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黄疸

執筆者:

Steven K. Herrine

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 1月
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本ページのリソース

黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。

病態生理

ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受けて水溶性となる。抱合型ビリルビンは胆汁中に排泄され,十二指腸に排出される。腸管内では,ビリルビンが細菌によって代謝され,ウロビリノーゲンが産生される。ウロビリノーゲンの一部は便中に排泄されるが,一部は再吸収され,肝細胞により抽出され,再処理後に胆汁中に再び排泄される(腸肝循環―Professional.see page ビリルビン代謝の概要 ビリルビン代謝の概要 肝臓は代謝的に最も複雑な臓器である。肝細胞(肝実質細胞)は以下の肝代謝機能を担っている: ビリルビン代謝における胆汁の産生および排泄(Professional.see sidebar ビリルビン代謝の概要) 炭水化物のホメオスタシスの調節 脂質合成と血漿リポタンパク質の分泌 コレステロール代謝の調節 さらに読む )。

高ビリルビン血症の機序

高ビリルビン血症では,非抱合型ビリルビンと抱合型ビリルビンのどちらかが優位となることがある。

非抱合型高ビリルビン血症は,ほとんどの場合,以下の要因の1つまたは複数によって発生する:

  • 産生亢進

  • 肝臓への取込みの減少

  • 抱合の減少

抱合型高ビリルビン血症は,ほとんどの場合,以下の要因の1つまたは複数によって発生する:

  • 肝細胞の機能障害(肝細胞機能障害)

  • 肝臓からの胆汁排出の遅延(肝内胆汁うっ滞)

  • 肝外での胆汁流出路の閉塞(肝外胆汁うっ滞)

結果

転帰は主に,黄疸の原因と肝機能障害の有無および重症度によって決定される。肝機能障害の結果,凝固障害,脳症,門脈圧亢進症(消化管出血につながる可能性がある)が起こりうる。

病因

高ビリルビン血症は,非抱合型が優勢な場合と抱合型が優勢な場合に分類できるが,多くの肝胆道疾患では,どちらの型も発症する。

特定の薬物(Professional.see table 成人における黄疸の機序と原因 成人における黄疸の機序と原因 黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受けて水... さらに読む 成人における黄疸の機序と原因 )の使用を含む多くの病態(Professional.see table 黄疸を引き起こす可能性がある薬物および毒性物質 黄疸を引き起こす可能性がある薬物および毒性物質 黄疸とは,高ビリルビン血症によって皮膚および粘膜が黄色化した状態である。ビリルビン値が約2~3mg/dL(34~51μmol/L)になると,肉眼的に黄疸が明らかとなる。 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(と他の物質)に分解される際に生成される。非抱合型ビリルビンは,血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され,肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受けて水... さらに読む 黄疸を引き起こす可能性がある薬物および毒性物質 )が黄疸の原因となりうるが,全体として最も頻度の高い原因は以下のものである:

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評価

病歴

現病歴には,黄疸の発症および持続期間を含めるべきである。高ビリルビン血症では,黄疸が顕在化する前に,尿が暗色化することがある。したがって,暗色尿の発生は,黄疸の発生よりも正確に高ビリルビン血症の発生を示唆する。重要な関連症状としては,発熱,黄疸前の前駆症状(例,発熱,倦怠感,筋肉痛),便の色の変化,そう痒,脂肪便,腹痛(部位,重症度,期間,放散を含める)などがある。重症を示唆する重要な症状としては,悪心および嘔吐,体重減少,凝固障害の症状(例,紫斑や出血が起きやすい,タール便または血便)などがある。

