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尿閉

執筆者:

Patrick J. Shenot

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2016年 9月
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排尿の概要も参照のこと。)

尿閉とは,膀胱を完全に空にすることができないか排尿が途中で停止する状態であり,以下の場合がある:

  • 急性

  • 慢性

原因としては,膀胱収縮性の障害,下部尿路閉塞排尿筋括約筋協調不全(膀胱収縮と括約筋弛緩の調整の欠如),これらの組合せなどがある。

尿閉は男性で多くみられるが,男性では前立腺異常または尿道狭窄により下部尿路閉塞が生じる。男女いずれにおいても,尿閉の原因は薬物(特に抗コリン作用を有する薬で,多くの一般用医薬品が含まれる),重度の宿便(膀胱三角部への圧力を上昇させる),または糖尿病,多発性硬化症,パーキンソン病患者もしくは過去の骨盤内手術に起因する膀胱除神経を有する患者における神経因性膀胱である。

尿閉は無症状の場合もあれば,頻尿,残尿感,および切迫性または溢流性尿失禁を引き起こすこともある。腹部膨隆および腹痛を引き起こすことがある。尿閉が緩徐に発生すると,疼痛が認められないこともある。長時間の尿閉は尿路感染症の素因であるほか,膀胱圧を上昇させることで閉塞性尿路疾患を引き起こす可能性がある。

診断

  • 排尿後残尿量の測定

診断は,排尿ができない患者においては明らかである。排尿可能な患者では,排尿後のカテーテル挿入または超音波検査により残尿量の増加を示すことで膀胱の不完全排出が診断される。容量50mL未満は正常,100mL未満は通常65歳以上の患者では許容範囲であるが,より若年の患者では異常である。その他の検査(例,尿検査,血液検査,超音波検査,尿流動態検査,膀胱鏡検査,膀胱造影)は臨床所見に基づいて施行する。

治療

  • 尿道カテーテル法および原因の治療

急性尿閉の軽減には尿道カテーテル法が必要である。それに続く治療は原因によって異なる。前立腺肥大症の男性では,薬剤(通常,αアドレナリン受容体拮抗薬もしくは5α還元酵素阻害薬)または手術が膀胱出口部の抵抗を軽減する上で有用であると考えられる。

膀胱収縮性の障害に対して効果的な治療法はないが,αアドレナリン受容体拮抗薬により膀胱出口部の抵抗を低下させることで膀胱排出量が増加する可能性がある。

しばしば間欠的自己導尿またはカテーテル留置が必要となる。恥骨上カテーテルの留置または尿路変向術は最後の手段である。

要点

  • 機序としては,膀胱収縮性の障害,下部尿路閉塞,排尿筋括約筋協調不全などがある。

  • 不完全尿閉の診断は,排尿後の残尿量が50mL(65歳以上では100mL)を超えることによる。

  • 尿道カテーテル法を指示し,尿閉の原因を治療する。

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