人間の歯はそれほど鋭くないため、人間による咬み傷の多くは、あざや浅い裂け目(裂傷 外傷 動物などの 咬傷(こうしょう)や、その他のけがによって、皮膚の組織が切れたり、裂けたり(裂傷)、すり傷(擦過傷)や刺し傷を負ったりすることがあります。咬傷以外で傷が比較的小さく汚れていない場合、通常は特に問題なくすぐに治ります。しかし、傷口から大量に失血したり、 神経、腱、血管などの深部の組織が損傷したりする場合もあります。傷口が感染を起こすこともあります。とげやガラスの破片、布の切れ端などの異物が傷の中に入り込んだまま気づかれず、後に... さらに読む )程度です。例外は耳や鼻、陰茎などの突き出た部分を咬まれた場合で、切断されることがあります。
けんかで咬まれた場合や、誰かを殴ったときに握りこぶしが相手の歯に当たって傷が生じた場合は、 感染 咬み傷による手の感染症 人間による咬み傷に関連する手の感染症で最もよくみられるのは、誰かの口を殴ったときにできた拳のけがによるものです(英語ではclenched fist injuryやfight biteと呼ばれます)。 動物に咬まれるケースも手の感染症の原因としてよくみられます。人間や動物に咬まれた結果、数種類の細菌によって傷口が汚染されることがあります。どのような咬み傷でも、潜在的には危険があり、重い感染症や重篤な合併症(腱の感染症や... さらに読む が起こる可能性が高くなります。握りこぶしの裂傷は、指のつけ根を通る指の腱に及ぶこともあります。
かんだ人から 肝炎 肝炎の概要 肝炎とは肝臓の炎症です。 ( 急性ウイルス性肝炎の概要と 慢性肝炎の概要も参照のこと。) 肝炎は世界中でみられる病気です。 肝炎には以下の種類があります。 急性(経過が短い) さらに読む などが感染することがあります。人間に咬まれて ヒト免疫不全ウイルス ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症とは、ある種の白血球を次第に破壊し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすことのあるウイルス感染症です。 HIVは、ウイルスやウイルスに感染した細胞を含む体液(血液、精液、腟分泌液)と濃厚に接触することで感染します。 HIVはある種の白血球を破壊し、感染症やがんに対する体の防御機能を低下させます。... さらに読む (HIV)に感染することはほとんどありません。これは、唾液に含まれるHIVの濃度は血中よりも低く、また唾液に含まれる物質がこのウイルスの活動を阻害するためです。
(咬み傷と刺し傷に関する序 咬み傷と刺し傷に関する序 人間も含めて動物の多くは、驚かされたり挑発されたりすると、咬みつくことがあります。咬みつく動物の例として以下のものが挙げられます。 アリゲーターやクロコダイル イグアナ 小型のダニ 大型のダニ さらに読む も参照のこと。)
人間による咬み傷の症状
人間による咬み傷の治療
傷の洗浄
抗菌薬
処置としては、医師が滅菌された食塩水(生理食塩水)で咬み傷を洗い流した後、石けんと水で洗浄します。
咬み切られた場合も接合できることがあります。切断された部位は湿らせたタオルやハンカチ、ペーパータオルでくるみ、ビニール袋に入れて密封します。その袋を氷を入れた別の袋に入れます。決して切断された部位を直接氷に載せたり、水につけたりしてはいけません。
皮膚が裂けた場合、手の傷や何時間も前に起こったもの以外、通常は手術で縫合します。
人間に咬まれて皮膚が傷ついた場合は、感染を予防するためたいてい抗菌薬が処方されます。傷口が感染している場合は、抗菌薬で治療しますが、多くは外科的に切開して傷をきれいにしなければなりません。ときに、隠れた異物を見つけるために、X線検査や超音波検査などの画像検査も行われます。
けんかして咬まれた傷が感染を起こした場合、入院して抗菌薬の静脈内投与が必要になることもあります。
咬みついた人に傷口から感染する病気があると疑われる場合は、予防的治療が必要になります。