Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

胆嚢および胆管の腫瘍

執筆者:

Ali A. Siddiqui

, MD, Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2016年 8月

胆嚢および胆管腫瘍は,肝外胆道閉塞を引き起こすことがある。症状がない場合もあるが,全身症状や胆道閉塞を反映した症状を来すことも多い。診断は超音波検査とCT胆道造影または磁気共鳴胆道膵管造影に基づく。予後は極めて不良である。機械的な胆汁ドレナージにより,そう痒,繰り返す敗血症,および胆道閉塞による疼痛をしばしば緩和できる。

胆道機能の概要も参照のこと。)

胆管癌およびその他の胆管腫瘍はまれであるが(100,000人当たり1~2人),通常悪性である。胆管癌のほとんどは肝外胆管に発生し,60~70%は肝門部周囲(Klatskin腫瘍)に,約25%は胆管遠位部に,残りは肝臓内に発生する。危険因子には,原発性硬化性胆管炎,高齢,肝吸虫の寄生,総胆管嚢腫などがある。

胆嚢癌はまれである(100,000人当たり2.5人)。アメリカンインディアン,大きな胆石(3cm以上)のある患者,慢性胆嚢炎により胆嚢に広範な石灰化(磁器様胆嚢)を来した患者で,より多くみられる。ほぼ全ての患者(70~90%)では胆石もみられる。生存期間中央値は3カ月である。癌が早期に発見された場合(例,胆嚢摘出術で偶然発見)は,治癒の可能性がある。

胆嚢ポリープは,胆嚢腔に発生した良性の粘膜組織の突起物であり,通常は症状を引き起なさい。大半は直径10mm未満で,コレステロールエステルとトリグリセリドから構成され,このようなポリープが存在する状態をコレステロール沈着症と呼んでいる。胆嚢ポリープは超音波検査時に約5%の人で認められる。その他の極めてまれな良性ポリープには,腺腫(腺筋腫症を引き起こす)および炎症性ポリープがある。小さな胆嚢ポリープは治療を必要としない偶発所見である。

症状と徴候

胆管癌患者の大半は,典型的には50~70歳で,そう痒と無痛の閉塞性黄疸がみられる。早期の肝門部周囲の腫瘍では,漠然とした腹痛,食欲不振,および体重減少のみを引き起こすこともある。その他の特徴としては,疲労,灰白色便,触知可能な腫瘤,肝腫大,または胆嚢の拡張(遠位部の胆管癌に伴うCourvoisier徴候)がある。疼痛は胆道仙痛と類似する場合(胆道閉塞を反映)もあれば,持続性かつ進行性の場合もある。まれではあるが,ERCPが原因で敗血症(急性胆管炎に続発する)が発生することがある。

胆嚢癌患者の臨床像は,胆石症による胆道痛を緩和するために施行された胆嚢摘出術で偶然発見されるものから,持続性の疼痛,体重減少,腹部腫瘤,閉塞性黄疸などを伴う進行例まで多岐にわたる。

大半の胆嚢ポリープは症状を引き起こさない。

診断

  • 超音波検査(ときに超音波内視鏡検査)とそれに続くCT胆道造影またはMRCP

  • ときにERCP

肝外胆道閉塞の原因を説明できない場合は,胆管癌と胆嚢癌を疑う。臨床検査結果は胆汁うっ滞の程度を反映する。原発性硬化性胆管炎の患者では,血清中の癌胎児性抗原(CEA)および癌抗原(CA 19-9)を定期的に測定して,胆管癌のモニタリングを行う。

診断は超音波検査(ときに超音波内視鏡検査)とその後に施行するCT胆道造影または磁気共鳴胆道膵管造影(MRCP)に基づく( 肝臓および胆嚢の画像検査)。ときにCTが施行されるが,超音波検査を超える情報,特に胆嚢癌に関する情報が得られることがある。これらの方法で結論が得られない場合は,経皮経肝胆道造影(PTC)を含むERCPが必要となる。ERCPは,腫瘍を検出するだけでなく,擦過細胞診により組織診断情報を提供でき,これにより超音波またはCTガイド下での針生検が不要となる場合もある。病期分類には造影CTが有用である。

病巣の進展範囲を特定して治療方針の参考とするには,開腹が必要である。

治療

  • 胆管癌には,ステント留置術(またはその他のバイパス術)またはときに切除

  • 胆嚢癌には,通常は対症療法

胆管癌では,閉塞部位へのステント留置術または外科的バイパス形成術により,そう痒,黄疸,おそらく疲労が緩和される。

CTで浸潤所見が確認された肝門部胆管癌には,PTCまたはERCPによりステントを挿入する。遠位胆管の胆管癌にはERCPにより内視鏡的にステントを留置する。胆管癌が限局性のようであれば,外科的検索により肝門部切除または膵頭十二指腸切除術による切除可能性を判定する。ただし,切除が成功することはまれである。

再発率が高いため,肝移植の適応はない。胆管癌に対する補助化学療法および放射線療法の有効性は証明されていない。

胆嚢癌は多くの場合,対症的に治療する。

要点

  • 胆道癌(通常は胆管癌または胆嚢癌)はまれである。

  • 原因不明の肝外胆道閉塞または腹部腫瘤がみられる場合は,癌を疑う。

  • 癌の診断は画像検査により行い,超音波検査から始め,続いてCT胆道造影またはMRCPを施行する。

  • 癌の治療は対症的(例,胆管癌による閉塞に対するステント留置術またはバイパス術)に行うが,ときに切除の適応となる。

ここをクリックすると家庭版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP