涙器の解剖
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涙小管炎の病因
涙小管炎の最も一般的な原因は,微細な分枝状線維を有するグラム陽性桿菌であるActinomyces israeliiの感染であるが,その他の細菌や真菌(例,Candida albicans)およびウイルス(例,単純ヘルペス)も原因となりうる。涙小管炎の原因として頻度が増えているのは,留置された涙点プラグ(ドライアイの治療として挿入される)が涙点から涙小管へ移動することによる。
涙小管炎の症状と徴候
症状と徴候は流涙,眼脂,充血(特に鼻側),および患側の軽度の圧痛である。
涙小管炎の診断
臨床的評価
症状と徴候,涙嚢および涙小管圧迫による混濁分泌物の排出,ならびに涙道ブジー中に感知されることがある壊死性物質に起因する砂が入ったような感覚に基づいて診断を疑う。
涙小管炎は 涙嚢炎 涙嚢炎 涙嚢炎は,涙嚢の感染症であり,ときに膿瘍形成に至る。起因菌は通常ブドウ球菌属またはレンサ球菌属であり,典型的には鼻涙管閉塞に由来する。 急性涙嚢炎では,涙嚢に発赤,腫脹,疼痛が生じる。この写真には,皮膚を越えて破裂し,瘻孔を形成した膿瘍が写っている。 慢性涙嚢炎は,しばしば長期にわたる鼻涙管閉塞により,涙嚢上の皮膚の突出として現れる。圧迫を加えると,突出部に痛みがないこともあるが,膿様またはチーズ様物質が涙点から流れ出すことが多い。... さらに読む と鑑別できる。涙小管炎では,涙点および涙小管は発赤腫脹している;涙嚢炎では,涙点および涙小管は正常であるが,涙嚢内またはその付近に,発赤腫脹した圧痛を伴う腫瘤がある。
涙小管炎の治療
支持療法(例,温罨法)
抗菌薬
ときに,結石や異物除去のための手術
涙小管炎の治療は温罨法,抗菌薬溶液を用いた涙小管洗浄(眼科医による),および結石または異物があればその除去であり,この除去には通常手術(しばしば診察室で局所麻酔下で行われる)が必要となる。抗菌薬の選択は,通常第1世代セファロスポリン系薬剤またはペニシリナーゼ抵抗性合成ペニシリンにより経験的に行うが,洗浄液サンプルの培養によって指標を立てることもある。
涙小管炎の要点
涙小管炎の一般的な原因は,感染または留置された涙点プラグである。
患者にはしばしば,流涙,眼脂,充血(特に鼻側),および患側の軽度の圧痛がみられる。
診察では,涙嚢および涙小管を圧迫すると分泌物がみられことがあり,患者には涙道ブジー中に砂が入ったような感覚が生じる。
治療には,圧迫,抗菌薬,そしてときに手術などの支持療法がある。