システムレビュー(review of systems)では,体重減少および腹痛(がん),関節痛および関節腫脹(自己免疫性 慢性肝炎の概要 慢性肝炎は肝炎が6カ月以上続く場合をいう。一般的な原因としては,B型およびC型肝炎ウイルス,自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎),脂肪肝炎(非アルコール性脂肪肝炎またはアルコール性肝炎)などがある。多くの患者では急性肝炎の病歴がなく,最初の徴候は無症候性のアミノトランスフェラーゼ高値である。受診時から肝硬変やその合併症(例,門脈圧亢進症)がみられる場合もある。確定診断とグレードおよび病期の判定のために,生検が必要となる。治療は合併症と基礎... さらに読む またはウイルス性肝炎 急性ウイルス性肝炎の概要 急性ウイルス性肝炎は,多様な伝播様式と疫学的性質を有する一群の肝親和性ウイルスによって引き起こされる,肝臓のびまん性炎症である。ウイルス感染による非特異的な前駆症状に続いて,食欲不振,悪心,しばしば発熱または右上腹部痛がみられる。黄疸がしばしばがみられ,典型的には他の症状が消失し始める頃に発生する。ほとんどの症例で自然消失するが,慢性肝炎に進行する場合もある。ときに,急性ウイルス性肝炎から急性肝不全に進行する(劇症肝炎を示唆する)。診断... さらに読む ヘモクロマトーシス 鉄過剰症の概要 一般成人では,1日当たり約1mgの鉄(Fe)が表皮細胞および消化管細胞の剥離により喪失している;閉経前の女性では,さらに平均0.5~1mg/日の鉄が月経により失われる。この鉄の喪失は,米国の一般的食事に含まれる10~20mgの鉄の一部を吸収することによって均衡が保たれている。鉄の吸収は,体内の貯蔵鉄量により調節されており,通常は身体の必要... さらに読む 原発性硬化性胆管炎 原発性硬化性胆管炎(PSC) 原発性硬化性胆管炎(PSC)は,胆管に生じる斑状の炎症,線維化,および狭窄を特徴とする原因不明の疾患である。しかしながら,80%の患者に炎症性腸疾患がみられ,最も多いのは潰瘍性大腸炎である。その他の併存疾患として,結合組織疾患,自己免疫疾患,免疫不全症候群などがあり,ときに日和見感染症を合併することもある。疲労とそう痒が潜行性かつ進行性に発生する。診断は胆道造影(磁気共鳴胆道膵管造影またはERCP)による。進行例は肝移植の適応となる。... さらに読む サルコイドーシス サルコイドーシス サルコイドーシスは単一または複数の臓器および組織に生じる非乾酪性肉芽腫を特徴とする炎症性疾患であり,病因は不明である。肺およびリンパ系が侵される頻度が最も高いが,サルコイドーシスはどの臓器にも生じうる。肺症状は,無症状から咳嗽,労作時呼吸困難,および,まれであるが肺または他臓器の機能不全に至るまで様々である。通常まず肺病変をきっかけに診断... さらに読む サルコイドーシス ),無月経(妊娠)など,考えられる原因の症状がないか検討すべきである。

