白皮症

執筆者:Shinjita Das, MD, Harvard Medical School
レビュー/改訂 2022年 10月
プロフェッショナル版を見る

白皮症は、皮膚の色素であるメラニンがほとんどまたはまったく作られなくなる、まれな遺伝性の病気です。症状は皮膚、毛髪、および眼に現れますが、ときに眼だけに現れることもあります。

  • 典型的には、毛髪と皮膚は白くなり、眼はピンク色か薄い青灰色になります。

  • 通常、診断は皮膚と眼の診察結果により行われます。

  • 根治的な治療法はありませんが、白皮症の人は、日焼けを予防し、皮膚がんのリスクを減らすために、自分の体を日光から保護する必要があります。

皮膚の色素の概要も参照のこと。)

白皮症は世界中のあらゆる人種でみられる皮膚の色素沈着の病気です。いくつかのまれな遺伝性疾患によって引き起こされ、皮膚の色素減少(メラニンの量が異常に少ない状態)または色素脱失(色素が完全に失われた状態)に加え、眼にも症状が現れ、視力低下、左右の眼の向きのずれ(斜視)、眼球の不随意運動(眼振)がみられます。

眼白皮症と呼ばれる種類の白皮症では、眼に症状が現れますが、皮膚と毛髪には通常は症状がみられません。出血性疾患とともに生じるタイプの白皮症もあります。

白皮症の症状

白皮症は、白い毛髪、青白いまたは白い皮膚、ピンク色または薄い青灰色の眼などの典型的外観から容易に見分けがつきます。眼が光に対して非常に敏感になり、患者はしばしば明るい光を避けようとします。

白皮症(眼の症状)
詳細を非表示
眼に生じる白皮症(眼白皮症)では、眼にほとんど色がみられないことがあります。
BSIP, KOKEL/SCIENCE PHOTO LIBRARY

あまり典型的ではない種類の白皮症では、皮膚に若干の色があり、毛髪はいくぶん赤く、また眼は青色か褐色の場合もあります。

白皮症(皮膚の症状)
詳細を非表示
白皮症は、色の薄い毛髪(白色から黄色っぽい白色)と青白い皮膚を特徴とし、メラニンが欠如することによって発生します。
Image courtesy of Noah S.Scheinfeld, MD, and the Dermatology Online Journal.

メラニンは皮膚を日光から保護する物質であることから、白皮症の人では日焼けや皮膚がん(特に有棘細胞がん)が非常に生じやすくなります。明るい日光を数分浴びただけでも重篤な日焼けが生じます。

白皮症の診断

  • 医師の診察

白皮症の診断は皮膚と眼の診察結果に基づいて下されます。

白皮症の治療

  • 日光に対する防御

  • 斜視に対する手術

白皮症を治す治療法はありません。

白皮症の人は皮膚がんのリスクが高いため、定期的に皮膚の診察を受けるべきで、さらに日焼けを予防し、皮膚がんのリスクを減らすために、以下のような対策を講じる必要があります。

  • 直射日光にあたらない

  • 紫外線防護用のサングラスをかける

  • 紫外線防御指数(UPF)が50以上ある保護効果の高い衣類を着用する

  • 紫外線A波とB波を遮断する紫外線防御指数(SPF)50以上の日焼け止めを塗る

知っていますか?

  • 白皮症はあらゆる人種で生じます。

衣服による紫外線に対する防御効果の大きさは様々です。一般に、編み方が密で重い布ほど防御効果が高くなります。UPFを一時的に高める物質で衣服を処理することも可能です。UPFが高い衣服は、以前のものと比べて着心地が改善されていて、スポーツ用品店やそれ以外でも多くの小売店で容易に見つけられるようになっています。UPFが高い衣服ほど、高い防御効果をもっています。

斜視は外科的処置で是正できます。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS