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直腸脱

執筆者:

Parswa Ansari

, MD, Hofstra Northwell-Lenox Hill Hospital, New York

レビュー/改訂 2023年 1月
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本ページのリソース

直腸脱とは、痛みを伴わずに直腸が肛門の外に突き出ている状態です。

  • 直腸脱は、しばしば排便時などのいきみが引き金になって起こります。

  • 診断は、診察と様々な内視鏡検査および画像検査に基づいて下されます。

  • 乳児や小児の直腸脱は通常は手術をしなくても治ります。

  • 成人では手術により治療します。

直腸は肛門の上にある消化管の一部で、便が肛門を通って体外に排出されるまで便が蓄えられる部分です。

肛門は消化管の末端にある開口部で、便が体外に排出されるときの出口になる部分です。

直腸粘膜のみの一時的な突出は、健康な乳児に多く発生し(おそらく乳児が排便時にいきんだ際に生じる)、深刻なことはまれです。

成人では直腸粘膜の突出が持続したり悪化したりして、さらに多くの部分が突出する傾向がみられます。

直腸の完全な脱出(正式には全脱と呼ばれることがありますが、この用語はあらゆる臓器の完全な脱出を指して使われます)は、60歳以上の女性に最も多く発生します。

直腸脱の診断

  • 医師の診察

  • S状結腸鏡検査、大腸内視鏡検査、または下部消化管造影検査

突出の程度を判断するために、医師は患者に立った姿勢か屈んだ姿勢でいきんでもらって肛門部を調べます。手袋をはめた指で肛門括約筋の触診を行うと、しばしば筋肉の緊張が低下していることが分かります。

S状結腸鏡検査、 大腸内視鏡検査 内視鏡検査 内視鏡検査とは、柔軟な管状の機器(内視鏡)を用いて体内の構造物を観察する検査です。チューブを介して器具を通すことができるため、内視鏡は多くの病気の治療にも使うことができます。 口から挿入する内視鏡検査では、食道(食道鏡検査)、胃(胃鏡検査)、小腸の一部(上部消化管内視鏡検査)が観察できます。 肛門から挿入する内視鏡検査では、直腸(肛門鏡検査)、大腸下部と直腸と肛門(S状結腸内視鏡検査)、大腸全体と直腸と肛門(大腸内視鏡検査)が観察できま... さらに読む 下部消化管造影検査 消化管のX線検査 消化器系の問題の評価にはX線検査がよく使われます。標準的なX線検査(単純X線検査)では、特別な準備は何も必要ありません( 単純X線検査)。消化管に閉塞や麻痺がある場合や、腹腔内のガスの分布が異常な場合は、通常は標準的なX線検査で明らかになります。また、肝臓、腎臓、脾臓の腫大も標準的なX線検査で明らかになります。 バリウムを用いたX線検査では、多くの場合、標準のX線検査より多くの情報が得られます。味つけした液体バリウムまたはバリウムでコー... さらに読む で大腸を調べると、原因となっている基礎疾患が明らかになることもあります。

直腸脱の治療

  • いきみの原因の排除

  • 乳児と小児では、ひもによる殿部の固定

  • 成人では、通常手術

乳児や小児では、便軟化剤を使うと、いきむ必要がなくなります。排便と排便の間に殿部をひもで固定すると、通常は直腸脱の自然治癒に役立ちます。

成人では、この問題を治すために通常は手術が必要です。腹部手術の一種(直腸固定術と呼ばれます)では、直腸全体を引き上げて戻し、骨盤の仙骨に縫合(ほうごう)固定します。別の手術で、直腸の一部を切除し、残った直腸を仙骨に縫合固定する方法もあります。

体力がかなり低下していて腹部に対する手術を受けられない場合は、直腸に対する手術が好まれます。

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