ビタミンB6中毒

(ピリドキシン中毒)

執筆者:Larry E. Johnson, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences
レビュー/改訂 2020年 11月
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    大用量(500mg/日超)のピリドキシン摂取は末梢神経障害を引き起こす可能性がある。

    ビタミンB6には,一群の密接に関連した複合体(ピリドキシン,ピリドキサール,ピリドキサミン)が含まれる。これらは体内でピリドキサールリン酸に代謝され,血液,中枢神経系,および皮膚代謝において多くの重要な反応に関わる補酵素として作用する。ビタミンB6は,ヘム生合成および核酸生合成,ならびに脂質,炭水化物,アミノ酸の代謝に重要である(ビタミンの供給源,機能,および作用の表を参照)。

    ビタミンB6の食物由来の供給源としては,内臓肉(例,レバー),全粒粉シリアル,魚,豆類などがある。(ビタミンの概要も参照のこと。)

    大用量(500mg/日超)のピリドキシン摂取(例,効力は証明されていないが,手根管症候群または月経前症候群を治療するための服用)は,進行性の感覚性運動失調や重度の位置覚および振動覚障害などの,手袋靴下型に分布する末梢神経障害を引き起こすことがある。触覚,温度覚,および痛覚は影響を受けにくい。運動神経および中枢神経系は,通常侵されない。

    ビタミンB6中毒の診断は臨床的に行う。

    ビタミンB6中毒の治療はビタミンB6摂取の中止による。回復は緩徐であり,患者によっては完全に回復しない。

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