眼の内部の構造
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この病気は通常10~25歳の間に始まります。必ず両眼に発生し、視力が大きく変化するため、多くの人で眼鏡またはコンタクトレンズの度数をたびたび変更する必要が生じます。原因は不明ですが、以下のうちどれかに該当する人には、円錐角膜がよくみられます。
家族に円錐角膜の人がいる
多数のアレルギーを発症する傾向がある(ときにアトピーと呼ばれます)
眼を激しくこする傾向がある
まぶたがゆるい
一部の結合組織疾患(例、 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群は、関節が過度に柔軟である、皮膚が異常に伸びる、組織がもろいといった症状がみられる、まれな遺伝性結合組織疾患群です。 この症候群は、結合組織の生産を制御する複数の遺伝子の1つに異常があるために発生します。 典型的な症状としては、柔軟な関節、猫背、扁平足、伸びる皮膚などがあります。 診断は症状と身体診察の結果に基づいて下されます。 この症候群の患者のほとんどでは、余命は正常です。 さらに読む 、 マルファン症候群 マルファン症候群 マルファン症候群は、眼、骨、心臓、血管、肺、中枢神経系などに異常が生じるまれな遺伝性結合組織疾患です。 この症候群は、フィブリリンというタンパク質をコードしている遺伝子の突然変異によって発生します。 典型的な症状は、軽い場合から重い場合までありますが、腕や指が長いこと、関節が柔軟であること、心臓や肺の障害などがあります。 診断は症状と家族歴に基づいて下されます。 この症候群のほとんどの患者が70代まで生存します。 さらに読む 、 骨形成不全症 骨形成不全症 骨形成不全症は、骨の正常な形成が妨げられ、骨が異常にもろくなる遺伝性の病気です。 この病気は特定の遺伝子の突然変異によって引き起こされます。 典型的な症状としては、骨がもろく骨折しやすいなどがあります。 診断は、X線検査の結果に基づいて下されます。 乳児期に発生するタイプは致死的です。 さらに読む )がある
円錐角膜の治療
コンタクトレンズ
紫外線による治療
角膜内リング
角膜移植
多くの場合、視力の矯正には眼鏡よりもコンタクトレンズが有効です。コンタクトレンズには、多くのデザインがあり(例えば、ガス透過性の高いもの、ハイブリッド、強膜レンズなど)、角膜の異常な形状に応じて試すことができます。装着しやすく良好な視力が得られるものもあります。しかし、ときに角膜の変形の度合いがあまりにひどいとコンタクトレンズを装着できない、または装着しても視力を矯正できない場合があります。
紫外線を照射して角膜を硬化させる治療法(角膜クロスリンキングと呼ばれています)は、初期の円錐角膜において進行を予防する上で有用です。
角膜内リング(角膜の形状を変化させることで屈折矯正に役立つ器具)を用いると、コンタクトレンズを装着しやすくなるため、視力が改善するようです。角膜内リングにより、角膜移植をしなくてすむ人もいます。