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解離症群の概要

執筆者:

David Spiegel

, MD, Stanford University School of Medicine

レビュー/改訂 2021年 3月
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記憶,知覚,同一性,および意識の自動的な統合が正常に働かないことは,誰もが経験しうるものである。例えば,どこかをドライブした後で,個人的な心配事にとらわれていたり,ラジオ番組または同乗者との会話などのために,そのドライブでの多くの場面を思い出せないのに気づくことがある。そのような場合は病的ではない解離と呼ばれ,一般的には日常活動に混乱を生じさせることはない。

上記の正常範囲内のものとは対照的に,解離症を有する人々は,数分,数時間,数日,または数週間にわたる一連の正常な行動を完全に忘れることがあり,自身の体験の中で一定の時間が知らぬ間に経過していることに気づく場合もある。解離症群では,意識,記憶,知覚,同一性,情動,身体表象,運動制御,および行動の正常な統合が破綻し,自己の連続性が失われる。

解離症患者は以下を経験することがある:

解離症は極度のストレスが生じた後に発生することが多い。そのようなストレスは,外傷的出来事や耐えがたい内面の葛藤によって生じることがある。解離症は 心的外傷およびストレス因関連障害群 心的外傷およびストレス因関連障害群の概要 心的外傷およびストレス因関連障害群には,外傷的出来事またはストレスの強い出来事への曝露が関与する。心的外傷関連障害には, 急性ストレス障害と 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の2つがある。急性ストレス障害とPTSDは類似の疾患であるが,急性ストレス障害が典型的には心的外傷の直後から始まって,持続期間が3日間から1カ月間であるのに対し,P... さらに読む 急性ストレス障害 急性ストレス障害 急性ストレス障害は,圧倒的な外傷的出来事を目撃または経験して4週間以内に生じる短時間の侵入的な想起である。 ( 心的外傷およびストレス因関連障害群の概要も参照のこと。) 急性ストレス障害では,患者は外傷的出来事に遭遇しているが,それらは直接的に経験される場合(例,重篤な損傷もしくは死の脅威として)または,間接的に経験される場合(例,他者に... さらに読む 心的外傷後ストレス障害 心的外傷後ストレス障害(PTSD) 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,圧倒的な外傷的出来事の侵入的な想起が反復して生じる病態であり,その想起は1カ月以上続き,出来事から6カ月以内に始まる。本疾患の病態生理は完全には解明されていない。症状としては,外傷的出来事に関連する刺激の回避,悪夢,フラッシュバックなどもある。診断は病歴に基づく。治療は曝露療法および薬物療法から成る。... さらに読む )と関連があり,同障害群でも解離症状(例,健忘,フラッシュバック,麻痺,離人感/現実感消失)がみられることがある。

動物およびヒトを対象とした最近の脳研究により,解離の基礎にある脳の特異的な構造および機能が同定され始めている。特に,解離の発生中には脳深部にある記憶領域の構造が律動的な活動を示すが,それらは思考や計画を司るより高次の皮質領域から切り離されているように見える(1 総論の参考文献 記憶,知覚,同一性,および意識の自動的な統合が正常に働かないことは,誰もが経験しうるものである。例えば,どこかをドライブした後で,個人的な心配事にとらわれていたり,ラジオ番組または同乗者との会話などのために,そのドライブでの多くの場面を思い出せないのに気づくことがある。そのような場合は病的ではない解離と呼ばれ,一般的には日常活動に混乱を生... さらに読む )。同様に催眠状態でも,それらの高次制御領域が自己反射に関与する脳の後部から相対的に切り離されている(2 総論の参考文献 記憶,知覚,同一性,および意識の自動的な統合が正常に働かないことは,誰もが経験しうるものである。例えば,どこかをドライブした後で,個人的な心配事にとらわれていたり,ラジオ番組または同乗者との会話などのために,そのドライブでの多くの場面を思い出せないのに気づくことがある。そのような場合は病的ではない解離と呼ばれ,一般的には日常活動に混乱を生... さらに読む )。

総論の参考文献

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