インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae b型ワクチン

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2023年 1月
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インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae b型(Hib)ワクチンは、肺炎髄膜炎など、Hibによる細菌感染症の予防に役立ちます。このような感染症は小児では重篤化することがあります。ワクチンの接種により、小児での重篤なHib感染症の発生率は99%低下しました。このような感染症は、免疫系が正常で脾臓(ひぞう)がうまく機能している成人ではまれです。

数種類のワクチン製剤が利用できます。

詳細については、CDCによるインフルエンザb型(Hib)ワクチン説明書(Haemophilus Influenzae type b (Hib) vaccine information statement)を参照してください。

予防接種の概要も参照のこと。)

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型ワクチンの接種

このHibワクチンは、筋肉内への注射で接種されます。小児定期接種の一環として、米国では生後2カ月と4カ月または生後2カ月と4カ月と6カ月の時点で(どの製剤を使うかによって異なります)接種を行います。どちらの場合も、生後12~15カ月で最後の接種を行います(合計の接種回数は3回または4回になります)。

小児は全員ワクチン接種を受ける必要があります。

Hibワクチンは、ワクチン接種を受けていない年長の小児、青年、成人や、この感染症のリスクが高い以下の成人にも推奨されています。

  • 脾臓がない人や脾臓がうまく機能していない人

  • 免疫機能が低下している人(エイズ患者など)

  • がんの治療で化学療法を受けている人

  • 造血幹細胞移植を受けた人

対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です(CDC:ワクチン接種を受けるべきでない人[Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型ワクチンの副反応

注射部位が赤くなり、痛みや腫れが生じることがあります。ワクチン接種の後には、発熱がみられたり、小児が泣いたり、いらだったりすることがあります。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention (CDC)):Hibワクチン説明書(Information statement about the Hib vaccine)

  2. CDC: Hibワクチンを接種すべきでない人に関する情報(Information about people who should NOT get vaccinated with the Hib vaccine)

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