トイレトレーニング

執筆者:Deborah M. Consolini, MD, Thomas Jefferson University Hospital
レビュー/改訂 2021年 7月
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    多くの場合、小児は2歳と3歳の間にトイレの使い方を教わります。普通は、最初にトイレを使えるようになるのは排便時です。ほとんどの小児では、2歳から3歳の間に排便のコントロール、3歳から4歳の間に排尿のコントロールを訓練できます。多くの場合5歳までに日中の排尿コントロールができるようになり(昼間尿禁制といいます)、服を着たり脱いだり、尿や便を出したり、おしりをふいたり、水を流したり、手を洗ったりなど、すべてをできるようになります。しかし、健康な4歳児の約30%、また7歳児の約10%では、夜間に膀胱を常にコントロールできる状態にはまだなっていません(夜間失禁または遺尿症といいます)。排便コントロールに問題がある小児(便失禁または遺糞症といいます)については、 see page 小児の便失禁を参照してください。

    トイレの訓練には、小児の準備ができたサインに気づくことが重要です。準備ができたサインは次の通りです。

    • 数時間にわたっておむつが乾燥したままである

    • おむつがぬれる、あるいは汚れると取り換えてほしがる

    • オマルやトイレに座ることに関心を示す、尿意や便意をもよおしているそぶりをみせる

    • あるべき場所に物を置ける、簡単な命令に従える

    小児はたいてい1歳半から2歳の間に訓練を始められるようになります。中に、身体的にはトイレを使う準備ができていても、感情的にまだできていない小児もいます。トイレの訓練で長く苦労しないようにするために最もよいのは、小児が進んでするようなそぶりを見せるまで待つことです。小児は準備ができたら、トイレで手助けを求める、またはオマルのところまで自ら行くようになります。

    タイミング法

    トイレトレーニングの方法は養育者全員で一貫している必要があります。ベビーシッター、祖父母、保育士は同じ方法に従い、体の部位とトイレでの行為に同じ名前を使います。

    トイレの訓練には、タイミング法が最もよく用いられます。小児に準備ができたようであれば、オマルへ連れて行き、短い間だけ服を着たままそこに座らせることを徐々に行っていきます。その後、パンツを自分で下ろし、オマルに1回につき5分か10分くらい座り、また服を着るという練習をさせます。簡単な説明を繰り返して行い、汚れたおむつをオマルの中に入れることでその説明を強調します。また、小児が排泄の欲求を感じたら、いつでもオマルを使う練習をするよう促します。排尿や排便が終わるたびに、トイレの水を流すことや、手を洗うことも教えるべきです。

    言われた通りにできたときには、褒めたりご褒美(シールなど)をあげたりします。おもらししたり、うまくできなかったときに、しかったり罰を与えたりしてはいけません。小児にとって訓練が嫌になり、大きなストレスになってしまうためです。トイレトレーニングには長い時間がかかり(通常は3~6カ月)、途中で失敗することがあることを親は理解し受け入れる必要があります。

    タイミング法は、排便や排尿の周期が予測でき、通常の排便時間にオマルに座らせることができる小児の場合、効果があります。周期が予測できない小児では、オマルに行く必要のあるときを自分で分かるようになるまで、訓練を遅らせた方がよいかもしれません。

    トイレに座るのを嫌がる小児には、食事の後で再度試してみます。小児の抵抗が数日続く場合は、訓練を数週間延期するのが最もよい方法です。トイレやオマルの使用を拒む小児は準備ができていないだけかもしれません。トイレに座ってうまくできたら、褒めてご褒美を与えることが効果的です。いったんこのパターンができたら、ご褒美を与えるのは1回おきにして、徐々にやめるようにします。

    力ずくでの訓練は、多くの場合、それまで達成されたどんな進歩も退行させる原因になり、親子関係にひずみを生むことがあるため避ける必要があります。

    トイレトレーニングが済んだ小児は、以前の発達段階に逆戻りする(退行といいます)こともあり、病気になったときや感情的に動揺しているとき、あるいは弟や妹ができたときなど親の注意を引きたいと感じるときにも失敗が多くなります。このような場合、親は子どもを責めず、ご褒美をあげて、トイレトレーニングと関係のないときにも、子どもをもっと気にかけるようにします。

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