この異常は重度の呼吸困難を引き起こします。
診断は出生前超音波検査または胸部X線検査の結果に基づいて下されます。
酸素を投与し、穴を閉じるための手術を行います。
横隔膜 呼吸筋 通常、呼吸は無意識のうちに行われ、脳幹部にある呼吸中枢によって制御されています。呼吸は、眠っている間も持続し、たとえ意識不明になったとしても持続するのが普通です。また、話したり、歌ったり、あるいは自発的に息を止めたりするときなど、自分の意思で呼吸を調節することもできます。脳、大動脈、頸動脈には感覚器官があり、血液をモニタリングして、酸素と二酸化炭素の濃度を感じ取っています。健康な人では、二酸化炭素の濃度上昇は、呼吸をより深くより速くする... さらに読む は、胸部の臓器を腹部の臓器と隔てている膜状の筋肉です。
横隔膜ヘルニアは85%が体の左側に起こります。胃、腸管、そして肝臓や脾臓までがヘルニアの部分から突き出ることがあります。ヘルニアが大きい場合は、ヘルニアがある側の肺の成長が通常は不完全になりますが、反対側の肺も影響を受ける可能性があります。横隔膜ヘルニアのある小児の約半数では、 心臓の異常 心臓の異常の概要 約100人に1人は心臓に異常をもって生まれます。重症の場合もありますが、多くはそうではありません。心臓の異常には心臓壁、弁、心臓に出入りする血管の異常形成などがあります。 心臓の先天異常の症状は年齢に応じて変わります。乳児では、努力性呼吸や速い呼吸、哺乳不良、授乳中の発汗または呼吸数の増加、唇または皮膚の青みがかった変色(チアノーゼ)、異... さらに読む 、 腎臓の異常 腎臓の異常 腎臓(左右に2つあって血液から老廃物をろ過して尿を作っている臓器)に生じる先天異常がいくつかあります。そのような異常は、通常は医師による診察では明らかにならず、 尿路を評価する検査を行う必要があります。 ( 尿路の先天異常の概要も参照のこと。) 腎臓の先天異常には多くの種類があります。そのような異常の多くは以下の変化をもたらします。 尿が腎臓から出る流れを妨げたり遅くしたりする... さらに読む 、または 染色体異常症 染色体異常症と遺伝子疾患の概要 染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子とは、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域で、物質としては DNA(デオキシリボ核酸)で構成されています(遺伝学についての考察は 遺伝子と染色体)。 人間の正常な細胞は、精子と卵子を除いて、いずれも23対、計46本の染色体をもっていま... さらに読む もみられます。
生まれた後、新生児は泣き声を上げ呼吸するため、腸管はすぐに空気で満たされます。この急速に大きくなった腸が心臓を押し上げ、肺に圧力をかけて重い呼吸困難を引き起こします。これは生まれた直後にしばしば起こります。また、出生前に肺がかなり圧迫されていた場合、肺の血管が狭くなり、それによって肺動脈の血圧が高くなります(遷延性肺高血圧症 新生児遷延性肺高血圧症 新生児遷延性肺高血圧症とは、肺につながる動脈が出生後も狭い(収縮した)状態が続くことが原因で、肺に十分な量の血流が行きわたらず、結果的に血流中の酸素量が不足する重篤な病気です。 この病気は、正期産児または過期産児に重度の呼吸困難(呼吸窮迫)を引き起こします。 呼吸は速く、皮膚や唇は青みがかった色(または灰色がかった蒼白)になります。 診断は心エコー検査で確定します。 高濃度の酸素投与によって肺につながる動脈を開く(拡張する)治療を行いま... さらに読む )。血圧が高くなると、肺に十分な血液が流れなくなり、血流中の酸素量が制限されます。遷延性肺高血圧症は、出生時から横隔膜ヘルニアのある乳児の死亡の主な原因となっています。
(消化管先天異常の概要 消化管先天異常の概要 消化管の発達が不完全である、または位置が異常であるために通過障害を起こすことがあり、また消化管の筋肉や神経に異常があることもあります。 症状は異常のある部位によって変わってきますが、けいれん性の腹痛、腹部の膨満、嘔吐などがみられます。 診断は通常、画像検査とその他の検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む も参照のこと。)
横隔膜ヘルニアの診断
出生前:出生前超音波検査
出生後:胸部X線検査
この異常は、 出生前超音波検査 超音波検査 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む により出生前に発見することができます。出生前に横隔膜ヘルニアと診断できれば、治療の準備を整えることができます。
出生後になると、通常は 胸部X線検査 胸部の画像検査 胸部の画像検査には以下があります。 X線検査 CT検査 CT血管造影 MRI検査 さらに読む で発見されます。
横隔膜ヘルニアの治療
酸素
手術
呼吸用のチューブや 人工呼吸器 人工呼吸器 人工呼吸器は、肺への空気の出入りを補助するために用いる機械です。 呼吸不全の患者の一部は、人工呼吸器(肺に出入りする空気の流れを補助する機械)による呼吸の補助を必要とします。人工呼吸器によって命が助かることもあります。 人工呼吸器には、多くの使い方があります。通常は、合成樹脂製のチューブを鼻または口から気管に挿入します。人工呼吸器が数日以上必要な場合は、首の前側を小さく切開して(気管切開)、気管に直接チューブを通すこともあります。人工呼... さらに読む (肺に出入りする空気の流れを補助する機械)など、酸素を供給するための手段が必要になることがあります。
横隔膜を修復するための手術が必要です。