早産児

執筆者:Arcangela Lattari Balest, MD, University of Pittsburgh, School of Medicine
レビュー/改訂 2022年 10月
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やさしくわかる病気事典

早産児とは、在胎37週未満で生まれた新生児のことです。生まれた時期によっては、早産児の臓器は発達が不十分で、子宮外で機能する準備がまだできていないことがあります。

  • 早産の既往、多胎妊娠、妊娠中の栄養不良、出生前ケアの遅れ、感染症、生殖補助医療(体外受精など)、高血圧などがある場合、早産のリスクが高くなります。

  • 多くの臓器の発達が不十分であるため、早産児では呼吸したり哺乳したりすることが難しく、脳内出血、感染症や他の異常が起こりやすくなります。

  • 予定日より非常に早く生まれた、出生体重も非常に低い早産児では、発達障害などの異常がみられるリスクが極めて高くなります。

  • 一部の早産児は後遺症がある状態で成長しますが、生存児の大半では軽度の問題しかないか、長期的な問題は残りません。

  • 早い時期から出生前ケアを受けることで早産のリスクが低下する可能性があります。

  • 母親に子宮の収縮を鈍らせたり止めたりする薬を投与することで、早産を短期間遅らせることがときに可能です。

  • 非常に早い時期の早産が予想される場合、母親にコルチコステロイドを注射して胎児の肺の発達を促すとともに、脳内での出血(脳室内出血)の予防に役立てます。

新生児の一般的な問題の概要も参照のこと。)

在胎期間とは、胎児が子宮の中にいた期間のことです。母親の最終月経開始日と分娩日の間の週数を表します。この期間は多くの場合、例えば妊娠期間に関してさらなる情報が得られる初期の超音波検査の結果など、医師が得るその他の情報に基づいて調整されます。在胎期間が40週間になる日が、出産予定日です。

新生児は在胎期間によって分類され、在胎37週未満で生まれた場合は早産児です。早産児はさらに以下のように分類されます。

  • 超早産児(extremely preterm):在胎28週未満で出生

  • 極早産児(very preterm):在胎28週以上、32週未満で出生

  • 中等度早産児(moderately preterm):在胎32週以上、34週未満で出生

  • 後期早産児(late preterm):在胎34週以上、37週未満で出生

米国では、乳児の約10人に1人が正期産の時期より前に生まれます。未熟性が高いほど、重篤かつ生命を脅かすような合併症のリスクも高くなります。

超早産での出生は、新生児の死亡原因の中で最も多くみられるものです。極早産児として生まれた新生児では、長期的な問題を抱えるリスクが上昇し、特に発達の遅れ脳性麻痺学習障害がみられます。とはいえ、早産児の大半は長期的な問題を抱えることなく成長します。

早産の原因

早産の原因はしばしば不明です。しかし、早産には多くの危険因子が知られています。青年や高齢の妊婦、社会経済的地位の低い妊婦、公的教育をあまり受けていない妊婦では、早産のリスクが高くなります。

過去の妊娠に由来する危険因子:

  • 早産の既往(最大の危険因子)

  • 過去の多胎妊娠

  • 過去の複数回の人工妊娠中絶または自然流産

妊娠前また妊娠中の危険因子:

しかし、早産児を出産するほとんどの女性は、知られている危険因子がない女性です。

早い時期から出生前ケアを受けることで早産のリスクが低下する可能性があります。

早産児の症状

早産児の体重は通常約2500グラム未満で、500グラムほどの児もいます。症状は様々な臓器が、どの程度未熟であるかによって異なります。

超早産児は、自分の力で臓器を良好に機能させることができるようになるまでの、新生児集中治療室(NICU)への入院期間を長く必要とする傾向にあります。一方、後期早産児では、成熟するのに時間を要する器官系があるとしても少数です。後期早産児は体温と血糖をうまく調整することができ、乳をよく飲み、体重が増えるようになるまで入院することがあります。

