(電解質の概要 電解質の概要 人の体内の水分量は体重の2分の1をはるかに上回ります。体内の水分は様々な空間(体液コンパートメントと呼ばれています)に制限されて存在していると考えられています。主に次の3つのコンパートメントがあります。 細胞内の体液 細胞の周囲の体液 血液 体が正常に機能するには、これらの各領域で体液量が偏らないようにする必要があります。 さらに読む 、 体内でのマグネシウムの役割の概要 体内でのマグネシウムの役割の概要 マグネシウムは体内に存在する 電解質の1つであり、血液などの液体に溶け込むと電荷を帯びる ミネラルですが、体内の大半のマグネシウムは電荷を帯びておらず、タンパク質と結合しているか、骨に蓄えられています。( 電解質の概要も参照のこと。) 体内に存在するマグネシウムの約半分は骨に含まれています。血液中に含まれる量は微量です。マグネシウムは骨や歯の形成および、神経や筋肉の正常な機能に欠かせません。体内の様々な酵素も、マグネシウムがないと正常に... さらに読む も参照のこと。)
マグネシウムは体内に存在する 電解質 電解質の概要 人の体内の水分量は体重の2分の1をはるかに上回ります。体内の水分は様々な空間(体液コンパートメントと呼ばれています)に制限されて存在していると考えられています。主に次の3つのコンパートメントがあります。 細胞内の体液 細胞の周囲の体液 血液 体が正常に機能するには、これらの各領域で体液量が偏らないようにする必要があります。 さらに読む の1つであり、血液などの液体に溶け込むと電荷を帯びる ミネラル ミネラルの概要 体の細胞が正常に機能するには、ミネラルが必要です。体は、以下のものを比較的大量に必要とします。 カルシウム 塩化物 マグネシウム リン さらに読む ですが、体内の大半のマグネシウムは電荷を帯びておらず、タンパク質と結合しているか、骨に蓄えられています。血液中に含まれる マグネシウム 体内でのマグネシウムの役割の概要 マグネシウムは体内に存在する 電解質の1つであり、血液などの液体に溶け込むと電荷を帯びる ミネラルですが、体内の大半のマグネシウムは電荷を帯びておらず、タンパク質と結合しているか、骨に蓄えられています。( 電解質の概要も参照のこと。) 体内に存在するマグネシウムの約半分は骨に含まれています。血液中に含まれる量は微量です。マグネシウムは骨や歯の形成および、神経や筋肉の正常な機能に欠かせません。体内の様々な酵素も、マグネシウムがないと正常に... さらに読む はごく微量であるものの、骨や歯の形成および、神経や筋肉の正常な機能にはある程度のマグネシウムが欠かせません。
低マグネシウム血症の原因
マグネシウム濃度の低下は一般に、飢餓状態などで摂取量が少ない場合(最多)や、腸から正常に栄養素を吸収できない(吸収不良 吸収不良の概要 吸収不良症候群とは、食べたものに含まれる栄養素が様々な理由により小腸で適切に吸収されない状態のことをいいます。 ある種の病気、感染症、手術でも吸収不良が起こることがあります。 吸収不良によって、下痢、体重減少、極度の悪臭がする大量の便がみられます。 診断は、典型的な症状と、便検査の結果、ときに小腸粘膜の生検結果に基づいて下されます。... さらに読む )場合に発生します。しかし、腎臓や腸から過量のマグネシウムが排出されることで低マグネシウム血症が生じることもあります。
低マグネシウム血症は以下のような理由によっても生じます。
大量飲酒(一般的):大量に飲酒すると、食事量(したがってマグネシウムの摂取量)が減少し、マグネシウムの排泄量が増加します。
長引く下痢(一般的):マグネシウムの排泄量が増加します。
アルドステロン、バソプレシン(抗利尿ホルモン)、または甲状腺ホルモンの高値:マグネシウムの排泄量が増加します。
利尿薬、抗真菌薬のアムホテリシンB、化学療法薬のシスプラチンなどの薬剤:マグネシウムの排泄量が増加します。
授乳:マグネシウムの必要量が増加します。
低マグネシウム血症の症状
低マグネシウム血症の症状には、吐き気、嘔吐、眠気、脱力、人格の変化、筋肉のけいれん、振戦、食欲不振などがあります。重度の低マグネシウム血症では、 けいれん発作 けいれん性疾患 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまる場合もあります。... さらに読む が起こることがあり、特に小児でよくみられます。
低マグネシウム血症の診断
血液中のマグネシウム濃度の測定
血液検査でマグネシウム濃度が低ければ、低マグネシウム血症の診断が下されます。 低カルシウム血症 低カルシウム血症(血液中のカルシウム濃度が低いこと) 低カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が非常に低い状態をいいます。 カルシウム濃度の低下は、副甲状腺の問題や、食事、腎疾患、特定の薬剤などが原因で発生します。 低カルシウム血症が進行すると、強い痛みを伴う筋肉のけいれんがよくみられ、そのほかに錯乱、抑うつ、忘れっぽくなる、唇や指や足のピリピリ感、筋肉のこわばりと疼きなどの症状が現れることもあります。 通常は一般的な血液検査で発見されます。... さらに読む や 低カリウム血症 低カリウム血症(血液中のカリウム濃度が低いこと) 低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が非常に低い状態をいいます。 カリウム濃度の低下には多くの原因がありますが、通常は嘔吐、下痢、副腎の病気、利尿薬の使用が原因で起こります。 カリウム濃度が低下すると、筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、さらには麻痺が生じるほか、不整脈を起こすことがあります。 診断は、カリウム濃度を測定する血液検査に基づいて下されます。 通常は、カリウムを豊富に含む食べものを食べるか、カリウムのサプリメントを飲むだ... さらに読む も認められることがあります。
低マグネシウム血症の原因を特定するために、他の検査が必要になることがあります。
低マグネシウム血症の治療
マグネシウム
症状が現れたとき、もしくは低マグネシウム血症が持続するときは、マグネシウムを経口で投与します。アルコール依存症の患者には通常、マグネシウムを投与します。
マグネシウム濃度が非常に低く、重度の症状が起きている場合や、口からマグネシウムを摂取できない場合は、筋肉または静脈内に注射で投与します。
低マグネシウム血症の治療時には、低カルシウム血症や低カリウム血症などの他の電解質異常も是正しなければなりません。
低マグネシウム血症の原因となりうる基礎疾患を治療します。