在宅ケア

執筆者:Debra Bakerjian, PhD, APRN, University of California Davis
レビュー/改訂 2020年 7月
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    通常,在宅ケアは患者がモニタリング,薬剤の調節,ドレッシングの交換,および限定的な理学療法を必要とする場合に適応となる。在宅ケアが用いられることが多いのは以下の場合である:

    • 退院後(急性期後ケア),ただし特に高齢者の場合,入院は前提条件ではない

    在宅ケアは以下の場合にも用いられる:

    • 毎年,長期間の入院を要する疾患がある患者(医学的に複雑なケア)

    • 医学的に安定している重度機能障害患者(長期ケア)

    • ときに,急性または慢性疾患の患者

    • ときに,死期に直面した患者(終末期ケア)

    在宅ケアは,長期ケアに対する需要を満たすため,ますます多く利用されるようになっている。在宅ケアは,介護施設への収容を23%減少させ,訪問介護および専門的ケアのための訪問が適切に計画されれば,施設でのケアよりも安価である。

    在宅ケアは組織によって提供されるが,その所有者,規模,所在,およびサービスにはばらつきがある。一部は認定組織である。組織は,認定を受けるには,州の認可要件および連邦のメディケア参加条件を満たさなければならない。こうした組織は,紹介医の指示の下に専門的看護を提供する。看護師は医師の監督の下にサービスを提供し,医師はケアの変更が必要であれば看護師と相談する。患者が機能を維持し,予定通りに回復するために,在宅ケアには医療従事者間のコミュニケーションが必要である。患者または介護者は,状態の変化を看護師または医師に速やかに報告し,適切なモニタリングが行われるようにする必要がある。

    在宅ケアは医療サービスと医療以外のサービスを提供することがある(在宅ケアで提供されるサービスの表を参照)。

    表&コラム

    高齢者ケアの概要も参照のこと。)

    在宅ケアに対する償還

    ほとんどの患者は自宅にとどまることを希望するが,重篤で慢性的な疾患を伴う場合,全てのケアを在宅で受けられる経済的余裕のある患者はほとんどいない。メディケアは家から出られない患者の在宅ケアサービスにも適用されることがあるが,選択されているメディケアオプションに応じた特定の条件がある。一部の民間保険会社は,家から出られない状態ではない患者の在宅ケアサービス(例,点滴サービス)の費用を負担することがある。

    医師は,第3者が償還を行う患者ケアの場合は,医師が在宅ケアが必要であることを証明しなければならず,メディケアの場合は,患者がメディケアの在宅ケア要件に適合することを証明しなければならない。メディケアは,どのようなサービスが償還対象となるかについて,在宅ケア組織が患者に伝えるよう求めている。提供される在宅ケアサービスは,患者がメディケアに加入したときに正看護師または療法士が実施する詳細な評価(Outcome and Assessment Information Set[OASIS])に基づいて決まる。第3者支払い機関は費用を抑制するため,個人的サービスをますます制限している。在宅ケア組織は,メディケア,メディケイド,または民間保険会社から直接償還を受ける。

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