既往歴の聴取では,既知の原因疾患を同定すべきであり,具体的には,肝胆道疾患(例,胆石 胆石症 胆石症は,胆嚢内に1つまたは複数の結石(胆石)が存在する病態である。先進国では,成人の約10%と65歳以上の高齢者の20%で胆石がみられる。胆石は無症状のことが多い。最も一般的な症状は胆道仙痛であり,胆石によって消化不良や高脂肪食に対する不耐症が生じることはない。より重篤の合併症としては,胆嚢炎,ときに感染(胆管炎)を伴う胆道閉塞(胆管内の結石による[総胆管結石症]),胆石性膵炎などがある。診断は通常,超音波検査による。胆石症による症状... さらに読む 胆石症 ,肝炎,肝硬変 肝硬変 肝硬変は,正常な肝構築が広範に失われた肝線維化の後期の病像である。肝硬変は,密な線維化組織に囲まれた再生結節を特徴とする。症状は何年も現れないことがあり,しばしば非特異的である(例,食欲不振,疲労,体重減少)。後期の臨床像には,門脈圧亢進症,腹水,代償不全に至った場合の肝不全などがある。診断にはしばしば肝生検が必要となる。肝硬変は通常,不可逆的と考えられている。治療は支持療法である。... さらに読む ),溶血を来す疾患(例,異常ヘモグロビン症,G6PD欠損症),肝または胆道疾患を合併する疾患(炎症性腸疾患 炎症性腸疾患の概要 炎症性腸疾患(IBD)は,消化管の様々な部位で再燃と寛解を繰り返す慢性炎症を特徴とする病態であり,下痢および腹痛を引き起こし,クローン病と潰瘍性大腸炎が含まれる。 消化管粘膜における細胞性免疫応答により炎症が生じる。炎症性腸疾患の正確な病因は不明であるが,多因子性の遺伝的素因を有する患者において,腸内常在菌叢が異常な免疫反応を引き起こすこ... さらに読む ,浸潤性疾患[例,アミロイドーシス アミロイドーシス アミロイドーシスは,異常凝集したタンパク質から成る不溶性線維の細胞外蓄積を特徴とする多様な疾患群である。これらのタンパク質は局所に蓄積してほとんど症状を引き起こさない場合もあるが,全身の複数の臓器に蓄積して,重度の多臓器不全をもたらすこともある。アミロイドーシスは原発性の場合と,種々の感染症,炎症,または悪性疾患に続発する場合とがある。診... さらに読む アミロイドーシス リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫は,網内系およびリンパ系から発生する不均一な一群の腫瘍である。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫(NHL)に大別される(Professional.see table ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の比較)。 リンパ腫はかつて,白血病とは全く異なる疾患と考えられていた。しかし現在では,細胞マーカーとそれらのマーカーを評価する... さらに読む サルコイドーシス サルコイドーシス サルコイドーシスは単一または複数の臓器および組織に生じる非乾酪性肉芽腫を特徴とする炎症性疾患であり,病因は不明である。肺およびリンパ系が侵される頻度が最も高いが,サルコイドーシスはどの臓器にも生じうる。肺症状は,無症状から咳嗽,労作時呼吸困難,および,まれであるが肺または他臓器の機能不全に至るまで様々である。通常まず肺病変をきっかけに診断... さらに読む サルコイドーシス 結核 結核 結核は,しばしば初感染から一定期間の潜伏期を経て発症する慢性進行性の抗酸菌感染症である。結核は肺を侵すことが最も多い。症状としては,湿性咳嗽,発熱,体重減少,倦怠感などがある。診断は喀痰の塗抹および培養によることが最も多いが,分子生物学に基づく迅速診断検査の利用も増えてきている。治療では複数の抗菌薬を少なくとも6カ月間投与する。... さらに読む 結核 ],HIV感染症またはAIDS ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症は,2つの類似したレトロウイルス(HIV-1およびHIV-2)のいずれかにより生じ,これらのウイルスはCD4陽性リンパ球を破壊し,細胞性免疫を障害することで,特定の感染症および悪性腫瘍のリスクを高める。初回感染時には,非特異的な熱性疾患を引き起こすことがある。その後に症候(免疫不全に関連するもの)が現れ... さらに読む ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 を含む)などが挙げられる。

手術歴には,過去に受けた胆道手術(狭窄の原因となりうる)に関する質問を含めるべきである。

家族歴には,家族内での軽度の黄疸の反復および診断済みの遺伝性肝疾患に関する質問を含めるべきである。患者自身のレクリエーショナルドラッグ使用歴とアルコール乱用歴については,可能であれば,患者の友人や家族から確証を得るべきである。

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身体診察

バイタルサインを評価して,発熱や全身毒性の徴候(例,低血圧,頻脈)がないか確認する。

患者の全般的な外観,特に悪液質や嗜眠に注意する。

頭頸部の診察には,強膜および舌の視診(黄疸)と眼の視診(カイザー-フライシャー輪,細隙灯顕微鏡で最もよく観察できる)を含める。軽度の黄疸は自然光下で強膜を観察すると最も見やすく,通常は血清ビリルビン値が2~2.5mg/dL(34~43μmol/L)に達すると検出可能になる。口臭に注意すべきである(例,肝性口臭)。

腹部を視診して,側副血行路,腹水,手術瘢痕がないか確認する。肝臓を触診して,肝腫大,腫瘤,結節,圧痛がないか確認する。脾臓を触診して,脾腫がないか確認する。腹部を診察して,臍ヘルニア,濁音界の移動,波動感,腫瘤,圧痛がないか確認する。直腸診を行って,肉眼的出血または潜血がないか確認する。

