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泌尿器科患者の評価

執筆者:

Anuja P. Shah

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

医学的にレビューされた 2019年 4月
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病歴

腎臓または尿管で生じる疼痛は,通常は側腹部または下背部に漠然と局在し,同側の腸骨窩,大腿上部,精巣,または陰唇へ放散することがある。典型的には, 結石 尿路結石 尿路結石とは,泌尿器系内に存在する固形の粒子のことである。結石は疼痛,悪心,嘔吐,および血尿を引き起こすことがあるほか,続発性の感染から悪寒および発熱がみられることもある。診断は尿検査および放射線学的検査のほか,通常は単純ヘリカルCTに基づく。治療は鎮痛薬,感染に対する抗菌薬療法,および薬剤による排石促進療法のほか,ときに衝撃波砕石術また... さらに読む による疼痛は仙痛となり,立っていられなくなることもあり,また感染が原因の場合は,より持続的な痛みとなる。膀胱より遠位部の異常による急性 尿閉 尿閉 尿閉とは,膀胱を完全に空にすることができないか排尿が途中で停止する状態であり,以下の場合がある: 急性 慢性 原因としては,膀胱収縮性の障害, 下部尿路閉塞, 排尿筋括約筋協調不全(膀胱収縮と括約筋弛緩の調整の欠如),これらの組合せなどがある。( 排尿の概要も参照のこと。) 尿閉は男性で多くみられるが,男性では前立腺異常または 尿道狭窄により下部尿路閉塞が生じる。男女いずれにおいても,尿閉の原因は薬物(特に抗コリン作用を有する薬で,多く... さらに読む では,苦悶するほどの恥骨上部痛が生じるが,慢性尿閉に起因する疼痛はより軽度で,無症状のこともある。 排尿困難 排尿困難 排尿困難とは,排尿に疼痛または不快感を伴うことであり,典型的には鋭い灼熱感が生じる。一部の疾患では膀胱または会陰部に強い疼痛が生じる。排尿困難は女性では極めて頻度の高い症状であるが,男性にもみられ,年齢を問わず生じる。 排尿困難は膀胱三角部または尿道の刺激によって生じる。尿道の炎症または... さらに読む は,膀胱または尿道の刺激による症状である。前立腺痛は,会陰部,直腸部,または恥骨上部の漠然とした不快感または充満感として生じる。

気尿症(尿とともに気体が排出される)は膀胱腟瘻,膀胱腸瘻,または尿管腸瘻を示唆し,膀胱腸瘻と尿管腸瘻は憩室炎,クローン病,膿瘍,または結腸癌が原因である可能性がある。気尿症はまた,気腫性腎盂腎炎が原因である可能性もある。

身体診察

身体診察では,肋骨脊柱角,腹部,直腸,鼠径部,および性器に焦点を置く。泌尿器症状のある女性には通常は内診を行う。

肋骨脊柱角

背部,側腹部,および肋骨脊柱角(第12肋骨と腰椎が交差する部分)を拳で軽く叩打することで生じる痛み(肋骨脊柱角の叩打痛)は, 腎盂腎炎 急性腎盂腎炎 細菌性UTIは,尿道,前立腺,膀胱,または腎臓で発生する。症状は認められない場合もあれば,頻尿,尿意切迫,排尿困難,下腹部痛,および側腹部痛がみられる場合もある。腎臓の感染では,全身症状や敗血症が発生する場合もある。診断は尿の分析および培養に基づく。治療は抗菌薬投与と尿路カテーテルの抜去および閉塞の解除による。 ( Professional.See also page 尿路感染症... さらに読む 結石 尿路結石 尿路結石とは,泌尿器系内に存在する固形の粒子のことである。結石は疼痛,悪心,嘔吐,および血尿を引き起こすことがあるほか,続発性の感染から悪寒および発熱がみられることもある。診断は尿検査および放射線学的検査のほか,通常は単純ヘリカルCTに基づく。治療は鎮痛薬,感染に対する抗菌薬療法,および薬剤による排石促進療法のほか,ときに衝撃波砕石術また... さらに読む ,または 尿路閉塞 閉塞性尿路疾患 閉塞性尿路疾患は,構造的または機能的異常により正常な尿流が妨げられる病態であり,ときに腎機能障害(閉塞性腎症)につながることもある。症状としては,慢性閉塞では出現する可能性がより低いが,T11からT12までの皮膚分節に放散する疼痛や排尿異常(例,排尿困難,無尿,夜間頻尿,多尿)などが出現することがある。診断は閉塞のレベルに応じて,膀胱カテ... さらに読む を示唆している可能性がある。

