ツツガムシ病にかかると、発熱、悪寒、頭痛が現れ、数日後に発疹が現れます。
感染症を診断するために、医師は発疹のサンプルを検査し、ときに血液検査を行います。
ツツガムシ病は抗菌薬で治療されます。
ツツガムシ病を引き起こす細菌は、 リケッチア リケッチア感染症の概要 リケッチア感染症とそれに関連する感染症(アナプラズマ症、エーリキア症、Q熱など)は、他の生物の細胞内でしか生きられない特殊な種類の細菌によって引き起こされます。 これらの感染症のほとんどは、ダニ、ノミ、シラミを介して感染します。 発熱、重度の頭痛のほか、通常は発疹が起こり、全身のけん怠感がみられます。... さらに読む のように、他の生物の細胞内でのみ生存できます。ツツガムシ病の原因細菌はダニ(宿主)の体内に住みついています。
ツツガムシ病は日本、韓国、中国、インド、オーストラリア北部で発生します。人間がツツガムシ(ダニの幼虫)に咬まれると、この病気にかかることがあります。
ツツガムシ病の症状
ツツガムシ病の症状は、体内に細菌が侵入した6~21日後に突然起こります。発熱、悪寒、頭痛、リンパ節の腫れなどの症状がみられます。ツツガムシに刺された部位に黒いかさぶたができます。発熱が始まって1週間はせきが出ることがあります。また、発熱の開始から5~8日ほど後に発疹が現れます。
ツツガムシ病の診断
医師による評価
発疹の生検と検査
血液検査
ツツガムシ病の診断は、ツツガムシ病の流行地域(中央アジア、東南アジア、南アジア、オーストラリア北部など)に最近行ったことがあり、キャンプや農場訪問といったツツガムシに刺される可能性のある屋外活動に従事した人に症状がみられることから疑われます。
診断を確定するため、発疹から採取(生検)したサンプルを蛍光抗体法で検査することがあります。あるいは、より早く細菌を検出するため、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法が用いられることもあります。
血液検査を行って、原因となる細菌に対する抗体を検出することもあります。ただし、この検査を1回実施するだけでは不十分です。抗体の値の上昇を確認するには、1~3週間後に検査を再度行う必要があります。そのため、この検査は患者の発症直後に感染症を診断する役には立ちませんが、後に診断を確定する助けになります。
ツツガムシ病の予防
予防では、ツツガムシが生息する藪を除去し、生息地に殺虫剤をまいてツツガムシを完全に駆除するか数を減らします。
ツツガムシに接触する可能性が高い場合は、DEET(ジエチルトルアミド)などの防虫剤を使用してください。
ツツガムシ病の治療
抗菌薬
ツツガムシ病の治療では、抗菌薬のドキシサイクリンを経口で投与します。この抗菌薬の投与は、患者の状態が改善し、48時間にわたって発熱がみられなくなるまで続けます。ただし、最短でも7日間は使用する必要があります。治療を行えば、すぐに回復します。