がんの概要

執筆者:Robert Peter Gale, MD, PhD, DSC(hc), Imperial College London
レビュー/改訂 2020年 11月
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    がんとは,細胞が無秩序に増殖するものである。著明な特徴は以下の通りである:

    • 細胞分化の欠如

    • 隣接組織への局所浸潤

    • 転移:血流またはリンパ系(多い)を介した遠隔部位への進展

    免疫系は,早期がんまたは前がん状態の細胞を排除するプロセスにおいて役割を果たしている可能性がある。この概念は免疫監視と呼ばれる。先天性または後天性免疫不全症の患者では,がんのリスク,特にウイルス感染症,腎癌,および黒色腫に関連するがんのリスクが高い。

    大半のがんには治癒の可能性があり,特に早期発見された場合は治癒率が高く,進行期で発見されたものでも,しばしば長期寛解の達成が可能である。マンモグラフィーによるスクリーニングで発見された乳癌や前立腺特異抗原(PSA)検査によるスクリーニングで発見された前立腺癌など,早期で発見されたがんが患者の存命中に進行するか否かという点について議論がある。しかしながら,多くのがんでは,早期発見により治癒の可能性が高まる。

    進行がん症例の多くがそうであるように,治癒が期待できない場合でも,放射線療法薬物療法,および/または手術を用いた周到な治療により,生活の質が改善され,延命につながる可能性がある。ただし,これ以外の患者,特に高齢者および併存疾患のある患者では,このような治療に対する耐容性が不良で,緩和療法が適切となる場合もある。

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