腹部

上腹部の目視可能な膨満は,水腎症,腎腫瘤,または腹部腫瘤の極めてまれな非特異的所見である。下腹部の打診による濁音は膀胱拡張を示唆する;正常な膀胱は,たとえ尿が充満した状態でも,恥骨結合より上方で打診することはできない。膀胱の触診により,膀胱拡張および尿閉を確認することができる。

直腸

直腸指診では,圧痛を伴うブヨブヨした前立腺として 前立腺炎 前立腺炎 前立腺炎とは,主に刺激性または閉塞性の泌尿器症状と会陰部痛の組合せとして出現する多様な疾患群を指す。一部の症例は前立腺の細菌感染が原因であり,より頻度の高い他の一群の症例では,非感染性の炎症因子,尿生殖隔膜筋の攣縮,またはその両方に起因するが,まだ十分に解明されていない。診断は臨床的に行い,前立腺マッサージの前後に採取した尿検体の鏡検および培養も併用する。原因が細菌性の場合,治療は抗菌薬による。原因が非細菌性の場合,治療は温坐浴,筋弛緩... さらに読む を検出できることがある。限局性の結節および境界不明瞭な硬化領域は 前立腺癌 前立腺癌 前立腺癌は通常腺癌である。典型的には,腫瘍の増殖によって血尿や疼痛を伴う閉塞が引き起こされるまで,症状はみられない。診断は直腸指診または前立腺特異抗原測定によって示唆され,経直腸的超音波生検によって確定される。スクリーニングについては議論があり,意思決定の共有が行われるべきである。大部分の前立腺癌患者の予後は,特に癌が限局または局在する場合(通常は症状の発生前),非常に良好であり,前立腺癌で死亡する患者と比較してそれ以外の原因で死亡する... さらに読む と鑑別しなければならない。 前立腺肥大症 前立腺肥大症(BPH) 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)は,前立腺尿道周囲部が良性腺腫として増大した状態である。症状は下部尿路閉塞の症状である(尿勢低下,排尿遅延,頻尿,尿意切迫,夜間頻尿,残尿,終末時滴下,溢流性または切迫性尿失禁,完全尿閉)。診断は主に直腸指診と症状に基づき,膀胱鏡検査,経直腸的超音波検査,尿流... さらに読む では,前立腺が対称性に腫大して軟化し,圧痛を伴わないことがある。

鼠径部および性器

鼠径部および性器の診察は,立位で行うべきである。鼠径ヘルニアまたはリンパ節腫脹が陰嚢痛または鼠径部痛の原因である場合がある。精巣の肉眼的な非対称性,腫脹,発赤,または変色は,感染,捻転,腫瘍,その他の腫瘤を示唆している可能性がある。精巣の長軸が水平方向に向いている(bell-clapper deformity)場合は,精巣捻転のリスク増大が示唆される。片側精巣の挙上(正常では左側が低い)は 精巣捻転 精巣捻転 精巣捻転とは,精巣が回転して絞扼が起きる結果,血液供給が遮断されることで生じる,緊急を要する病態である。症状は陰嚢の急性疼痛および腫脹と悪心および嘔吐である。診断は身体診察に基づき,カラードプラ超音波検査により確定される。治療は即時の用手的整復とその後の外科的介入である。 精巣鞘膜および精索の発生異常によって,精巣鞘膜への精巣の固定が不完全になることがある(bell-clapper変形―... さらに読む の徴候である可能性がある。陰茎の診察は,包皮を反転させた状態と反転させない状態で行う。陰茎の視診では以下の異常を検出できる:

