体部白癬の症状としては、ピンク色から赤色の円形の皮疹などがみられ、ときにかゆみを生じます。
診断を下すには、患部の診察を行い、ときに皮膚の擦過物を顕微鏡で調べます。
治療としては、抗真菌薬を患部に直接塗ったり、ときに内服したりします。
(皮膚真菌感染症の概要 皮膚真菌感染症の概要 真菌は通常、足の指の間、性器の周辺、乳房の下など、体の皮膚同士が触れ合っていて、湿度が高くなる部分(湿潤部位)に住み着きます。一般的な真菌による皮膚感染症(皮膚真菌感染症)は、酵母( カンジダ属や 癜風菌など)または 皮膚糸状菌(エピデルモフィトン属[Epidermophyton]、ミクロスポルム属[Microspor... さらに読む も参照のこと。)
体部白癬は 皮膚糸状菌症 皮膚糸状菌症(白癬、たむし)の概要 皮膚糸状菌症は、数種類の真菌によって引き起こされる皮膚および爪の真菌感染症で、感染部位によって分類されています。皮膚糸状菌による感染症は、たむしや白癬と呼ばれることもあります。 皮膚糸状菌症の症状は、発疹、鱗屑(りんせつ)、かゆみなどです。 診断では通常、患部を診察するとともに、皮膚または爪のサンプルを顕微鏡で観察するほか、ときに培養検査を行います。 抗真菌薬を患部に直接塗ったり、内服したりすることで、通常は治癒します。... さらに読む の一種です。体部白癬は通常、白癬菌属(Trichophyton)またはミクロスポルム属(Microsporum)の真菌によって引き起こされます。
この感染症では、一般にピンク色から赤色の円形の皮疹が現れ、その辺縁部はうろこ状にかさついて盛り上がり、中心部は正常なままとなる傾向があります。ときに発疹にかゆみを伴うこともあります。体部白癬は皮膚のあらゆる部位に生じる可能性があり、ほかの部位に急速に広がったり、体を密接に接触させた相手に感染したりすることがあります。
体部白癬の診断
医師の診察
ときに皮膚の擦過物の検査
体部白癬の診断は皮膚の診察結果に基づいて下されます。
体部白癬の治療
抗真菌薬の外用薬または内服薬
体部白癬の治療は、イミダゾール、シクロピロクス、ナフチフィン(naftifine)、またはテルビナフィンをクリーム、ローション、またはゲルとして1日に2回患部に直接塗り(外用)、これを(通常は2~3週間後に)発疹が完全に消えた後も7~10日間続けます。クリームの使用をやめるのが早すぎると、感染が完全には治らず、発疹が再発することがあります。抗真菌薬のクリーム、ローション、またはゲルを使用しても、症状が和らぐまでには数日かかります。(表「 皮膚に塗って使用する主な抗真菌薬(外用薬) 皮膚に塗って使用する主な抗真菌薬(外用薬) 」も参照のこと。)
トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)に感染した人や体力を奪う病気のある人では、治療が困難で、比較的広範囲に広がる感染症が生じることがあります。このような場合に最も有効な治療法は、イトラコナゾールやテルビナフィンなどの抗真菌薬を2~3週間服用することです。