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神経因性膀胱

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神経因性膀胱は,神経性の損傷を原因とする膀胱機能障害(弛緩または痙性)である。症状としては,溢流性尿失禁,頻尿,尿意切迫,切迫性尿失禁,尿閉などがみられる。重大な合併症(例,反復性感染症,膀胱尿管逆流症,自律神経過反射)のリスクは高い。診断は画像検査と膀胱鏡検査または尿流動態検査による。治療としては,カテーテルを留置するか,排尿を誘発する方法を用いる。

膀胱および膀胱出口部の求心性および遠心性神経伝達を障害する病態は,いずれも神経因性膀胱の原因となりうる。原因としては,中枢神経系(例,脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中とは,神経脱落症状を引き起こす突然の局所的な脳血流遮断が生じる多様な疾患群である。脳卒中には以下の種類がある: 虚血性(80%):典型的には血栓または塞栓によって生じる 出血性(20%):血管の破裂によって生じる(例,くも膜下出血,脳内出血) 明らかな急性脳梗塞の所見(MRIの拡散強調画像に基づく)を伴わない一過性(典型的には1時間... さらに読む 脳卒中の概要 脊髄外傷 脊椎・脊髄外傷 脊椎・脊髄の外傷では,脊髄,脊椎,またはその両方に損傷が生じる。ときに脊髄神経も影響を受ける。脊柱の解剖学的構造については,別の章に記載されている。 脊髄損傷は以下の場合がある: 完全 不全 (外傷患者へのアプローチも参照のこと。) さらに読む 脊椎・脊髄外傷 ,脊髄髄膜瘤,筋萎縮性側索硬化症 筋萎縮性側索硬化症(ALS)とその他の運動ニューロン疾患(MND) 筋萎縮性側索硬化症とその他の運動ニューロン疾患の特徴は,皮質脊髄路,前角細胞,延髄運動核,またはこれらが複合的に,着実に間断なく進行性に変性することである。症状の重症度は様々であり,筋力低下,筋萎縮,線維束性収縮,情緒不安定,呼吸筋筋力低下などがある。診断は,神経伝導検査,筋電図検査,ならびにMRIおよび臨床検査による他疾患の除外に基づき行う。治療は支持療法による。 (末梢神経系疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む ),末梢神経 末梢神経系疾患の概要 末梢神経系とは,神経系のうち脳と脊髄を除いた部分を指す。脳神経および脊髄神経の起始から末端までを含む。前角細胞は,厳密には中枢神経系の一部であるが,運動単位の構成要素であることから,ときに末梢神経系とともに議論される。 運動ニューロンに機能障害が起きると,筋力低下または麻痺が生じる。感覚ニューロンに機能障害が起きると,感覚異常または感覚消... さらに読む (例,糖尿病 糖尿病性腎症 糖尿病性腎症は,糖尿病による代謝および血行動態の変化に起因する糸球体の硬化および線維化である。悪化する高血圧および腎機能不全を伴って緩徐に進行するアルブミン尿として発症する。診断は病歴,身体診察,尿検査および尿中アルブミン/クレアチニン比に基づく。治療は厳格な血糖コントロール,アンジオテンシン阻害(ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用),ならびに血圧および脂質のコントロールによる。... さらに読む 糖尿病性腎症 性,アルコール依存性,ビタミンB12欠乏性 ビタミンB12欠乏症 食事によるビタミンB12欠乏症は通常,不十分な吸収に起因するが,ビタミンサプリメントを摂らない完全菜食主義者に欠乏症が生じることがある。欠乏症により,巨赤芽球性貧血,脊髄および脳の白質への障害,ならびに末梢神経障害が起こる。診断は通常,血清ビタミンB12値の測定によって行う。シリング試験が病因の特定に役立つ。治療はビタミンB12の経口または静脈内投与による。葉酸塩(葉酸)は,貧血を軽減することがあるが,神経脱落症状を進行させることがある... さらに読む の神経障害,椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニアは,椎間板が周囲の線維輪の亀裂を介して脱出する病態である。