(皮膚細菌感染症の概要 皮膚細菌感染症の概要 皮膚は、細菌感染を防ぐ非常に優秀なバリアとしての役目を果たしています。皮膚には外界の様々な細菌が接触するほか、元から皮膚に生息している細菌も多くいますが、正常な状態では、これらの細菌の感染が成立することはありません。皮膚細菌感染症が起きた場合、その範囲は小さな点状のものから、体表面全体に及ぶものまで様々です。重篤さの程度も、害のないものか... さらに読む も参照のこと。)
大半が成人で発生し、特に 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む 患者や高温多湿の地域に住む人で多くみられます。
発生部位は足が最も多く、第4指と第5指の間の皮膚に落屑、ひび割れ、破綻がみられます。この感染症は鼠径部(そけいぶ)にも多く、特に太ももの陰嚢が触れる部分に、不規則な形をしたピンク色または褐色の斑や細かな落屑が生じます(男性の場合)。わきの下、乳房の下、腹部の皮膚がこすれ合う部分、肛門すぐ前の辺り(会陰部)にも生じやすく、特に糖尿病患者や肥満の中年女性でよくみられます。感染が体幹や肛門周辺に広がる場合もあります。
診断
医師による評価
紅色陰癬は真菌感染症と紛らわしい場合がありますが、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)の細菌に感染した皮膚は紫外線のライトで照らすとサンゴのような赤色に輝くため、容易に診断がつきます。
治療
抗菌薬の服用または外用
クラリスロマイシンなどの抗菌薬を内服することで治癒します。クロルヘキシジンなどの抗菌石けんの使用も効果があります。
エリスロマイシンやクリンダマイシン、ムピロシン、過酸化ベンゾイルなどの薬を患部に直接塗ること(外用)も有効です。
患部に真菌もみられる場合は、ミコナゾールなど抗真菌薬のクリームも有用になります。
紅色陰癬は再発することがあり、その場合は再度の治療が必要になります。