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口囲皮膚炎

執筆者:

Jonette E. Keri

, MD, PhD, University of Miami, Miller School of Medicine

レビュー/改訂 2020年 7月
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口囲皮膚炎は,丘疹膿疱性の発疹を主体とする顔面の紅斑性皮疹で, ざ瘡 症状と徴候 尋常性ざ瘡は,毛包脂腺系(毛包とそれに付属する皮脂腺)の閉塞および炎症の結果として,面皰,丘疹,膿疱,結節,嚢腫などが形成される病態である。ざ瘡は顔面および体幹上部に生じる。青年期に最も多くみられる。診断は診察による。治療には重症度に応じて,皮脂産生,面皰形成,炎症,および細菌増殖を抑制すると同時に角化を正常化させることを目的とした,多岐... さらに読む 症状と徴候 酒さ 症状と徴候 酒さは,顔面紅潮,毛細血管拡張,紅斑,丘疹,および膿疱と重症例でみられる鼻瘤を特徴とする慢性炎症性疾患である。診断は特徴的な外観および病歴に基づく。治療は重症度に応じて異なり,メトロニダゾールの外用,抗菌薬の外用および内服,イベルメクチンの外用,まれにイソトレチノイン,重度の鼻瘤に対する手術などがある。 酒さは30~50歳の色白の患者に好発し,アイルランド系および北欧系の人々で最も顕著となるが,皮膚の色の濃い患者にもみられ,そのような患... さらに読む 症状と徴候 に類似するが,典型例では口の周辺から始まる。診断は病変の外観による。治療法としては,原因の回避や抗菌薬の外用のほか,ときに抗菌薬の内服などがある。

口囲皮膚炎については,外用コルチコステロイドや水および歯磨剤に含まれるフッ素に対する曝露をはじめとして,様々な原因が提唱されているが,口囲皮膚炎の病因は依然として不明である。その名称に反して,口囲皮膚炎は真の皮膚炎ではない。主に妊娠可能年齢の女性と小児が罹患する。典型例では,発疹は鼻唇溝から始まり,口周囲に拡大するが,赤唇縁の周囲は侵されない。ただし,眼周囲および前額部にまで拡大することもある。

口囲皮膚炎の診断

  • 臨床的評価

口囲皮膚炎の診断は病変の外観による;口囲皮膚炎は面皰を欠くことで ざ瘡 症状と徴候 尋常性ざ瘡は,毛包脂腺系(毛包とそれに付属する皮脂腺)の閉塞および炎症の結果として,面皰,丘疹,膿疱,結節,嚢腫などが形成される病態である。ざ瘡は顔面および体幹上部に生じる。青年期に最も多くみられる。診断は診察による。治療には重症度に応じて,皮脂産生,面皰形成,炎症,および細菌増殖を抑制すると同時に角化を正常化させることを目的とした,多岐... さらに読む 症状と徴候 と鑑別し,口周囲および眼周囲病変を認めることで 酒さ 症状と徴候 酒さは,顔面紅潮,毛細血管拡張,紅斑,丘疹,および膿疱と重症例でみられる鼻瘤を特徴とする慢性炎症性疾患である。診断は特徴的な外観および病歴に基づく。治療は重症度に応じて異なり,メトロニダゾールの外用,抗菌薬の外用および内服,イベルメクチンの外用,まれにイソトレチノイン,重度の鼻瘤に対する手術などがある。 酒さは30~50歳の色白の患者に好発し,アイルランド系および北欧系の人々で最も顕著となるが,皮膚の色の濃い患者にもみられ,そのような患... さらに読む 症状と徴候 (これらの病変を欠く)と鑑別する。 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎は,皮脂腺の密度が高い部位(例,顔面,頭皮,胸骨)の皮膚に生じる一般的な炎症性疾患である。原因は不明であるが,皮膚に常在する酵母様真菌であるMalassezia属真菌が重要な役割を果たしている。脂漏性皮膚炎はHIV感染患者と特定の神経疾患を有する患者で頻度の増加がみられる。脂漏性皮膚炎では,ときにそう痒,フケ,ならびに頭皮,髪際部,および顔面の黄色調かつ脂ぎった鱗屑が生じる。診断は診察により行う。治療は抗真菌薬... さらに読む 脂漏性皮膚炎 接触皮膚炎 診断 接触皮膚炎は,刺激物(刺激性接触皮膚炎)またはアレルゲン(アレルギー性接触皮膚炎)との直接接触によって皮膚の炎症が生じる疾患である。症状としては,そう痒のほか,ときに灼熱痛などがみられる。皮膚の変化としては,紅斑,鱗屑,皮膚の腫脹のほか,ときに水疱形成や潰瘍形成などがみられる。局在は接触部位に依存する。診断には曝露歴と診察所見のほか,ときにパッチテストの結果も用いられる。治療法としては,コルチコステロイドの外用,止痒薬,刺激物およびアレ... さらに読む 診断 を除外する必要がある。

概して臨床的に生検の必要はないが,生検を行えば,軟毛の毛包に海綿状態とリンパ組織球浸潤が認められる。ルポイド型(lupoid variant)では,肉芽腫を認めることがある。

口囲皮膚炎の治療

  • フッ素を含有する歯科製品および外用コルチコステロイドの使用を控える

  • 抗菌薬の外用またはときに内服

口囲皮膚炎の治療は,フッ素を含有する歯科製品および外用コルチコステロイド(使用している場合)の使用を中止し,続いて抗菌薬を外用する(例,エリスロマイシン2%またはメトロニダゾール0.75%ゲルまたはクリームを1日2回)。反応がみられない場合は,ドキシサイクリンもしくはミノサイクリン(50~100mg,経口,1日2回)またはテトラサイクリン(250~500mg,経口,1日2回,食間)を4週間投与した後,最小有効量まで漸減する。

ざ瘡とは対照的に,抗菌薬は通常中止できる。ピメクロリムスの外用(2歳以上が対象)も重症度を低下させる。肉芽腫性の口囲皮膚炎の治療には,イソトレチノインも使用され,成功を収めている。

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