椎間板内に神経があるため亀裂により疼痛が生じるほか,椎間板が隣接する神経根を侵害することで,その神経根の分布域において錯感覚と筋力低下を伴った分節性の神経根障害が生じる。診断は通常,MRIまたはCTによる。軽症例の治療は,鎮痛薬,活動の修正,および理学療法による。床上安静が適応となることはまれである。進行性もしくは重症の神経脱落症状,難治性の疼痛,保存的治療の不成功... さらに読む 椎間板ヘルニア ,骨盤内手術による損傷),またはその両方(例,パーキンソン病 パーキンソン病 パーキンソン病は,安静時振戦,筋強剛(固縮),緩徐で減少した動作(運動緩慢),および歩行または姿勢の不安定性を特徴とする,緩徐に進行する神経変性疾患である。診断は臨床的に行う。治療は脳内のドパミン系の機能を回復することを目的とし,レボドパに加えてカルビドパおよび/または他の薬剤(例,ドパミン作動薬,MAO-B阻害薬,アマンタジン)を投与する。認知症のない患者における生活に支障を来す難治性の症状には,脳深部刺激療法または凝固術ならびにレボ... さらに読む 多発性硬化症 多発性硬化症(MS) 多発性硬化症(MS)は,脳および脊髄における散在性の脱髄斑を特徴とする。一般的な症状としては,視覚および眼球運動異常,錯感覚,筋力低下,痙縮,排尿機能障害,軽度の認知症の症状などがある。典型的には複数の神経脱落症状がみられ,寛解と増悪を繰り返しながら,次第に能力障害を来す。診断には,時間的・空間的に独立した複数の特徴的な神経病変(部位は中枢神経系)を示す臨床所見またはMRI所見を必要とする。治療法としては,急性増悪に対するコルチコステロ... さらに読む 多発性硬化症(MS) 梅毒 梅毒 梅毒は,スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって引き起こされる疾患で,臨床的に3つの病期に区別され,それらの間には無症状の潜伏期がみられることを特徴とする。一般的な臨床像としては,陰部潰瘍,皮膚病変,髄膜炎,大動脈疾患,神経症候群などがある。診断は血清学的検査のほか,梅毒の病期に基づいて選択される補助的検査による。第1選択の薬剤はペニシリンである。... さらに読む 梅毒 )が関与する場合がある。しばしば下部尿路閉塞 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む (例,前立腺肥大症 前立腺肥大症(BPH) 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)は,前立腺尿道周囲部が良性腺腫として増大した状態である。症状は下部尿路閉塞の症状である(尿勢低下,排尿遅延,頻尿,尿意切迫,夜間頻尿,残尿,終末時滴下,溢流性または切迫性尿失禁,完全尿閉)。診断は主に直腸指診と症状に基づき,膀胱鏡検査,経直腸的超音波検査,尿流... さらに読む 前立腺癌 前立腺癌 前立腺癌は通常腺癌である。典型的には,腫瘍の増殖によって血尿や疼痛を伴う閉塞が引き起こされるまで,症状はみられない。診断は直腸指診または前立腺特異抗原測定によって示唆され,経直腸的超音波生検によって確定される。スクリーニングについては議論があり,意思決定の共有が行われるべきである。大部分の前立腺癌患者の予後は,特に癌が限局または局在する場合(通常は症状の発生前),非常に良好であり,前立腺癌で死亡する患者と比較してそれ以外の原因で死亡する... さらに読む ,宿便,尿道狭窄 尿道狭窄 尿道狭窄は,瘢痕形成により前部尿道の内腔が閉塞する病態である。 尿道狭窄は以下の場合がある: 先天性 後天性 尿道上皮または尿道海綿体が損傷する病態はいずれも,後天性狭窄を引き起こす可能性がある(1)。 さらに読む )が併存し,それにより症状が増悪することがある。

弛緩性(低緊張性)の神経因性膀胱は,容量が大きく,内圧は低く,収縮が認められない。末梢神経損傷またはS2~S4レベルの脊髄損傷に起因する場合がある。急性脊髄損傷の発生後には,まず筋弛緩が生じてから長期にわたる筋弛緩または痙縮がみられる場合や,数日後,数週間後,または数カ月後に膀胱機能が改善する場合がある。

