毒のあるヘビも、毒のないヘビも、人をかみます。毒ヘビは、かむときに毒を注入することがあります。アメリカでは、ヘビによるかみ傷で人が死ぬことはめったにありません。ほかの一部の国では、さまざまな毒ヘビがたくさんの人を殺しています。
アメリカにいる毒ヘビは、数種類だけです:
最も多いもの:ガラガラヘビ、アメリカマムシ、ヌママムシなどのマムシ類
めずらしいもの:サンゴヘビ
人が毒のあるヘビにかまれるのは、ほとんどがガラガラヘビによるものです。人がサンゴヘビにかまれるのは、とてもまれなことです。
ヘビにかまれると、どのような症状が出ますか?
毒のないヘビにかまれると、少しだけ痛みがする、小さな刺し傷ができます。しかし、かまれたことをこわがっていると、呼吸が速くなり、汗が出て、吐き気がして、心臓がドキドキしたりすることがあります。これらの症状から、あなたは自分が毒ヘビにかまれたと思うかもしれません。
毒ヘビにかまれたときに起こる症状は、次のことによって変わります:
ヘビの種類
ヘビの大きさ(大きなヘビほど、たくさん毒をもっています)
注入された毒の量(同じヘビでも、1回かんだときに出す毒の量はいつも同じではありません)
かまれた体の部分
あなたの年齢、体の大きさ、健康状態
毒をもったマムシ類にかまれたときの症状
マムシ類のヘビにかまれても、必ず毒があるわけではありません。かまれてから最初の30~60分間に痛みや腫れがなければ、おそらく毒を受けていません。かまれた部分がじくじくする場合は、それは毒の徴候かもしれません。
毒のあるマムシ類のヘビにかまれると、次の症状が出ます:
かまれてからおよそ30~60分後に、赤みと腫れ
かまれてから3~6時間後に、あざと筋肉のこわばり
かまれた部分の近くにできる、血で満たされた水ぶくれ
ひどく腫れることもあります。腫れはふつう、2~3日の間、ひどくなっていきます。
もし大量の毒を受けていたなら、次の症状も現れるかもしれません:
筋肉に力が入らず、頭が混乱する
吐き気や嘔吐
歯ぐきからの出血
血をはく、便や尿に血が混じる
呼吸が苦しい(特にモハベガラガラヘビにかまれた場合)
数時間すると、次の症状が現れることがあります:
頭痛
目がかすむ
まぶたが垂れ下がる
口が渇く
ガラガラヘビにかまれた場合は、ピリピリする感覚、しびれ、または口の中に金属の味がする
サンゴヘビにかまれたときの症状
かみ傷のまわりの痛みや腫れは、ほとんどないか、まったくない
数時間後に、かみ傷がチクチクすることがある
筋肉に力が入らない(時間がたつにつれてひどくなっていく)
また、次の症状が現れることもあります:
目がかすんだりものが二重に見えたりする
筋肉に力が入らず、頭が混乱する
呼吸が苦しい
話したり飲み込んだりするのが難しい
ヘビにかまれたら、どうすればよいですか?
もしヘビにかまれて、症状が出ているなら、すぐに病院に行ってください。医療を受けられるまでの間は、次のようにしてください:
ヘビからはなれる
かまれた腕や脚を心臓の高さより下にさげる
なるべく落ち着いて、じっとしておく
かまれた部分から、アクセサリーやきつめの衣類を外す
次のことをしてはいけません:
毒をぬこうとして、かまれた部分を切り開いたり、口で吸ったりしてはいけません(効果はありません)
氷で冷やしてはいけません(有害です)
きついゴムバンドや止血帯を巻いてはいけません(有害です)
ヘビをつかまえて病院に持って行こうとしないでください(もしヘビが死んでいる場合は、携帯電話でとった写真が役に立つかもしれません)
病院が近くになく(キャンプ中など)、症状が何もない場合は、かまれた部分を石けんと水で洗ってきれいにしてください。ほかの浅い傷の場合と同じように、感染の徴候がないか注意しておいてください。
医師はどのようにして、ヘビによるかみ傷に毒があるかどうかを判断しますか?
ヘビによるかみ傷に毒があるかどうかを判断するために、医師はかまれた部分をよく見ます。医師はあなたにヘビの見た目をたずねるでしょう。医師は症状についても質問します。
マムシ類のヘビの見分け方
マムシ類のヘビには、無毒のヘビと見分けるのに役立つ特徴がいくつかあります。
無毒のヘビには以下の特徴がみられる傾向があります。
キバのないヘビを見かけても、キバが折りたたまれている可能性もあるため、毒のないヘビと決めつけてはいけません。 |
そのヘビに毒があるかどうかを判断するのに、かみ傷の形が役立つことがあります:
毒のないヘビにかまれると、ふつうは、小さな傷がたくさん並んだあとが残ります。
毒ヘビによるかみ傷は、ふつうは1つか2つの大きな穴になります。
医師はヘビによるかみ傷をどのように治療しますか?
毒のないヘビによるかみ傷なら、医師はほかの刺し傷と同じように治療します。医師は次のことをします:
傷をきれいにする
必要なら、感染を止めるための薬を使う
毒ヘビによるかみ傷なら、医師は次のことをします:
ふつうは、ヘビの抗毒素(決まった毒に効く薬)を静脈に注射する
症状が現れないか見守るために、あなたに6~8時間(必要ならもっと長く)病院にいてもらう
あなたが毒を大量に受けている場合は、あなたに病院の集中治療室に入ってもらう