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環軸関節亜脱臼

(C1-C2亜脱臼)

執筆者:

Peter J. Moley

, MD, Hospital for Special Surgery

レビュー/改訂 2020年 11月
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環軸関節亜脱臼は第1頸椎と第2頸椎のアライメント異常であり,頸部を屈曲するだけで起こることがある。

環軸関節亜脱臼は,重度外傷に起因して,または 関節リウマチ 関節リウマチ(RA) 関節リウマチ(RA)は,主に関節を侵す慢性の全身性自己免疫疾患である。RAは,サイトカイン,ケモカイン,およびメタロプロテアーゼを介した損傷を引き起こす。特徴として,末梢関節(例,手関節,中手指節関節)に対称性に炎症が生じ,結果として関節構造が進行性に破壊される(通常は全身症状を伴う)。診断は特異的な臨床所見,臨床検査結果,および画像所見に基づく。治療としては,薬物療法,理学療法,およびときに手術を行う。疾患修飾性抗リウマチ薬は症状のコ... さらに読む 関節リウマチ(RA) 若年性特発性関節炎 若年性特発性関節炎(JIA) 若年性特発性関節炎は,16歳までに発症するリウマチ性疾患の一群である。関節炎,発熱,発疹,リンパ節腫脹,脾腫,および虹彩毛様体炎が,一部の病型で典型的である。診断は臨床的に行う。治療としては,コルチコステロイドの関節内注射,および疾患修飾性抗リウマチ薬などがある。 若年性特発性関節炎(JIA)はまれである。JIAの原因は不明であるが,遺伝... さらに読む 若年性特発性関節炎(JIA) ,もしくは 強直性脊椎炎 強直性脊椎炎 強直性脊椎炎は,代表的な 脊椎関節症であり,体幹骨,末梢の大関節,および指の炎症,夜間の背部痛,背部のこわばり,脊柱後弯症の増強,全身症状,大動脈炎,心伝導異常,ならびに前部ぶどう膜炎を特徴とする全身性疾患である。診断には,X線上で仙腸関節炎を示す必要がある。治療は,非ステロイド系抗炎症薬および/または腫瘍壊死因子阻害薬もしくはインターロイキン17(IL-17)阻害薬と関節の柔軟性を維持する理学療法による。... さらに読む 強直性脊椎炎 の患者において外傷なしに起こることがある。本症は非常にまれである。

環軸関節亜脱臼は通常無症状であるが,漠然とした頸部痛,後頭部痛,またはときに間欠的な(かつ致死的となりうる)頸髄圧迫を引き起こすことがある。

環軸関節亜脱臼の診断

  • 単純X線

  • 靱帯の完全性を評価するためのMRI

環軸関節亜脱臼は通常は頸部の単純X線検査で診断されるが,間欠性の亜脱臼を示すために屈曲位の画像が必要になることがある。患者が耐えられる限り頸部を屈曲した時の画像は,頸椎全体の動的不安定性を示す。X線像が異常な場合または正常であるが亜脱臼が依然として疑われる場合は,より感度が高いMRIを行うべきである。MRIではさらに最も感度の高い 脊髄圧迫の評価 診断 様々な病変が脊髄を圧迫して,髄節性の感覚,運動,反射,および括約筋障害を引き起こしうる。診断はMRIによる。治療は圧迫の軽減を目標として行う。 ( 脊髄疾患の概要および 脊椎・脊髄外傷の応急処置も参照のこと。) 圧迫の原因としては,脊髄内部の病変(髄内病変)より脊髄外部の病変(髄外病変)の方がはるかに頻度が高い。 圧迫は以下の場合がある: 急性 さらに読む 診断 が得られ,脊髄圧迫が疑われる場合は直ちに行う。

環軸関節亜脱臼の治療

  • 対症療法

  • 頸部の固定

  • 手術

環軸関節亜脱臼の治療の適応としては,痛み,神経脱落症状,および潜在的な脊椎不安定性などがある。治療には,対症療法および頸部の固定などがあり,通常は硬性の頸椎カラーから始める。治療の緊急性は一般に,症状に基づくか,感受性の高い患者ではMRIにおける脊髄の異常の有無に基づく。症状が増加する症例または急性外傷性損傷では,脊椎の安定化のために手術が必要になる場合がある。

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