すべての早産児において、免疫系も発達が不十分であるため、感染症にかかりやすくなります。

早産児の身体的特徴

  • 体が小さい

  • 体に比べて頭が大きい

  • 皮下脂肪が少ない

  • 皮膚が薄く、光沢があり、ピンク色

  • 皮膚の下に静脈が見える

  • 足の裏のしわが少ない

  • 頭髪が少ない

  • 耳が柔らかく、軟骨が少ない

  • 胸部組織の発達が不十分である

  • 男児:陰嚢のしわが少なく小さい、非常に早く生まれた新生児では精巣が降下していないことがある

  • 女児:大陰唇がまだ小陰唇を覆っていない

  • 間隔の短い速い呼吸(周期性変動呼吸)または無呼吸発作(20秒以上呼吸が停止する)、もしくはその両方が現れる

  • 吸啜(きゅうてつ)反射(反射的に乳を吸おうとする行動)と嚥下反射が弱く、調整がうまくできない

  • 身体活動度が低く筋肉の緊張が弱い(早産児は正期産児ほど安静時に腕や脚を引き上げない傾向がある)

早産の合併症

早産児にみられる合併症の多くは、発達が不十分で未熟な臓器や器官系が原因です。合併症のリスクは、未熟性の程度に伴って上昇します。また、感染症、糖尿病、高血圧や妊娠高血圧腎症などの早産の原因があることも、合併症のリスクにある程度影響します。

脳の発達不良

脳が十分に発達する前に出生した場合、いくつかの問題が生じます。具体的な問題としては以下のものがあります。

  • ムラのある呼吸:規則正しい呼吸をつかさどる脳の部分が未熟なため、早産児の呼吸にはムラがあり、呼吸中に短い中断があったり、20秒あるいはそれ以上呼吸が完全に止まったり(未熟児無呼吸発作)します。

  • 呼吸と哺乳の調整困難:のどと口反射をコントロールする脳の部分が未熟なため、早産児は吸うことや飲み込むことが正常にできず、呼吸と哺乳の調整が困難になります。

  • 脳出血:非常に早く生まれた新生児は、脳内で出血を起こすリスクが高くなります。

発達不十分な消化管と肝臓

発達が不十分な消化管と肝臓により以下のようないくつかの異常が生じます。

  • 頻繁な溢乳(いつにゅう):初めのうち早産児は栄養をうまく取れない場合があります。吸啜(きゅうてつ)反射(反射的に乳を吸おうとする行動)、嚥下(えんげ)反射が未熟な上、その小さい胃がなかなか空にならないため、溢乳(逆流)がよくみられます。

  • 頻繁に哺乳に耐えられないことがある:早産児の腸は動きが非常に遅く、早産児ではしばしば、排便が困難です。腸管の動きが遅いために、早産児は与えられた母乳または人工乳を容易に消化できません。

  • 腸の損傷:非常に早く生まれた早産児では、腸の一部に重度の損傷が生じ、感染を起こす可能性がある重篤な病気が発生することがあります(壊死性腸炎と呼ばれます)。

  • 高ビリルビン血症:早産児には高ビリルビン血症が生じやすくなります。高ビリルビン血症では、新生児の肝臓でビリルビン(赤血球の正常な分解から生じる黄色の胆汁色素)を血液から除く処理に時間がかかります。このため、黄色の色素が蓄積して皮膚と白眼の部分が黄色くなります(黄疸)。出生後数日間、早産児は黄疸になりやすい傾向があります。通常、この黄疸は軽度で、新生児がより多くの栄養を摂取するようになり、排便の頻度が増すに従って治ります(ビリルビンは便として排泄されるため、便は最初明るい黄色になります)。まれですが、非常に高い値のビリルビンが蓄積すると新生児に核黄疸が発生するリスクが生じます。核黄疸とは、脳へのビリルビン沈着が原因で起こる脳の損傷です。

発達が不十分な免疫系

非常に早く生まれた早産児には、感染症から体を守るのに役立つ血液中のタンパク質である抗体が少ししかありません。母親の抗体は妊娠の後期に胎盤を移行し、出生時に新生児を感染症から守るのに役立ちます。早産児では母親からの防御抗体が少ないため感染症の発生リスクが高く、特に血液の感染症(新生児の敗血症)や脳の周囲の組織(髄膜炎)のリスクが上昇します。治療に際して血管カテーテルや呼吸チューブ(気管内チューブ)などの侵襲的な器具を使用する場合、重篤な細菌感染症の発生リスクがさらに高くなります。

発達が不十分な腎臓

出生前は、胎児が出す老廃物は胎盤を通じて取り除かれ、その後は母体の腎臓によって排出されます。しかし出生後は、この作業は新生児が自分の腎臓で行わなくてはなりません。非常に早く生まれた早産児では腎臓の機能は未熟ですが、腎臓が発達するに従って機能も向上します。腎臓の発達が不十分な新生児は、体内の塩分やその他の電解質のほか、水分の量をうまく調整できない傾向がみられます。腎臓の異常は発育不全および血液中への酸の蓄積(代謝性アシドーシス)につながる可能性があります。

