variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)

執筆者:Pierluigi Gambetti, MD, Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2020年 7月
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    variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)は,まれな孤発性プリオン病である(2008年に同定された)。

    プリオン病の概要も参照のこと。)

    variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)の発生率は1億人当たり1~2例である。

    variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)は,異常プリオンタンパク質(PrPSc)の特徴という点ではGerstmann-Sträussler-Scheinker病(GSS)と類似する。しかしながら,GSSとは異なり,プリオンタンパク質遺伝子の変異は同定されていない。

    臨床像はクロイツフェルト-ヤコブ病のそれとは異なり,PrPScはプロテアーゼによる分解に対する抵抗性が比較的低い;他のものと比べてプロテアーゼに対する感受性が高い変異型もあり,疾患名のvariably protease-sensitiveはこのことに由来する。

    患者は精神症状,発話障害(失語および/または構音障害),および認知障害を呈する。運動失調およびパーキンソニズムを呈することもある。平均発症年齢は70歳であり,生存期間は24カ月である。約40%の患者に認知症の家族歴がある。

    variably protease-sensitive prionopathy(VPSPr)の診断は困難である。MRI,脳波検査,ならびに14-3-3タンパク質およびタウタンパク質に対する検査は通常役に立たず,PrP遺伝子のコード領域に変異は観察されていない。

    VPSPrの治療は支持療法のみである。

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