痙性膀胱では,典型的には容量は正常であるか小さく,不随意の収縮が起こる。通常は脳損傷またはT12より上の脊髄損傷に起因する。正確な症状は,損傷部位と重症度によって異なる。膀胱収縮と外尿道括約筋弛緩は,典型的に協調しない(排尿筋括約筋協調不全)。

混合型(弛緩性および痙性膀胱)は多くの障害によって引き起こされる可能性があり,これには梅毒 梅毒 梅毒は,スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって引き起こされる疾患で,臨床的に3つの病期に区別され,それらの間には無症状の潜伏期がみられることを特徴とする。一般的な臨床像としては,陰部潰瘍,皮膚病変,髄膜炎,大動脈疾患,神経症候群などがある。診断は血清学的検査のほか,梅毒の病期に基づいて選択される補助的検査による。第1選択の薬剤はペニシリンである。... さらに読む 梅毒 糖尿病 糖尿病(DM) 糖尿病(DM)はインスリン分泌障害および様々な程度の末梢インスリン抵抗性であり,高血糖をもたらす。初期症状は高血糖に関連し,多飲,過食,多尿,および霧視などがある。晩期合併症には,血管疾患,末梢神経障害,腎症,および易感染性などがある。診断は血漿血糖測定による。治療は食事療法,運動,および血糖値を低下させる薬剤により,薬剤にはインスリンお... さらに読む ,脳または脊髄腫瘍 脊髄疾患の概要 脊髄疾患は永続的な重度の神経機能障害を引き起こす可能性がある。評価および治療が迅速であれば,そのような身体障害を回避または最小化することが可能になる場合もある。 脊髄疾患は通常,以下のような脊髄外の病態の結果として発生する: 脊柱管狭窄症による圧迫 椎間板ヘルニア 腫瘍 さらに読む 脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中とは,神経脱落症状を引き起こす突然の局所的な脳血流遮断が生じる多様な疾患群である。脳卒中には以下の種類がある: 虚血性(80%):典型的には血栓または塞栓によって生じる 出血性(20%):血管の破裂によって生じる(例,くも膜下出血,脳内出血) 明らかな急性脳梗塞の所見(MRIの拡散強調画像に基づく)を伴わない一過性(典型的には1時間... さらに読む 脳卒中の概要 椎間板断裂 椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニアは,椎間板が周囲の線維輪の亀裂を介して脱出する病態である。椎間板内に神経があるため亀裂により疼痛が生じるほか,椎間板が隣接する神経根を侵害することで,その神経根の分布域において錯感覚と筋力低下を伴った分節性の神経根障害が生じる。診断は通常,MRIまたはCTによる。軽症例の治療は,鎮痛薬,活動の修正,および理学療法による。床上安静が適応となることはまれである。進行性もしくは重症の神経脱落症状,難治性の疼痛,保存的治療の不成功... さらに読む 椎間板ヘルニア ,脱髄性または変性障害(例,多発性硬化症 多発性硬化症(MS) 多発性硬化症(MS)は,脳および脊髄における散在性の脱髄斑を特徴とする。一般的な症状としては,視覚および眼球運動異常,錯感覚,筋力低下,痙縮,排尿機能障害,軽度の認知症の症状などがある。典型的には複数の神経脱落症状がみられ,寛解と増悪を繰り返しながら,次第に能力障害を来す。診断には,時間的・空間的に独立した複数の特徴的な神経病変(部位は中枢神経系)を示す臨床所見またはMRI所見を必要とする。治療法としては,急性増悪に対するコルチコステロ... さらに読む 多発性硬化症(MS) 筋萎縮性側索硬化症 筋萎縮性側索硬化症(ALS)とその他の運動ニューロン疾患(MND) 筋萎縮性側索硬化症とその他の運動ニューロン疾患の特徴は,皮質脊髄路,前角細胞,延髄運動核,またはこれらが複合的に,着実に間断なく進行性に変性することである。症状の重症度は様々であり,筋力低下,筋萎縮,線維束性収縮,情緒不安定,呼吸筋筋力低下などがある。診断は,神経伝導検査,筋電図検査,ならびにMRIおよび臨床検査による他疾患の除外に基づき行う。治療は支持療法による。 (末梢神経系疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む )などがある。