発達が不十分な肺

早産児では出生前に肺が十分に発達する時間がありません。空気から酸素を取り込み、血液中から二酸化炭素を取り除く肺胞と呼ばれる小さな空気の袋は、妊娠期間の最後の3分の1(第3トリメスター【訳注:日本でいう妊娠後期にほぼ相当】)の始め頃まで形成されません。このような構造の発達のほかにも、肺の組織はサーファクタントと呼ばれる、脂肪でできた物質を生産する必要があります。サーファクタントは肺胞の内側を覆っており、呼吸サイクルを通じて肺胞が膨らんだ状態を保ち、呼吸をしやすくしています。サーファクタントがないと、肺胞は呼吸するたびにしぼんでしまい、呼吸をするのがとても難しくなります。通常、妊娠32週頃までサーファクタントは肺から生産されず、典型的に34~36週頃までは生産量が十分ではありません。

これらの要因は、早い時期に生まれた乳児には呼吸窮迫症候群(RDS)を含む呼吸の問題のリスクがあることを意味します。呼吸の問題がある新生児は、人工呼吸器(肺に出入りする空気の流れを補助する機械)による呼吸の補助を必要とすることがあります。予定より早く出生するほど、サーファクタント生産が少ないため、新生児が呼吸窮迫症候群を引き起こすリスクは高まります。

肺の構造をより急速に発達させるための治療はありませんが、十分な栄養があれば、肺は時間とともに発達し続けます。

サーファクタントの量を増やし、呼吸窮迫の可能性と重症度を低下させるために、以下の2つの方法があります。

  • 出生前:ベタメタゾンなどのコルチコステロイドは胎児のサーファクタントの産生を増やします。早産が予期される際(典型的に分娩の24~48時間前)に母親に注射されます。

  • 出生後:新生児の気管にサーファクタントを直接投与する場合があります。

気管支肺異形成症(BPD)は慢性の肺疾患で、早産児(特に生まれた時期が非常に早い早産児)に起こることがある病気です。BPDの乳児の多くは、呼吸窮迫症候群を発症し、人工呼吸器による治療を必要としたことがあります。BPDでは肺に瘢痕組織が生じ、乳児は継続的な呼吸の補助が必要になり、人工呼吸器が必要であることもあります。ほとんどの場合、この病気から非常にゆっくりと回復します。

発達が不十分な眼

網膜は、眼の奥にある光を感じる組織です。網膜は、その表面の血管から栄養を受け取っています。妊娠期間中、これらの血管は網膜の中心から縁へと成長していき、成長は満期近くまで完了しません。

早産児(特に非常に早い時期に出生している乳児)では、血管が成長を停止したり異常に成長したりする場合があります。多くの早産児は通常より多くの酸素を必要としますが、このことも網膜の血管の異常な成長につながる可能性があります。異常な血管が出血を起こしたり、瘢痕組織が生じて網膜が引きつれたりします。この病気を未熟児網膜症といい、出生後に生じます。最も重症の場合には、眼の後部で網膜剥離(もうまくはくり)が起こり、失明します。早産児で、特に在胎31週未満で生まれている場合、典型的には定期的に眼を診察し、血管の異常な成長がないかを調べます。網膜剥離のリスクが高い場合、レーザー療法を行うか、ベバシズマブという薬剤を投与することがあります。

早産児では近視(近眼)、左右の眼の向きのずれ(斜視)、またはその両方などのほかの眼の問題が発生するリスクも高くなります。

血糖調節が困難

早産児は哺乳に困難を抱える上、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)を正常に保つことも難しいことから、しばしばブドウ糖溶液を静脈から投与したり、授乳を少量ずつ頻繁に行ったりします。定期的に授乳しないと、早産児の血糖値が低下(低血糖)する場合があります。低血糖の新生児の多くは、特に症状が現れません。なかには、筋緊張の低下、乳を十分に飲まない、神経過敏などの症状が現れて元気がなくなる新生児もいます。まれにけいれん発作が起こることもあります。

早産児は、感染症または脳内の出血がある場合や、静脈内にブドウ糖を過量投与された場合に血糖値が高い状態(高血糖)になりやすい傾向があります。しかし、高血糖の症状はめったに現れず、新生児に投与するブドウ糖の量を制限するか、短期間インスリンを使用することによりコントロールすることができます。

