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腎代替療法の概要

執筆者:

L. Aimee Hechanova

, MD, Texas Tech University Health Sciences Center, El Paso

最終査読/改訂年月 2019年 8月
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腎代替療法(RRT)は,腎不全 慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD)とは,腎機能が長期にわたり進行性に悪化する病態である。症状は緩徐に現れ,進行すると食欲不振,悪心,嘔吐,口内炎,味覚異常,夜間頻尿,倦怠感,疲労,そう痒,精神的集中力の低下,筋収縮,筋痙攣,水分貯留,低栄養,末梢神経障害,痙攣発作などがみられる。診断は腎機能検査に基づき,ときに続いて腎生検を施行する。治療は主に基礎疾患... さらに読む 慢性腎臓病 患者において内分泌機能以外の腎機能を代替する治療法であり,ときに特定の中毒にも用いられる。RRTの方法としては,持続的血液濾過および血液透析 持続的血液濾過および血液透析 持続的血液濾過および血液透析では,血液の濾過および透析を中断することなく行う。(その他の腎代替療法については,腎代替療法の概要を参照のこと。)主な長所は,間欠的血液透析およびそれによる大量の水分の間欠的な除去に起因する低血圧症状の出現を避けつつ,大量の水分を除去する能力である。したがって,これらの方法は,急性腎障害で血行動態が不安定な患者... さらに読む 間欠的血液透析 血液透析 血液透析では,患者の血液をポンプで血液透析器に送り込むが,透析器は中空糸でできた細管の束またはサンドイッチ状に平行に挟んだ半透膜シートで構成される2つの液体コンパートメントを有する。いずれの構造においても,第1のコンパートメントの血液は半透膜の片側に沿ってポンプで送られ,膜を隔てた他方では電解質輸液(透析液)が別個のコンパートメントで血液... さらに読む 腹膜透析 腹膜透析 腹膜透析では,腹膜を自然の透過性の膜として用い,これを介して水分と溶質を平衡化することができる。血液透析と比較して,腹膜透析には以下の特徴がある: 生理学的にストレスが少ない バスキュラーアクセスが不要である 自宅で実施できる 患者にとっての柔軟性がはるかに高い さらに読む などがある。いずれの方法でも,透過膜を介した透析および濾過によって溶質を交換し,血液から水分を除去する。

RRTでは,腎不全の内分泌異常(エリスロポエチンおよび1,25-ジヒドロキシビタミンD3産生 ビタミンD欠乏症および依存症 日光への曝露が不十分であると,ビタミンD欠乏症が起こりやすくなる。欠乏症により,骨石灰化が障害され,小児ではくる病,成人では骨軟化症が引き起こされ,また骨粗鬆症の一因となる可能性がある。診断では,血清25(OH)D(D2およびD3)の測定を行う。治療としては通常,ビタミンDを経口投与し,必要に応じてカルシウムおよびリンを補給する。しばしば... さらに読む の低下)を是正することはできない。透析では,血清溶質(例,ナトリウム,クロール,カリウム,重炭酸塩,カルシウム,マグネシウム,リン,尿素,クレアチニン,尿酸)が濃度勾配に従って体液コンパートメント間を受動的に拡散する(拡散輸送)。濾過では,血清中の水が静水圧勾配に従ってコンパートメント間を通過するが,その際に溶質も引き込まれる(濾過に伴う溶質移動)。これら2つの過程を併用することも多い(血液濾過透析)。血液吸着は,血液を吸着性物質(通常は樹脂化合物または活性炭)のカラム内に灌流させることで毒性物質を除去する方法であり,まれに用いられる。

