膜嚢腫などの良性病変は経過観察でよい。ほとんどの悪性腫瘍は外科的に切除すべきであるが,リンパ腫など,化学療法を用いた治療が最良であるものもある。肉芽腫性疾患は適切な抗菌薬で治療すべきである。

要点

  • 成人では,胸腺腫およびリンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)が最も頻度の高い前縦隔の病変,リンパ節腫大および血管腫瘤が最も頻度の高い中縦隔の病変,神経原性腫瘍および食道の異常が最も頻度の高い後縦隔の病変である。

  • 小児では,最も頻度の高い縦隔腫瘤は神経原性腫瘍および嚢胞である。

  • 最も一般的な症状は胸痛と体重減少であるが,多くの腫瘤が無症状である。

  • 小児では閉塞性呼吸器症状が起こることがあり,成人でもまれにみられる。

  • 静注造影剤を用いた造影CTが最も有用な画像検査法である。

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