心臓の異常

あまり成熟していない早産児によくみられる問題に、動脈管開存症があります。動脈管は、心臓から出ている2つの太い動脈である肺動脈と大動脈をつないでいる血管です(正常な胎児の循環を参照)。正期産児では、生後数時間から数日で、筋肉でできた動脈管の壁によって動脈管が閉じます。しかし早産児の場合、動脈管が開いたままのことがあり、結果として肺に血液が過剰に送られ、心臓に負荷がかかります。ほとんどの早産児では開いている動脈管はいずれ自然に閉じますが、早く閉じるように薬剤を投与することもあります。一部の例では、開いている動脈管を閉じる手術が行われます。

体温調節が困難

体温は脳によって維持されています。早産児は脳が成熟していないため、体温の調節に問題が生じます。早産児は正期産児と比べて、体重当たりの皮膚の表面積が大きいため、体温が急速に失われ、正常な体温をうまく保つことができない傾向にあり、特に寒い部屋にいるときやすきま風があるとき、窓の近くにいて外が寒いときなどに体温調節が難しくなります。早産児は温かく保っておかなければ体温が下がります(低体温症)。低体温症の新生児は、良好な体重の増加がみられず、ほかにも複数の合併症がみられる可能性があります。低体温症を予防するために、早産児は保育器またはラジアントウォーマー下で保温します(新生児集中治療室[NICU]を参照)。

早産児の診断

  • 新生児の外観

  • 在胎期間

通常、早産児かどうかは、算出された在胎期間と出生後に認められる身体的特徴に基づいて分かります。医師は通常の新生児の評価およびスクリーニングの一環として、新生児を診察し、必要な血液検査、臨床検査、聴覚検査、眼の検査、および画像検査を行います。これらのスクリーニング検査は、新生児の成長に合わせて、また退院前に頻繁に繰り返す必要がある場合もあります。

早産児の予後(経過の見通し)

ここ数十年で早産児の生存率と全体的な予後は劇的に向上しましたが、発達の遅れ、脳性麻痺、聴覚障害や視覚障害、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害などの問題は、依然として早産児では正期産児より多くみられます。予後を決定する最も重要な因子には以下のものがあります。

  • 出生体重

  • 未熟性の程度

  • 早産の24~48時間前に母親にコルチコステロイドが投与されたかどうか

  • 出生後に発生する合併症

早産児の性別も経過が良好になる可能性に影響を及ぼし、未熟性の程度が同じであれば、男児より女児の方が予後は良好です。

在胎23週未満で生まれた場合、生存すること自体がまれです。23~24週で生まれた乳児は生存できる可能性がありますが、一定以上の神経損傷なく生存できることはほとんどありません。在胎27週以降に生まれた乳児は、その大半が神経学的な問題なく生存できます。

早産の予防

定期的な出生前ケアを受けることに加え、危険因子または妊娠の合併症を特定し治療すること、そして喫煙を止めることが、早産児が生まれるリスクを抑える最善のアプローチでしょう。ただし、早産児が生まれるリスクを上昇させる条件の多くは、避けられないものです。いずれの場合でも、早産しかけている、または破水したと思う妊婦は、適切な評価と治療を手配するためにすぐに産科医に連絡すべきです。

しばしば生殖補助医療の結果、多胎妊娠(双子、三つ子、それ以上など)となります。このような妊娠では早産とその合併症のリスクが著しく上昇します。しかし、単一の胚を着床させる選択的単一胚移植と呼ばれる方法は多胎妊娠のリスクを抑えるため、女性によってはよい選択肢と考えられる場合があります。

早産児の治療

  • 合併症の治療

早産児の治療では、発達が不十分な器官に起因する合併症を管理します。具体的な病気はすべて、必要に応じて治療します。例えば、呼吸の問題を補助するための治療(肺疾患に対する人工呼吸器やサーファクタント治療など)、感染症に対する抗菌薬、貧血に対する輸血、眼の病気に対するレーザー手術などを早産児が受ける場合や、心臓の異常のために心エコー検査のような特別な画像検査が必要になる場合もあります。

両親は、できるだけ多く新生児に面会し、スキンシップをはかることが勧められます。新生児と母親や父親が肌と肌を触れ合わせること(カンガルー・ケアとも呼ばれます―新生児集中治療室[NICU]を参照)は、可能な場合はつねに新生児にとって有益で、親子の絆を深めます。