男性では,精巣萎縮および女性化乳房について確認する。

神経学的診察には,精神状態の評価と羽ばたき振戦の評価を含める。

警戒すべき事項(Red Flag)

以下の所見は特に注意が必要である:

  • 著明な腹痛および腹部圧痛

  • 精神状態の変化

  • 消化管出血(潜在性または肉眼的)

  • 斑状出血,点状出血,または紫斑

所見の解釈

重症度は,肝機能障害(もしあれば)の程度が主な指標となる。上行性胆管炎は,緊急の治療を要するため,注意が必要である。

重度の肝機能障害は,脳症(例,精神状態の変化,羽ばたき振戦)または凝固障害(例,易出血性,紫斑,タール便または便潜血陽性)から示唆され,特に門脈圧亢進症の徴候(例,腹部側副血行路,腹水,脾腫)のある患者でその傾向が強い。重度の上部消化管出血は,門脈圧亢進症(および凝固障害も関与する可能性あり)による静脈瘤出血を示唆する。

上行性胆管炎は,発熱と持続性の著明な右上腹部痛から示唆されるが,胆道閉塞を伴う急性膵炎(例,総胆管結石または膵仮性嚢胞)でも同様の病像を呈することがある。

黄疸の原因は,以下のように示唆される:

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検査

以下を施行する:

  • 血液検査(ビリルビン,アミノトランスフェラーゼ,アルカリホスファターゼ)

  • 通常は画像検査

  • ときに生検または腹腔鏡検査

血液検査には,全例で総ビリルビン,直接ビリルビン,アミノトランスフェラーゼ,およびアルカリホスファターゼの測定を含める。検査結果は,胆汁うっ滞を肝細胞機能障害と鑑別する上で有用となる(胆汁うっ滞のある患者では通常,画像検査が必要となるため重要である):

  • 肝細胞機能障害:アミノトランスフェラーゼ値の著明な上昇(> 500U/L)とアルカリホスファターゼ値の中等度の上昇(< 正常上限値の3倍)

  • 胆汁うっ滞:アミノトランスフェラーゼ値の中等度の上昇(< 200U/L)とアルカリホスファターゼ値の著明な上昇(> 正常上限値の3倍)

  • 肝胆道機能障害のない高ビリルビン血症:軽度の高ビリルビン血症(例,< 3.5mg/dL[< 59μmol/L])でアミノトランスフェラーゼ値とアルカリホスファターゼ値は正常

肝細胞機能障害または胆汁うっ滞のある患者では,抱合型ビリルビンが尿中に排泄されるため,ビリルビン尿による暗色尿もみられ,非抱合型ビリルビンは排泄されない。ビリルビン分画でも抱合型と非抱合型を鑑別することができる。アミノトランスフェラーゼ値とアルカリホスファターゼ値がともに正常の場合は,ビリルビン分画を調べることがジルベール症候群や溶血(非抱合型)などとデュビン-ジョンソン症候群 デュビン-ジョンソン症候群 遺伝性または先天性代謝疾患では,非抱合型と抱合型のどちらの高ビリルビン血症も生じうる。 非抱合型高ビリルビン血症:ジルベール症候群,クリグラー-ナジャー症候群,および原発性シャント高ビリルビン血症 抱合型高ビリルビン血症:デュビン-ジョンソン症候群およびローター症候群 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) このまれな家族性の良性疾患は,早期標識ビリルビン(early-labeled... さらに読む ローター症候群 ローター症候群 遺伝性または先天性代謝疾患では,非抱合型と抱合型のどちらの高ビリルビン血症も生じうる。 非抱合型高ビリルビン血症:ジルベール症候群,クリグラー-ナジャー症候群,および原発性シャント高ビリルビン血症 抱合型高ビリルビン血症:デュビン-ジョンソン症候群およびローター症候群 (肝臓の構造および機能と肝疾患を有する患者の評価も参照のこと。) このまれな家族性の良性疾患は,早期標識ビリルビン(early-labeled... さらに読む (抱合型)などとの鑑別に役立つ可能性がある。

その他の血液検査としては,臨床的疑いや最初の検査所見に基づき,以下に示すように施行する:

溶血の疑いは末梢血塗抹標本で確認することができる。

疼痛から肝外閉塞もしくは胆管炎が示唆される場合,または血液検査で胆汁うっ滞が示唆される場合は,画像検査を施行する。

通常は腹部超音波検査を最初に施行する;超音波検査では通常,高い精度で肝外閉塞を検出できる。CTおよびMRIも選択可能である。通常,胆石の診断精度は超音波検査の方が高く,膵病変の診断精度はCTの方が高い。これらの検査によって胆道系および局所の肝病変に生じた異常を検出できるが,びまん性の肝細胞障害(例,肝炎,肝硬変)を検出する上での精度は低い。

超音波検査で肝外胆汁うっ滞が判明した場合は,その原因を同定するために他の検査が必要になることがあり,通常は磁気共鳴胆道膵管造影(MRCP) 胆道疾患の正確な診断には画像検査が不可欠であり,巣状の肝病変(例,膿瘍,腫瘍)の検出にも重要である。肝細胞障害によるびまん性疾患(例,肝炎,肝硬変)の検出および診断には限界がある。 従来からの超音波検査は,経腹的に施行され,一定時間の絶食を必要とし,構造的な情報は得られるものの,機能的な情報は得られない。一方で胆道系(特に胆嚢)を画像化する検査としては,最も安価で安全かつ最も高感度の方法である。超音波検査は,以下の目的で最善の検査法であ... さらに読む ,超音波内視鏡検査(EUS),またはERCP 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP) 胆道疾患の正確な診断には画像検査が不可欠であり,巣状の肝病変(例,膿瘍,腫瘍)の検出にも重要である。肝細胞障害によるびまん性疾患(例,肝炎,肝硬変)の検出および診断には限界がある。 従来からの超音波検査は,経腹的に施行され,一定時間の絶食を必要とし,構造的な情報は得られるものの,機能的な情報は得られない。一方で胆道系(特に胆嚢)を画像化する検査としては,最も安価で安全かつ最も高感度の方法である。超音波検査は,以下の目的で最善の検査法であ... さらに読む 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP) が用いられる。ERCPはより侵襲性が高いが,一部の閉塞性病変を治療することができる(例,結石除去,狭窄部へのステント留置)。

肝生検は一般的には必要ないが,特定の疾患(例,肝内胆汁うっ滞を引き起こす疾患,ある種の肝炎,浸潤性疾患,デュビン-ジョンソン症候群,ヘモクロマトーシス,ウィルソン病)の診断の助けとなりうる。他の検査で肝酵素異常の説明がつかない場合にも,生検が有用となりうる。

腹腔鏡検査では,開腹手術のような侵襲を与えることなく,肝臓および胆嚢を直接観察することができる。原因不明の胆汁うっ滞性黄疸では,ときに腹腔鏡検査が,まれに試験開腹が必要となる。

治療

原因および合併症に対する治療を行う。成人では,黄疸自体に対する治療は必要ない(新生児では状況が異なる―Professional.see chapter 新生児における代謝,電解質,および中毒性障害 新生児における代謝,電解質,および中毒性障害 さらに読む )。そう痒が煩わしい場合は,コレスチラミン2~8g,1日2回の経口投与で軽減できることがある。しかしながら,コレスチラミンは完全胆道閉塞の患者には無効である。

老年医学的重要事項

要点

  • 急性黄疸のある患者,とりわけウイルス性の前駆症状がみられる若年ないし健康な患者では,急性ウイルス性肝炎を疑う。

  • 疼痛を伴わない黄疸,体重減少,腹部腫瘤,および軽微なそう痒がみられる高齢患者では,癌による胆道閉塞を疑う。

  • アミノトランスフェラーゼ値が500U/Lを超え,かつアルカリホスファターゼ値の上昇が正常上限値の3倍未満の場合は,肝細胞機能障害を疑う。

  • アミノトランスフェラーゼ値が200U/L未満で,かつアルカリホスファターゼ値の上昇が正常上限値の3倍を超える場合は,胆汁うっ滞を疑う。

  • 精神状態の変化と凝固障害がみられる場合は,重大な肝機能障害が生じている。

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