オリゲラ(Oligella)感染症

執筆者:Larry M. Bush, MD, FACP, Charles E. Schmidt College of Medicine, Florida Atlantic University;
Maria T. Vazquez-Pertejo, MD, FACP, Wellington Regional Medical Center
レビュー/改訂 2020年 7月
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    Oligella属細菌は,主に泌尿生殖器の感染症を引き起こすグラム陰性菌である。

    Oligella属にはOligella urethralisOligella ureolyticaの2菌種がある。

    O. urethralisは,泌尿生殖器の共生菌であり,その臨床分離株の大半は尿(ほとんどが男性)に由来する。症候性の感染はまれであるが,菌血症,淋菌性関節炎に類似する化膿性関節炎,および腹膜炎が報告されている。

    O. ureolyticaもまた,主として尿中に検出され,通常は長期の尿道カテーテルやその他の導尿システムが留置された患者に由来する。これらの患者では尿路結石が生じやすい傾向があるが,これはおそらく,この細菌が尿素を加水分解して尿をアルカリ化させる結果,リン酸塩が析出するためと考えられる。閉塞性尿路疾患の患者で菌血症の発生が報告されている。

    Oligella感染症の診断は培養による。

    これらの細菌が分離されることはまれであるため,薬剤感受性のデータは限られているものの,大半はβ-ラクタム系抗菌薬に感受性を示す。しかしながら,β-ラクタマーゼ産生株とシプロフロキサシン耐性株が同定されている。

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