毛布、キルト、枕、ぬいぐるみなどのふわふわした物体は、予期せぬ乳児突然死(SUID)のリスクを上昇させる可能性があるため、すべての乳児のベビーベッドから取り除くべきです。うつ伏せで眠ることも予期せぬ乳児突然死のリスクを上昇させるため、自宅ではうつ伏せではなく仰向けに寝かせるようにします(Safe to Sleep®キャンペーンも参照)。

極早産児

極早産児には数日、数週間、または数カ月にわたる新生児集中治療室でのケアが必要になります。自分で呼吸できるようになるまで、呼吸用のチューブや人工呼吸器(肺に出入りする空気の流れを補助する機械)が必要になることがあります。

栄養チューブを介した胃への栄養補給に耐えられるようになり、最終的には口から栄養摂取ができるようになるまでは、静脈から栄養を摂取します。早産児にとって母親の母乳が最良の栄養源です。また、母乳の使用によって壊死性腸炎という腸の問題および感染症の発生リスクが低下します。母乳にはカルシウムなどの一部の栄養素が少ないため、極低出生体重児では、強化剤と混合する必要がある場合があります。早産児用に作られたカロリーの高い特別な乳児用人工乳も、必要があれば使用できます。

極早産児は、規則正しい呼吸をつかさどる脳の部分が発達するまで、カフェインなどの呼吸を促進する薬剤を必要とすることがあります。

正常な体温を維持することができるようになるまで、保温のために保育器で過ごす必要があります。

超早産児

超早産児は、極早産児とすべて同じケアを必要とします。極早産児のように、超早産児も自力で呼吸でき、口から栄養を摂取でき、正常な体温を維持でき、体重が増えるようになるまで退院できません。

退院

早産児は通常、医学的な問題が十分にコントロールされ、かつ以下の状況になるまで、病院で管理されます。

  • 特別な補助なしに十分な量の哺乳ができる

  • 体重が着実に増加している

  • ベビーベッドで正常な体温を維持できる

  • 呼吸の停止(未熟児無呼吸発作)がみられなくなった

多くの早産児は、在胎期間で35~37週の時期になり、体重が2~2.5キログラムになると、退院できる状態です。ただし、これには大きな個人差があります。入院期間の長さは、長期的な予後に影響しません。

早産児では、車のチャイルドシートに乗せている間に呼吸が止まったり(無呼吸)、血液中の酸素レベルが低くなったり、心拍数が低くなったりするリスクがあるため、多くの米国の病院では、早産児が退院する前に、早産児をチャイルドシートに乗せた状態で呼吸心拍をモニターする試験を行っています。この試験は、チャイルドシートに乗るときの半分横になった姿勢で、乳児が安定した状態かどうかを判断するためのものです。通常は、両親が準備したチャイルドシートを使用して試験を行います。早産児においては、この試験で異常がなかった場合も含め、予定日になり、チャイルドシートに確実に耐えられるようになるまで、チャイルドシートに乗せて移動する間は運転していない大人が常に監視すべきです。子どもの顔色を観察する必要があるため、車での移動は日中に限るべきです。長時間の移動は45~60分毎に区切り、子どもをチャイルドシートから下ろして姿勢を変えられるようにします。

調査では、多くのチャイルドシートが最適に取り付けられていないことが分かっており、資格をもつチャイルドシート点検者によるチャイルドシートの点検が勧められています。米国で点検を受けられる場所はこちらで探すことができます。点検サービスを提供している病院もありますが、無資格の病院スタッフが提供する正式ではないアドバイスは、資格をもつチャイルドシートの専門家による点検と同等とみなすべきではありません。

米国小児科学会は、チャイルドシートは車での移動のためのみに使用すべきで、乳児用椅子やベッドとして使用すべきではないと勧告しています。多くの医師は親に対し、自宅での最初の数カ月間は、早産児をゆりかごやバウンサーに乗せないようにすることも勧めています。

退院後には、早産児は発達に問題がないか注意深いモニタリングを受け、必要に応じて理学療法、作業療法、および言語療法を受けます。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. Safe to Sleep®:乳児向けの安全な睡眠の実践に関する親および養育者向けの情報

  2. チャイルドシート点検施設検索サービス(Child car seat inspection station locator):設置されたチャイルドシートの点検を受けられる場所または設置の支援を受けられる場所に関する情報

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