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胃石

執筆者:

Raghav Bansal

, MBBS, Ichan School of Medicine at Mount Sinai, NY;


Aaron E. Walfish

, MD,

  • Mount Sinai Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 9月
本ページのリソース

胃石は,部分的に消化された物質や未消化の物質が緊密に凝集して,胃から排出されなくなったものである。胃石は通常まれであるが,あらゆる年齢層で起きる可能性がある。行動障害または胃内容排出の異常がある患者でしばしば発生するほか,胃の手術後にもみられる。多くの胃石は無症状であるが,症状を引き起こす場合もある。化学的に溶解できるもの,内視鏡的に摘出可能なもの,外科手術を要するものがある。

胃石は組成に応じて分類される:

  • 植物胃石 (植物性―最も一般的)

  • 毛髪胃石(毛髪)

  • 薬物胃石(薬剤;特にスクラルファートおよび水酸化アルミニウムゲルが一般的)

  • 柿胃石:植物胃石の一種(柿の過剰摂取;柿の生産地で多くみられる)

  • その他(ティッシュペーパーやコップなどの発泡スチロール製品など様々な物質)

病因

毛髪胃石は,数kgに及ぶことがあり,自分の毛髪を噛んで飲み込む精神障害の若年女性で最も多くみられる。

植物胃石は最も一般的な胃石である。胃バイパス術または胃部分切除術(特に迷走神経切断術を併施した場合)の術後合併症として成人患者に生じることが多い。糖尿病や他の全身性疾患による胃排出遅延は,胃石形成のリスクを高める。その他の素因としては,低酸症,胃前庭部運動能の低下,不十分な咀嚼などがあり,これらの因子は高齢者でより頻度が高く,したがって高齢者は胃石形成のリスクが高い。

症状と徴候

胃石は通常,無症状である。症状がみられる場合,最も一般的なものとしては,食後の膨満感,腹痛,悪心,嘔吐,食欲不振,体重減少などがある。

合併症

胃石はまれに,以下のような重篤な合併症を引き起こす:

診断

  • 内視鏡検査

胃石は,非特異的な上部消化管症状を評価するためによく行われる画像検査(例,X線,超音波,CT)で,腫瘤病変として検出される。その所見が腫瘍と誤認されることがある。

通常は診断確定のために上部消化管内視鏡検査が行われる。内視鏡検査では,胃石は見誤りようのない不整な表面をもち,色は黄緑から灰黒色まで多様である。内視鏡下生検で毛髪または植物性物質が認められれば診断を下せる。

治療

  • 化学的溶解

  • 内視鏡的摘出術

  • ときに外科手術

選択肢を比較したランダム化比較試験が実施されていないため,至適な治療については議論がある。

症状が軽度の患者には,コーラやセルラーゼなどを用いた化学的溶解が可能である。セルラーゼは,3~5gを水300~500mLに溶解して2~5日間かけて投与する。胃の運動を促進する補助として,メトクロプラミド10mgの経口投与がしばしば行われる。パパインを用いる酵素内服療法は,もはや推奨されない。

溶解に失敗した胃石がある場合,大きな胃石により中等度から重度の症状が起きている場合,あるいは両方に該当する場合は,内視鏡的摘出術の適応となる。最初の診断を内視鏡検査で下した場合は,その時点で摘出を試みることができる。鉗子,ワイヤースネア,ジェットスプレー,場合によってはレーザー(1)を用いた破砕術で胃石を粉砕することができ,これにより通過または摘出ができる。

手術は,化学的溶解と内視鏡処置のどちらも行えないか,両方が失敗に終わった場合,あるいは合併症のある患者にのみ行う。

柿には胃内で重合するシブオールというタンニンが含まれるため,柿胃石は通常固く治療が困難である。

治療に関する参考文献

  • 1.Mao Y, Qiu H, Liu Q, et al: Endoscopic lithotripsy for gastric bezoars by Nd:YAG laser-ignited mini-explosive technique. Lasers Med Sci 29:1237–1240, 2014. doi: 10.1007/s10103-013-1512-1.

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