膀胱鏡検査は,光ファイバー製の硬性または軟性内視鏡を膀胱に挿入する検査である。
適応としては以下のものがある:
泌尿器疾患の診断の補助(例, 膀胱腫瘍 膀胱癌 膀胱癌は通常,移行上皮癌(尿路上皮癌)である。通常は血尿(最も多い)または頻尿や尿意切迫などの刺激性の排尿症状がみられ,続いて尿路閉塞により疼痛が生じる可能性がある。診断は膀胱鏡検査および生検による。治療は,高周波治療,経尿道的切除術,膀胱内注入,根治的手術,化学療法,外照射療法,またはこれらの組合せによる。... さらに読む , 膀胱内の結石 尿路結石 尿路結石とは,泌尿器系内に存在する固形の粒子のことである。結石は疼痛,悪心,嘔吐,および血尿を引き起こすことがあるほか,続発性の感染から悪寒および発熱がみられることもある。診断は尿検査および放射線学的検査のほか,通常は単純ヘリカルCTに基づく。治療は鎮痛薬,感染に対する抗菌薬療法,および薬剤による排石促進療法のほか,ときに衝撃波砕石術また... さらに読む , 前立腺肥大症 前立腺肥大症 (BPH) 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)は,前立腺尿道周囲部が良性腺腫として増大した状態である。症状は下部尿路閉塞の症状である(尿勢低下,排尿遅延,頻尿,尿意切迫,夜間頻尿,残尿,終末時滴下,溢流性または切迫性尿失禁,完全尿閉)。診断は主に直腸指診と症状に基づき,膀胱鏡検査,経直腸的超音波検査,尿流... さらに読む )
尿管X線撮影またはJJ(ダブルJ)ステント(腎盂および膀胱に留置する遠位端がコイル状になったステント)留置のための膀胱へのアクセス
主な禁忌は活動性の 尿路感染症 尿路感染症 (UTI) に関する序論 尿路感染症(UTI)は,腎臓( 腎盂腎炎)が侵される上部尿路感染症と,膀胱( 膀胱炎),尿道( 尿道炎),および前立腺( 前立腺炎)が侵される下部尿路感染症に分類される。しかしながら,実際には(特に小児では)感染部位の鑑別が困難または不可能な場合もある。さらに,感染はしばしば1つの領域から別の領域へと拡大する。尿道炎と前立腺炎も尿路が侵さ... さらに読む (UTI)である。
膀胱鏡検査は通常,外来診療として,局所麻酔下(リドカインゲル2%を尿道に適用)または必要に応じて意識下鎮静もしくは全身麻酔下で施行される。合併症としては,UTI,出血,膀胱外傷,尿道外傷などがある。