透析および濾過は,間欠的または持続的に施行することができる。持続的腎代替療法は,ほぼ急性腎障害 急性腎障害(AKI) 急性腎障害は,数日間から数週間で腎機能が急速に低下する病態であり,これにより,尿量減少の有無にかかわらず,血中に窒素化合物が蓄積する(高窒素血症)。原因は重度の外傷,疾患,または手術による腎臓の灌流低下である場合が多いが,ときに急速進行性の内因性の腎疾患に起因する場合もある。症状としては,食欲不振,悪心,嘔吐などがある。無治療の場合,痙攣... さらに読む にのみ用いられる。不安定な患者では,ときに間欠的腎代替療法よりも持続的腎代替療法の方が忍容性良好となるが,これは溶質と水がより緩徐に除去されるためである。腹膜透析を除く全てのRRTにはバスキュラーアクセスが必要であり,持続的透析法では直接的な動静脈または静静脈回路が必要となる。

方法の選択は複数の因子に依存するが,具体的には,主要な目的(例,溶質,水,またはその両方の除去),適応となる基礎疾患(例,急性または慢性腎不全,中毒),バスキュラーアクセス,血行動態の安定性,使用可能な装置,各施設の経験,患者の希望および能力(例,在宅透析)などである。一般的なRRTの適応および禁忌の一覧を,一般的な腎代替療法の適応および禁忌 一般的な腎代替療法の適応および禁忌 腎代替療法(RRT)は,腎不全患者において内分泌機能以外の腎機能を代替する治療法であり,ときに特定の中毒にも用いられる。RRTの方法としては,持続的血液濾過および血液透析,間欠的血液透析,腹膜透析などがある。いずれの方法でも,透過膜を介した透析および濾過によって溶質を交換し,血液から水分を除去する。... さらに読む の表に示す。

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長期のRRTを必要とする患者のケア 長期腎代替療法の医学的側面 長期腎代替療法(RRT)を受ける全ての患者では,合併症として代謝性疾患やその他の疾患を発症する。これらの疾患には,しかるべき注意と補助的治療が必要である。アプローチは患者によって異なるが,典型的には栄養面の調整と複数の代謝異常に対する管理が含まれる(栄養も参照)。 (腎代替療法の概要も参照のこと。)... さらに読む には,腎臓専門医,精神科医,ソーシャルワーカー,腎臓病栄養士,透析看護師,血管外科医(または腹膜透析カテーテルの留置に熟練した他の外科医),および移植外科チームの関与が理想的である。患者の評価は,末期腎不全 慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD)とは,腎機能が長期にわたり進行性に悪化する病態である。症状は緩徐に現れ,進行すると食欲不振,悪心,嘔吐,口内炎,味覚異常,夜間頻尿,倦怠感,疲労,そう痒,精神的集中力の低下,筋収縮,筋痙攣,水分貯留,低栄養,末梢神経障害,痙攣発作などがみられる。診断は腎機能検査に基づき,ときに続いて腎生検を施行する。治療は主に基礎疾患... さらに読む 慢性腎臓病 への進行が予想されるがRRTの必要はまだない段階から開始するべきであり,それによりケアの調整が可能になり,治療選択肢に関する患者教育,資源およびニーズの評価,ならびにバスキュラーアクセスの作製のための時間を確保することができる。

RRTにより患者は社会的および感情的に脆弱になるため,心理社会的評価が重要である。RRTは日常の仕事,学校,および余暇活動を妨害し,周囲への依存に関連する怒り,欲求不満,緊張,および罪悪感を喚起するとともに,体力の低下,性的機能の喪失もしくは変化,またはアクセスの作製,透析カテーテルの留置,穿刺痕,骨疾患,その他の身体状態の悪化に伴う外見の変化により身体像が変化する。一部の患者は,これらの感情に対してアドヒアランス不良や治療チームに対する協力の拒否によって反応する。

長期的な適応成功という面での予後を高めるパーソナリティ特性として,順応性,自立性,自己統制,欲求不満に対する寛容性,楽観主義などがある。感情面の安定,家族の励まし,治療チームによる一貫した支援,および意思決定への患者と家族の参加も重要である。患者の自立および以前の生活での関心事を最大限取り戻すことを奨励するプログラムが,患者の心理社会的問題の軽減により有効である。

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