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微小変化群

(リポイドネフローゼ;Nil Disease)

執筆者:

Navin Jaipaul

, MD, MHS, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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微小変化群では,浮腫と重度のタンパク尿を突然発症し,大部分は小児において起こる。腎機能は典型的に正常である。診断は臨床所見または腎生検に基づく。予後は極めて良好である。治療はコルチコステロイドにより,反応しない患者に対してはシクロホスファミドまたはシクロスポリンによる。

症状と徴候

MCDはネフローゼ症候群を惹起し,通常は高血圧または高窒素血症を伴わず,顕微鏡的血尿が患者の約20%,主に成人で起こる。高窒素血症は続発性症例および60歳以上の患者において起こりうる。MCD患者の尿中に失われるアルブミンは,より大型の血清タンパク質よりも多いが,これはおそらくMCDが電荷バリアに変化をもたらし,これがアルブミンに選択的に影響を及ぼすためと考えられる。

診断

  • 特発性ネフローゼ症候群の成人患者では腎生検

小児では,以下の典型的な特徴に基づいて本症を疑う(および治療を開始する)ことができる:

  • 原因不明のネフローゼレベルのタンパク尿を突然発症し,主にアルブミンである

  • 腎機能は正常

  • 腎炎型以外の尿沈渣所見

免疫性糸球体疾患の電子顕微鏡所見

免疫性糸球体疾患の電子顕微鏡所見

治療

  • コルチコステロイド

  • ときにシクロホスファミドまたはシクロスポリン

コルチコステロイド

症例の40%は自然寛解するが,大部分の患者はコルチコステロイドを投与される。約80~90%の患者が最初のコルチコステロイド療法(例,小児ではプレドニゾン60mg/m2,経口,1日1回,4~6週間,成人では1~1.5mg/kg,経口,1日1回,6~8週間)に反応するが,反応例の40~73%が再発する。反応を示した患者(すなわち,タンパク尿の消失か,浮腫が存在する場合は利尿)はさらに2週間プレドニゾンを継続し,その後毒性を最小限に抑えるため維持レジメンに変更すべきである(小児では2~3mg/kg,隔日投与を4~6週間,成人では8~12週間とし,次の4カ月で漸減する)。初回療法の期間を延長し,プレドニゾンの漸減をより緩徐に行うことで再発率が低下する。反応が示されない原因は,生検でのサンプリングエラーにより検出されなかった基礎疾患の巣状硬化症の可能性がある。

コルチコステロイドを投与した患者の80%超で完全寛解が起こり,治療は通常1~2年間継続される。しかしながら,半数以上が再発し,同一または別のレジメンによる治療が必要になる。

経口の細胞傷害性薬剤

コルチコステロイドに反応しない症例(小児では5%未満,成人では10%を超える),好再発症例,およびコルチコステロイド依存性患者においては,経口の細胞傷害性薬剤(通常はシクロホスファミド2~3mg/kg,1日1回12週間投与またはクロラムブシル0.15mg/kg,1日1回8週間投与)によって長期の寛解が得られることがある。(Cochrane抄録レビュー Non-corticosteroid treatment for nephrotic syndrome in childrenを参照のこと。)しかしながら,これらの薬剤は性腺機能を抑制し(思春期前の青年で最も重篤),出血性膀胱炎を生じ,変異原性の可能性があり,骨髄とリンパ球の機能を抑制する場合がある。投与量は頻回の血算でモニタリングすべきであり,出血性膀胱炎を尿検査によって探索すべきである。成人,特に高齢者または高血圧を有する場合は,これらの細胞傷害性薬剤の有害作用をより受けやすい。もう1つの選択肢はシクロスポリン3mg/kg,経口,1日2回であり,全血トラフ濃度が50~150μg/L(40~125nmol/L)となるように調節する。シクロスポリンに反応する患者では投与を中止した場合にしばしば再発する。

その他の治療法

これらの介入に反応しない患者のほとんどは,ACE阻害薬,チオグアニン,レバミゾール,アザチオプリン,ミコフェノール酸モフェチルなどの代替選択の治療に反応し,腎不全に進行する患者は5%未満である。

要点

  • MCDは小児のネフローゼ症候群のほとんどの症例を占めており,通常は特発性である。

  • 腎機能が正常でネフローゼレベルのタンパク尿を突然発症した小児で,腎炎型以外の尿沈渣所見を認める場合は,MCDを疑う。

  • 診断は,成人および非定型の小児の症例では腎生検により確定する。

  • 治療は通常,コルチコステロイドで十分である。

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