触診では 鼠径ヘルニア 鼠径部ヘルニア 腹壁ヘルニアは,腹壁の後天的または先天的な脆弱または欠損部位から腹腔内臓器が脱出した状態である。多くのヘルニアは無症状であるが,一部のヘルニアは嵌頓または絞扼状態となり,疼痛を引き起こし,直ちに手術を行う必要がある。診断は臨床的に行う。治療は待機的な外科的修復である。 ( 急性腹痛も参照のこと。) 腹部ヘルニアは,極めて頻度が高く,特に男性に多くみられ,米国では毎年約70万件の手術が施行されている。... さらに読む 鼠径部ヘルニア が明らかなることがある。精巣捻転の患者では精巣挙筋反射が消失することがある。精巣腫瘤(例,精液瘤, 精巣上体炎 精巣上体炎 精巣上体炎は精巣上体の炎症で,ときとして精巣の炎症を伴う(精巣精巣上体炎)。陰嚢の疼痛および腫脹が通常は片側性に生じる。診断は身体診察に基づく。治療は抗菌薬,鎮痛薬,および陰嚢サポーターによる。 大半の精巣上体炎(および精巣精巣上体炎)は細菌感染によって引き起こされる。炎症が精管に及べば,精管炎となる。また全ての精索構造が侵されれば,診断は精索炎となる。まれに精巣上体膿瘍,陰嚢の精巣上体外部の膿瘍,膿瘤(陰嚢水腫内での膿の蓄積),精巣梗... さらに読む 精巣上体炎 陰嚢水腫 精巣および陰嚢の異常 最も頻度の高い精巣および陰嚢奇形は以下のものである: 先天性陰嚢水腫 停留精巣( 潜在精巣) 精巣捻転 まれな奇形として,陰嚢の無形成,低形成,変位,血管腫;陰茎陰嚢転位;二分陰嚢などがある。 さらに読む 精巣および陰嚢の異常 ,腫瘍)の鑑別では,精巣と腫瘤の位置関係ならびに圧痛の程度および部位が有用な情報となりうる。腫脹を認めた場合は,嚢胞性か充実性かを判定する上での参考にするため,透光性の有無を確認すべきである。陰茎体に触れる線維性硬結は ペロニー病 ペロニー病 ペロニー病は,陰茎海綿体白膜が線維化することにより,海綿体の被覆筋膜に拘縮が生じ,結果として勃起時の屈曲やときに疼痛を引き起こす病態である。 ペロニー病は成人で発生する。原因は不明であるが, デュピュイトラン拘縮の原因と類似していると考えられ,過去の外傷,おそらくは性交中の外傷と関連する可能性がある (1)。この拘縮のため,通常,勃起陰茎が患側へ屈曲し,ときとして勃起痛をもたらし,挿入障害を起こすことがある。線維化が陰茎海綿体まで拡大し... さらに読む の徴候である。

検査

尿路の移行上皮癌に対する膀胱腫瘍抗原検査は,低悪性度の癌を検出する上で尿細胞診より感度が高いが,内視鏡検査に代わるほどの十分な感度はない。高悪性度の癌の検出には尿細胞診が最善の検査である。

前立腺特異抗原(PSA)は,前立腺上皮細胞により産生される機能不明の糖タンパク質である。前立腺癌のほか,頻度の高い一部の良性疾患(例, 前立腺肥大症 前立腺肥大症(BPH) 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)は,前立腺尿道周囲部が良性腺腫として増大した状態である。症状は下部尿路閉塞の症状である(尿勢低下,排尿遅延,頻尿,尿意切迫,夜間頻尿,残尿,終末時滴下,溢流性または切迫性尿失禁,完全尿閉)。診断は主に直腸指診と症状に基づき,膀胱鏡検査,経直腸的超音波検査,尿流... さらに読む ,感染症,外傷)で高値となることがある。PSAはがん治療後の再発を検出する目的で測定されるが, がんスクリーニング スクリーニング 前立腺癌は通常腺癌である。典型的には,腫瘍の増殖によって血尿や疼痛を伴う閉塞が引き起こされるまで,症状はみられない。診断は直腸指診または前立腺特異抗原測定によって示唆され,経直腸的超音波生検によって確定される。スクリーニングについては議論があり,意思決定の共有が行われるべきである。大部分の前立腺癌患者の予後は,特に癌が限局または局在する場合(通常は症状の発生前),非常に良好であり,前立腺癌で死亡する患者と比較してそれ以外の原因で死亡する... さらに読む を目的とした広範な使用については議論がある。

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