症状と徴候

弛緩性膀胱の患者でみられる主な症状は溢流性尿失禁 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む である。尿が貯留し,溢流性の尿滴下が常時みられる。男性では典型的には勃起障害 勃起障害 勃起障害とは,性交を行うのに十分な勃起を達成または持続できない状態である。大半の勃起障害は血管,神経,精神,または内分泌疾患に関連したものであり,さらに薬剤使用も原因となりうる。評価は典型的には基礎疾患のスクリーニングとテストステロン濃度の測定である。治療選択肢としては,ホスホジエステラーゼ阻害薬の服用,プロスタグランジンの尿道内または海綿体内投与,陰圧式勃起補助具,外科的インプラントなどがある。... さらに読む もみられる。

痙性膀胱の患者では,頻尿,夜間頻尿,感覚障害を伴う痙性麻痺がみられることがあり,ほとんどの患者で間欠的な膀胱収縮がみられ,これにより尿漏出と(感覚の喪失がなければ)尿意切迫が生じる。排尿筋括約筋協調不全を呈する患者では,排尿中の括約筋の痙攣により完全な膀胱の排出が妨げられる可能性がある。

一般的な合併症としては,再発性UTI 尿路感染症(UTI)に関する序論 尿路感染症(UTI)は,腎臓(腎盂腎炎)が侵される上部尿路感染症と,膀胱(膀胱炎),尿道(尿道炎),および前立腺(前立腺炎)が侵される下部尿路感染症に分類される。しかしながら,実際には(特に小児では)感染部位の鑑別が困難または不可能な場合もある。さらに,感染はしばしば1つの領域から別の領域へと拡大する。尿道炎と前立腺炎も尿路が侵される感染... さらに読む 尿路結石 尿路結石 尿路結石とは,泌尿器系内に存在する固形の粒子のことである。結石は疼痛,悪心,嘔吐,および血尿を引き起こすことがあるほか,続発性の感染から悪寒および発熱がみられることもある。診断は尿検査および放射線学的検査のほか,通常は単純ヘリカルCTに基づく。治療は鎮痛薬,感染に対する抗菌薬療法,および薬剤による排石促進療法のほか,ときに衝撃波砕石術また... さらに読む などがある。大量の尿が尿管膀胱移行部を圧迫するため,膀胱尿管逆流症 膀胱尿管逆流症(VUR) 膀胱尿管逆流症とは,尿が膀胱から尿管へ,ときに重症度によっては集合管まで逆流する病態である。逆流は尿路感染症の素因となり,しばしば再発を繰り返す。評価としては,排尿前後の腎臓,尿管,および膀胱の超音波検査とその後にX線透視下で排尿時膀胱尿道造影(VCUG)を施行する方法などがある。治療法は原因および重症度に依存する。 膀胱尿管逆流症(VUR)の原因として最も頻度が高いのは,尿管膀胱移行部の先天的な発育異常である。膀胱壁内尿管のトンネル構... さらに読む を伴う水腎症が発生する可能性があり,逆流による機能障害や重症例では腎症が生じる。上胸部または頸髄に病変を有する患者では,自律神経過反射(交感神経の未制御な活動過多による生命を脅かす症候群で,悪性高血圧,徐脈または頻脈,頭痛,立毛,発汗がみられる)のリスクがある。この障害は急性膀胱拡張(尿閉 尿閉 尿閉とは,膀胱を完全に空にすることができないか排尿が途中で停止する状態であり,以下の場合がある: 急性 慢性 原因としては,膀胱収縮性の障害,下部尿路閉塞,排尿筋括約筋協調不全(膀胱収縮と括約筋弛緩の調整の欠如),これらの組合せなどがある。(排尿の概要も参照のこと。) 尿閉は男性で多くみられるが,男性では前立腺異常または尿道狭窄により下部尿路閉塞が生じる。男女いずれにおいても,尿閉の原因は薬物(特に抗コリン作用を有する薬で,多くの一般用... さらに読む に起因する)または腸管拡張(便秘または宿便に起因する)によって誘発される場合がある。

