寒冷障害の概要

執筆者:Daniel F. Danzl, MD, University of Louisville School of Medicine
レビュー/改訂 2021年 3月
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寒冷への曝露は,体温の低下(低体温症)および局所的な軟部組織損傷を引き起こすことがある。

治療は復温と,通常は遅らせて行う損傷組織への待機的な外科的治療による。

いずれの寒冷障害も,消耗,低栄養,脱水,低酸素症,心血管機能の障害,および水分または金属との接触によって生じやすくなる。

予防

予防が極めて重要である。保温性の高い衣服を何枚か重ねて着ること,および湿気と風に対する防御が,寒冷障害の恐れはなさそうに思われる天候下でも重要である。濡れても断熱性を保つ衣服(例,ウール製やポリプロピレン製)を着るべきである。手袋と靴下は可能な限り乾燥した状態に保つべきであり,非常に寒冷な気候においては循環を妨げない断熱性のブーツを履くべきである。保温性の頭部の覆いも重要である。

水分と食物の十分な摂取は,代謝性の熱産生を維持するのに役立つ。

身体の一部が冷たくなるか感覚が無くなった場合には注意を払い,直ちにその部位を温めることで寒冷障害を予防しうる。

総論の参考文献

  1. Dow J, Giesbrecht GG, Danzl DF, et al: Wilderness Medical Society Clinical Practice Guidelines for the Out-of-Hospital Evaluation and Treatment of Accidental Hypothermia: 2019 Update.Wilderness Environ Med 30(4S):S47-S69, 2019.doi: 10.1016/j.wem.2019.10.002.Epub 2019 Nov 15.PMID: 31740369.

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