Splenic sequestrationによる血小板減少症

執筆者:David J. Kuter, MD, DPhil, Harvard Medical School
レビュー/改訂 2020年 6月
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    血小板のsplenic sequestrationの亢進は,脾腫を来す様々な疾患で発生することがある。ただし,進行した肝硬変で生じる血小板減少症は,splenic sequestrationではなく,主に肝臓でのトロンボポエチン産生の低下(およびその結果としての血小板産生減少)に起因する(1)。(血小板疾患の概要も参照のこと。)

    脾腫を引き起こしている疾患が同時に血小板産生を障害している場合(例,骨髄化生を伴う骨髄線維症にみられる)を除き,血小板数は通常30,000/μLを上回る。

    捕捉された血小板はストレス下で脾臓から放出される。そのため,splenic sequestrationのみに起因する血小板減少症が出血を引き起こすことはまれである。

    肝機能が正常な患者では,脾臓摘出により血小板減少症が是正される;しかし,骨髄不全の合併による重度の血小板減少症が認められない限り,脾臓摘出が適応となることはない。

    総論の参考文献

    1. Peck-Radosavljevic M, Wichlas M, Zacherl J, et al: Thrombopoietin induces rapid resolution of thrombocytopenia after orthotopic liver transplantation through increased platelet production.Blood 95:795–801, 2009.

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