診断

  • 排尿後の残尿量

  • 腎超音波検査

  • 血清クレアチニン値

  • 通常は膀胱造影,膀胱鏡検査,尿流動態検査による膀胱内圧測定

本症は臨床的に疑う。通常,排尿後残尿量の測定,水腎症を検出するための腎超音波検査,腎機能評価のための血清クレアチニン測定が行われる。

自己導尿が不可能な患者や他者にトイレへの付き添いを依頼できない患者(例,衰弱の激しい高齢者,脳卒中後の患者)では,それ以上の検査は行わないことが多い。

水腎症または腎症があるが重度の衰弱には至っていない患者では,通常は膀胱造影,膀胱鏡検査,尿流動態検査による膀胱内圧測定が推奨され,以降の治療指診となる結果が得られる可能性がある。

治療

  • カテーテル法

  • 水分摂取量の増加

  • 薬剤

  • 保存的治療が失敗に終わった場合は手術

腎臓が損傷を受ける前に診断と治療を行えば,予後は良好である。

カテーテル法

弛緩性膀胱には,特に原因が急性脊髄損傷である場合,直ちに持続的または間欠的導尿が必要である。尿道カテーテルの留置は再発性UTIのリスクを高め,男性では尿道炎 尿道炎 細菌性UTIは,尿道,前立腺,膀胱,または腎臓で発生する。症状は認められない場合もあれば,頻尿,尿意切迫,排尿困難,下腹部痛,および側腹部痛がみられる場合もある。腎臓の感染では,全身症状や敗血症が発生する場合もある。診断は尿の分析および培養に基づく。治療は抗菌薬投与と尿路カテーテルの抜去および閉塞の解除による。 (Professional.See also page 尿路感染症(UTI)に関する序論;グラム陰性桿菌;前立腺炎;および小児... さらに読む ,尿道周囲炎,前立腺膿瘍,および尿道瘻のリスクも高まるため,間欠的自己導尿の方が望ましい。患者が自己導尿を行えない場合は,恥骨上カテーテル挿入を選択してもよい。

薬剤およびその他の治療法

痙性膀胱に対する治療は,患者の尿を保持する能力に依存する。正常な量の尿を保持できる患者は,排尿を誘発する方法(例,恥骨上部を圧迫する,大腿部を擦過する)を用いることができ,また抗コリン薬が効果的となりうる。正常な量の尿を保持できない患者では,治療は切迫性尿失禁の場合と同様 治療 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む であり,薬剤(尿失禁の治療薬 尿失禁の治療薬 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む の表を参照)や仙骨神経刺激療法 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む などを用いる。

手術

手術は最後の手段である。通常は,急性か慢性かを問わず重度の続発症の既往またはリスクがある場合と,社会的状況,痙縮,または四肢麻痺により持続的または間欠的な膀胱ドレナージの施行が妨げられる場合に適応となる。外括約筋切開術(男性の場合)は,膀胱を開放式ドレーンに変更する。仙骨(S3およびS4)神経根切断術は,痙性膀胱を弛緩性膀胱に変換する。尿路変向術では,回腸導管または尿管皮膚瘻を作成する場合がある。

機械制御式の人工尿道括約筋の外科的挿入は,膀胱容量が十分にあり,排尿が良好で上肢が不自由なく動き,機器の使用に関する指示に従うことができる患者では選択肢の1つとなるが,患者が指示に従えない場合には生命を脅かす事態(例,腎不全,尿路敗血症)が起こりうる。

要点

  • 排尿をコントロールする神経経路の損傷により,膀胱が弛緩性または痙性を呈する可能性がある。

  • 弛緩性膀胱は溢流性尿失禁を引き起こす傾向がある。

  • 痙性膀胱は,頻尿,切迫性尿失禁,および(特に排尿筋括約筋協調不全がある患者では)尿閉を引き起こす傾向がある。

  • 排尿後の残尿量を測定し,腎超音波検査および血清クレアチニン値の測定を行い,多くの患者では膀胱造影,膀胱鏡検査,および尿流動態検査による膀胱内圧測定を行う。

  • 弛緩性膀胱の治療法としては,水分摂取量の増加や間欠的自己導尿などがある。

  • 痙性膀胱の治療としては,排尿を誘発する措置や切迫性尿失禁の治療に用いられる措置(薬剤を含む)などを行う。

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